「おなら」は燃えるか?  - 小学生時代の実験報告 | プロムナード

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「おならが燃えるらしい」ということを聞いたのはたしか小学校3-4年生の頃だった。おならには成分としてメタンガスが含まれているから、燃える。

なるほど、それはそうだ。しかし本当にそうなんだろうか?

好奇心の塊だった小生としては、その話を聞いたとたん、「おならを燃やす」が、最優先順位のプロジェクトとなった。

当時、東京は隅田川を始め神田川もしかり、今では鯉が悠々と泳ぐそれらの川底からは、幾つものメタンの泡が浮き上がってはボコボコとはじけるといった風情で、漂う悪臭もハンパなかった。だから、メタンガスという言葉については、小生等の世代にとって、ある意味「親しみ」のある単語でもあった。

ただし、メタンガスに誤解があるといけないので、断っておくがメタンガスそのものは無臭だ。匂いは、メタンガスと共発生する硫黄系のガスである。

当時の悪臭は本当にすごいものだった。例えば秋葉原にある神田川万世橋、夏になれば秋葉原駅の構内にまで、その匂いは漂ってきた。まぁ、あの状態のままであったら、電気製品を調達する目的以外の人は誰も来なかったことだろう。小生の場合は、電子部品調達のためにガキの頃からよく通ってはいたが。

すくなくともAKB48のシアターが出来るなんてことは全くありえなかったと思う。

匂いという意味では、隅田川など、まさにその最右翼。そもそも墨田川に横たわる幾つかの鉄橋などは、四六時中、雑多なガスに晒されていたからボロボロに錆びていたし、川底からはボコボコと不気味に泡が沸き立っていたから、その様相はまさに地獄の様。しかし、それがアタリマエだった。。

その後、自治体や民間の手で浚渫や下水道の整備等々、抜本的な対策が講じられ、今日では先に述べたように鯉が泳ぐところまで回復した。やれば出来るということか。こういうことは、誰かが一人でやるものではなく、足並みそろえて一斉に行わないと効果が出ない。その意味、プロジェクトとして旨く成し遂げた成功例だといえるだろう。

遊覧船が通る万世橋(千代田区神田、秋葉原)
その昔、ここはすさまじい汚臭の根源地だった


そう言えば、大気汚染についても当時はそこら中に林立する煙突からモクモクと煙が上がっていたものだった。時はまさしく高度成長期の時代、多少の犠牲は成長という言葉の前に「誤差の範囲」として無視されていたのだ。恐ろしい時代だったと思う。尤も、近隣諸国では、現在、同様の過程にあるようだが。。。

但し、メタンの冤罪を晴らすべく言っておくけど、あの悪臭はメタンと同時に発生する硫化水素などによるものだからメタンの匂いではない。しかし、どうもメタンガスというと「臭い」というイメージを抱くのは、老若男女、今も昔も変わらない気はするが。

さて、話を戻し、おならの話。

そうです、ホントに燃えるかどうか試したかった。しかし、放屁直後、空中で火を着けるという勇気はなかった。というか、屁をこく前に火傷しそうだし、なんといっても実験姿がアクロバチック過ぎて想像し難い。。

次の方法として考えたのは、屁泡(こんな単語あったっけ?)を風呂で打ち上げた後にプラスチックなどの容器で収容しておき、体から十分離れた場所で容器を裏返し、再浮上したガスをマッチで点火するという方法。これであれば、火傷のリスクは相当に軽減されるはずだ。と言うことで、この方法の安全性について検討し、実験に臨んだ。

実験器具と手筈を整え、裸になって風呂に入る。ロケット打ち上げの瞬間の様なワクワク感がある。

屁泡の収容容器としては、打ち上げた直後に容器中に十分捕獲できているかどうかを目視で確認できる様、スーパーなどで食材を包むプラスチックの透明容器を用いた。

水面ギリギリでマッチを点灯し、マッチをつまむ指先を体から十分離したところで僅かだけ指を水面上に出しておき、脚で抑えてあったくだんの容器をひっくり返し、勢いよく上がってくる屁泡に点火すると言う手順を再点検し、いよいよ実験開始。

放屁後、屁泡を容器で捕獲。容器を足で押さえながら、両手でマッチを擦り、水面上で待機。この火種位置に合わせて容器を転覆させ、再浮上する屁泡に着火。その間、時間にすれば数秒の勝負。

実験大成功。見事に青白い炎が上がった。

スゴイ満足感があった。10歳にも満たない子供にとっては、相当に勇気の要る実験だったと、今でも思う。

今日び、子供たちはこういった実験をしているのだろうか?

疑問に思ったり、或いは本当か、と思ったことを自分自身で実践出来る環境を、大人はそれを用意したり、指導することが出来ているのだろうか?

常に科学する心を研ぎ澄ましておけ、などとカッコイイことを言っているのではなく、とにかく自分で試してみたいという気持ちは持つようにして欲しいと思うのだ。

ところで、今でも疑問なことは、風呂で打ち上げるおならと、空中で嗅ぐおならとでは匂いに差がある気がすること。メタンガスと共に生成される、匂い成分の一つである硫化水素が水に溶けてガスとしては現われないからか?これに関する文献が見当たらないので理由はわからないが、以前から興味を持っているテーマのひとつでもある。

誰か実験してみる子供はいないかなぁ。。。