植物の自衛策  - 農薬とファイトアレキシン | プロムナード

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農薬というと、食物の消費者側ではまるで毒薬の様に忌み嫌う人も多い。なぜ農薬が問題となるのかというと、即ち人体に対する影響が懸念されるからだ。ゆえに、無くて済むのであればそれに越したことはない。早い話、農薬まみれとなって虫も付かない様な、まるで食品サンプルのような食材が食卓に並ぶのは如何なものかとは思う。

しかし農家に於ける生産効率を鑑みれば、止むを得ず農薬を使用すると言う事情は理解できる。実際拙宅の庭にある梅の木では、初夏になると新芽を占領するアブラムシ達と小生との大戦争が毎年繰り広げられている。たった一本であのザマなのだから、広い畑を管理する農家にしてみれば、無農薬での栽培なんて夢の夢なのだろうと思う。そこで、遺伝子組み換えによる害虫耐性の高い種を作るメーカーが出たりもする。

一方、無農薬や低農薬農法を用いた結果、病害虫防除が不十分だと病害虫に抵抗するために植物自体が作る天然化学物質の方が、残留農薬などよりも遙かに毒性が強いという研究があるそうだ。

これは、ファイトアレキシンという抗菌性の塩基性アルカロイドのひとつで、ストレスを与えられた植物が自ら生成する殺菌剤のようなものだという。

人体にとってはアレルギーの原因となるもののひとつであり、摂取するとアレルギーを引き起こす場合があるそうだ。

写真は、カリフォルニアに自生するRedwoodの大木。酸性が強く、虫がつかないという。

これを植物の知恵と呼ぶのは少し違う気もするが、長い時間をかけて形成された進化メカニズムのひとつだと考えると、

自然界とは、かくも熾烈な生き残り作戦を展開する戦場なのだと思わせるものがある。