モンシロチョウ - 人類の救世主となるかも | プロムナード

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日本人だったら、殆どの人が知っているモンシロチョウだが、将来、人類はこの子達に救われるかもしれない。


モンシロチョウは英語でいうとcabbage whiteといい、「キャベツ畑の白い子ちゃん」、まあ英語圏でも日本でも同じ様なところに棲息していることがわかる。

それはともかく、昆虫の変態(ヘンタイではありません)は、本当に驚きの変身だ。芋虫から蛹への変身はわからないでもないが、蛹から成虫への変身は全く想像を絶するものがある。予備知識が無ければ、蛹を見て成虫を想像することは不可能に近い。それだけ両者の間には隔たりがあるということだ。だが、確実に、蛹から生まれ変わった成虫は別物になっている。不思議すぎる。いったい蛹の中で何が起きているのだろう。

そこで、科学者は蛹を徹底的に調べた。その結果、驚くべきことを突き止めたのだ。

蛹から成虫に変わる時、蝶の体内では新しい体を作るための一部細胞の死滅がおきていた。この細胞を死滅させる成分を分離させることに成功したのだ。この成分をピエリシンと名づけたが、ちなみにモンシロチョウの学名はPierisというから、それから命名されたようだ。

このピエリシンは通常の細胞には反応せず、がん細胞に特異的に結びつきやすい特性を持っており、がん細胞の核に入り込んで遺伝子のグアニン配列を破壊するという。つまり、このピエリシンによって、遺伝子の配列が変化してしまった癌細胞は、その後増殖することが出来ず、死滅するのだそうだ。

その後も研究は進んでいるとのことだが、ピエリシンそのものは極めて毒性が強く、ピエリシンの副作用はまだ解明されていないため、まだ癌の特効薬とはなっていない。しかし、更に研究が進めば副作用を抑えて癌細胞を死滅させるのみという薬が開発されるだろう。
そのうちモンシロチョウ工場が建設され、人類は癌の恐怖から逃れることが可能となるかもしれない。モンシロチョウにとっては受難の時代となってしまうかもしれないが、共存することは可能だ。キャベツ畑を荒らす害虫と云うレッテルが人類の救世主へと大変身するだろう。

自然とは、かくも不思議なものだ。たとえ破滅へと流れていっても、逆に安定を求めて破滅を防ぐ力が必ず存在する。害虫といわれ、忌み嫌われたこの子達が今度は神としてあがめられる。人間も身勝手といえば身勝手だが、まあそんなもんだろう。

人生も良いこともあれば、悪いこともある。それが、自然なのだろう。春になってモンシロチョウを見るたびに、そんなことを考えている。