こんにちは!
パーソナルスタイリスト 山下美季です。
今回もスタイリング作品のご紹介。
そして、今回は
「ちょっとニガテな色・デザインの使い方」について書いていきます。
今回は細かなテクニックについて写真を使いながらお伝えしていきます。
少し長めで、細かい話を書いていきますが、
有料レベルの情報かな…と思うところまで書いております。
最近はネットや雑誌の「多くの人に向けたパーソナルスタイリング情報(パーソナルカラー・骨格診断)」を基に、自己診断・自己解釈で ご自身の方向性を狭めてしまっていたり、そもそも間違えてしまっていたり・・・
ということも少なくないようでちょっと勿体無いな…と思うことも多いので、
「パーソナルカラー・骨格タイプを使ったパーソナルスタイリング」の本質的なところも書いてみました。
本気で「効率よく、映えるお洋服選びをしたい」と思われる方は少し長いですがぜひ最後まで読んで頂けたらと思います。
今回のスタイリングはコチラ。
今回は、色もデザインも「自分にとってちょっと苦手」とされるものを敢えて使ってみました。
「自分のベストの見せ方ではないけれど、そんなに悪くない」というところを目指したスタイリングですが、いかがでしょうか?
まず、色について。
ショート丈のパーカー 私が作ったものになりますが、ちょっと変わった色です。
皆様は何色だと感じるでしょうか?
グレー?紫?茶色?
実はこの色、赤紫・紫に濃いめの灰色が混ざった色になります。
今回のモデルさんのパーソナルカラーはオータム。
グレーは顔の血色が落ち疲れたようなくすみが出てしまうので、ちょっと苦手な色になります。
ですが、たまにはオータムカラーが似合う人だってグレーっぽい色も着たい!
ということで、今回はこの色を使います。
グレーが苦手なオータムの人がグレーを使う場合、
グレーに オータムの人が似合う橙・黄色・黄緑に混ぜた色がもちろん似合うのですが、
上の写真の色見本の左側3色のように
こうした色は結局ブラウン〜カーキっぽい いわゆるオータムカラーになってしまい、
一般的なグレーっぽさを感じません
また、上の写真の右下に写っている色見本のうち右2色は純粋なグレー(白と黒だけが混ざったグレー)で赤や黄色などの色みが入っていないグレーとなり、こちらは赤みが含まれていないので茶色っぽさを全く感じないと思います。
ということで、いつものオータムカラーっぽくなく、かつ 得意な茶色っぽさも少し感じる赤紫・紫+黒っぽいグレーを選びました。
とは言え、やはりイエローベースの色を顔周りに使う時よりも少し青ざめたようなくすんだ顔色にはなってしまいます。
パーカーの中に着るインナーの色を黄色やオレンジにするとお顔の血色の悪さをカバーできるのですが、
パーカーの色に黄みがほぼないので、
黄みの強いオレンジや黄色とはちょっと相性が良くないのです。
そこで、紫に近い青を使います。オータムの人が似合うブルー(少し緑がかった青)で、
更に色みのしっかりしたものをインナーとして着用しました。
イエローベースとは言え「青」なので
血色の悪さは黄色やオレンジを使う程カバーできないのですが、
今回のスタイリングの場合は「顔色の悪さ」は まぁ仕方ない
「グレーが着たいんだもん!」
を優先させたのですから。
ここで大事になってくるのが、
インナーとして着用した「ブルーの鮮やかさ」です。
「このモデルさんの場合は」ですが、
ブルーが鮮やかであることによって目力が上がり、お顔立ちがくっきりと引き立ってきます。
このため、多少血色が悪くてもお顔立ちの印象の方が強く表に出てくるため、顔色の悪さはそんなに気になりません。
ちなみにもしも、パーカーの前を締めて着てしまうとお顔の血色は落ち、目鼻立ちもぼんやりとしてしまい「今日疲れてるの??」といった印象になってしまいますので、
インナーの青の鮮やかさがこのコーデの大きなポイントになっています。
他にもポイントはいくつかあるのですが、
今回、顔周りで使った色はモデルさんにとって似合う色の要素である4項目のうち
3項目は合格点が取れるようにしています。
こうすることで、
温かみ・ナチュラルな印象多めになるオータムタイプの人が、少し苦手なグレーを使いクールでスタイリッシュな印象を作ることができます。
コンサルティング後のレポートには
こうした似合う色の要素についても記していますので、
レポートをお持ちの方は今回のブログを参考にぜひ応用していただけたらと思います。
次に、お洋服のシルエットの話。
今回のモデルさんは、
「なで肩で、ウエストのくびれ〜ヒップよりは、ヒップ〜腿にかけての丸みが目立ちやすい体型」
そのため やや下半身重心となります。
イラストを描いてみました。
今回のモデルさんはイラストの真ん中の体型に近いです。
(ちなみに、真ん中と左は同じイラストです。)
右端は骨格が少し違います。
具体的な違いは、「肩」「ウエスト〜ヒップ・腿のライン」
高さや丸みを帯びたラインの位置が変わることで、重心の位置が変わります。
右端の体型は肩の位置・ウエストのくびれの位置ともに高めなので、
上半身(肩〜ウエスト)の方に重心を感じるのに対し、
真ん中(左端も)の体型は下半身(ヒップ〜太腿)の方に重心を感じます。
ボディラインに沿わせて服を着せてみました。
