「子どもが体験するべき50の危険なこと」  -子供のデバッグはお早めに | プロムナード

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「子どもが体験するべき50の危険なこと」
Gever Tulley、Julie Spiegler 著、金井 哲夫 訳

素晴らし過ぎる、この本。


今日びの親御さんは、子供達を危険なことから回避することばかりに奔走しているから、子供達は歪んだ価値観を持つようになるし、理科離れしてしまうというもの。そんな子供達を嘆かわしく思う以前に子供達から「考えたり、実験する機会を剥奪してしまっていること」の方が問題だ。

この本には、子供達にこんなことをさせろと書いてある。

01 9ボルト電池をなめてみよう
02  あられの中で遊ぼう
03  完ぺきなでんぐり返しを決めよう
04 フランス人のようにキスであいさつしよう
05 車の窓から手を出してみよう
06 釘を打とう
07 車を運転しよう
08 やりを投げよう
09 ポリ袋爆弾を作ろう
10 電気掃除機で遊ぼう
11 石を投げよう
12 ドライアイスで遊ぼう
13 紙コップでお湯をわかそう
14 電子レンジに変なものを入れてみよう
15 走っている車から物を投げよう
16 高いところから落ちてみよう
17 虫めがねで物を燃やそう
18 ひとりで歩いて帰ろう
19 屋根の上に立とう
20 ノコギリを使おう
21 目かくしで1時間すごそう
22 鉄を曲げよう
23 ガラスビンを割ろう
24 空飛ぶマシンを作ろう
25 太陽を見よう
26 かっこいい殺陣(たて)を学ぼう
27 パチンコを作ろう
28 木登りしよう
29 パフォーマンスに挑戦しよう
30 小川をせきとめよう
31 地下にもぐろう
32 タイヤを交換しよう
33 ゴミ箱に飛び込もう
34 家電品を分解しよう
35 ゴミの埋め立て地を見に行こう
36 友だちに毒を食べさせよう
37 強風の中で手作り凧をあげよう
38 つなわたりをマスターしよう
39 食洗機で料理をしよう
40 ミツバチの巣をみつけよう
41 公共の乗り物で街を横断しよう
42 レシピ本にさからおう
43 ナイフで削ろう 
44 ロープスイングで遊ぼう
45 火遊びをしよう
46 指を瞬間接着剤でくっつけよう
47 ガラスを溶かそう
48 冷凍庫でビンを破裂させよう
49 野宿をしよう
50 なにかしよう


これ等の目的が何なのかは、本を読めば分かることだが、人間としての本能や感性を磨くこともあるし、理工学への興味や好奇心を育むこともある。どれも子供時代に体験しておくべき事柄ばかりだ。小生的には、これでも足りないと思う。やっておくべき危ないことはもっとたくさんある。

危険に対する回避能力や耐性は、子供の頃から体得させておくことが必要。子供というのは未完成品であり、市場に出す前に十分なデバッグをしておくことが必要だ。そもそもデバッグというのは、製品を市場投入する前に、システムを実際に走らせてみて不具合箇所を見つけ出し、対策を講じること。

ところが、

最近の大人たちは机上でのシミュレーションだけでデバッグした気になり、或いは最悪の場合、デバッグすら行わずに市場に出したりするから、そうして育った子供達は大人になって取り返しのつかない問題を引き起こす。


大人になって、非常識も甚だしい、或いは平気で残酷なことをしたり、猟奇的な犯罪を起こす原因の一つは、頭の中の回路が十分にデバッグされないまま市場に出てしまったからに他ならない。

品質検査は、高温や高湿、熱衝撃、振動、落下等々、様々な環境条件で行う。つまり、製品として出荷する前に、わざと「危険」な状態に晒して耐性を見極め、問題があれば改善を行って完成品とする。今の子供達は、危険だからということでこれらの試験を行わないまま、大人になっていることが多いのではないだろうか。

一方、子供達の理科離れの原因も、こうした危険からの「理不尽な」事前回避が災いしていると思う。自然との付き合い方など、実体験しなくて、なぜ習得できるというのか。決して、子供達の不思議や好奇心の芽は摘み取ってはいけない。

小学生~中学生のお子さんのいる皆さん、少なくとも「ここに書かれている程度」のことは、四の五の言わず是非やらせてあげてください。

親の目が届くうちに、危ないことはやらせておくべきです。そこで経験すれば体で覚えます。大人になって経験する方が余計危ない。

ただし、実は、アブナイことって、親とか保護者がいないところでやるから楽しい、ということもあるんですけどね