(違いが分かりやすいように左端の体型は消しています)
前回のブログでも書きましたが、
同じものを着ても、骨格が異なると骨に沿ってお洋服のライン・外郭線が変わり、それに伴って受ける印象が変わります。
足元に重みのあるワイドパンツは、
重心を下に下げるため、
上のイラストの右側の上重心体型だと
上方向に上がり気味の重心を下げる効果があり、上下のバランスが取れ、スタイリッシュな印象になります。
左側の下重心の体型だと更に足元に重みが来るため、右側の体型よりもゆるやかな印象になります。
体の重心も下めなのに加えて、パンツのデザインで更に足元に重みがくるため少しズルズルと下に引きずったような印象になってしまうこともあり、やや野暮ったくなりがちになるため、少しニガテとされるアイテムではあります。
というわけで、真ん中の体型の場合
下がりがちな重心を上方向に上げられるようなスタイリングにしてあげると良いので、
今回はショート丈のトップスにし、
更になで肩のために空間ができがちな首〜肩の辺りを埋めるためにフード付きのデザインにしました。
更に袖丈も肘下くらいの長さにして、手首を出します。
こうすると肌が出ることで目線が上がります。
(下のイラストの左端)
上のイラスト、左端と真ん中は同じ体型ですが
「フード」「ショート丈ジャケット」「手首見せ」
によって重心が上がって見えるのがわかるでしょうか。
体型は変わらなくても、身につけるお洋服で見え方を変えることができます。
苦手なアイテムも「なぜ苦手なのか」がわかると、そこをうまくカバーすることで使うことができます。
「いかに錯覚を起こさせるか」
お洋服をコーディネートするときは、このことが大きなポイントです。
下のイラスト、右端の体型の方が足が長く見えるかもしれません。
でも、下のイラストご覧いただくとわかるように、股下の長さは同じです。
そもそも体型自体も目の錯覚で、足の長さが違って見えます。
時々「足が短いのがコンプレックス…」と仰る方もいらっしゃいますが、上のイラストのように「そう見えているだけ」かもしれません。
そして、それぞれの体型の強み・魅力があります。
下の写真は体型違いの2人のワイドパンツコーデです。
肩の位置や形・ウエスト〜ヒップ・腿にかけての位置やライン(外郭線)の違いで受ける印象が違います。
スタイリッシュでかっこいい印象は右側、対して左側はイイ感じに力の抜けた柔らかい印象を受けます。
前回のブログにも書きましたが、お互いにそれぞれのようには 着られません。
ですが、それぞれの良さが活きるコーディネート・着こなしがあります。
色もデザインも、
自分の持って生まれた色・骨格・質感を知ることで自分の強みを知ることができます。
苦手な色・デザインも
「どのように苦手なのか?」を知ると、
「このくらいの苦手の度合いなら使っても大丈夫」とか「マイナス部分はこうしてカバーしよう」といった判断や対策を打つことができます。
パーソナルカラー診断や骨格分析は
「似合うもの」を見つけるものですが、それだけではなく、
「自分の強み」を知ることができ、「なぜ・どのように似合わないのか」を知ることもでき、今回ご紹介したコーデのように「苦手な色・アイテムでも、そんなに悪くないよね」という印象作りをすることができます。
「似合う色・デザイン」「似合わない色・デザイン」と単純に分類し、範囲を狭めるのでは無く、
世の中に溢れるたくさんの色やデザインを如何に自分にプラスに働くように使えるか、に繋がります。
カラーも、スタイリングも、私のコンサルティングを受けて下さった方には、レポートにこの辺りを記載しております。
レポートをお持ちの方は、今回・前回のブログと併せて読んで頂くと、ご自身の方向性が更にクリアになったり、広がったりするのでは無いかなと思います
まだ、パーソナルカラー診断・骨格分析などのご経験の無い方は、「単に似合う・似合わない」だけじゃ無いんだなーと感じて頂けたらと思います
「パーソナルカラー診断」「骨格診断」「自分スタイル診断」…色々あって、この言葉だけだと「診断を受けることで得られるメリット」がイマイチ掴みづらい気がしますし、多くの人に向けたネット情報や雑誌情報は、「パーソナルスタイリング情報」とは言え、多くの人向けに発信された情報なので「比較的似合いやすい・似合いにくい」という内容に留まってしまいます。
「比較的似合いやすい」ということは「似合わない可能性もある」
「比較的似合いにくい」ということは「似合う可能性もある」
ということ。
前回・今回のブログで、「似合わない」と言われるアイテムでも着方次第で綺麗に着られる、ということを書きました。
街中で小耳に挟む会話やカラー診断にお越しくださったお客様との会話の中で「多くの人に向けたパーソナルスタイリング情報(パーソナルカラー・骨格診断)」を基に、自己診断・自己解釈で ご自身の方向性を狭めてしまっていたり、そもそも間違えてしまっていたり・・・ということも少なくないようなので、
今回のブログは少し細かく そして長文となりましたが、「パーソナル」スタイリングの本質的なところを書いてみました。
ネットやSNS・雑誌の情報を「へぇーそうなんだ」くらい軽く捉える場合は良いのですが、一生懸命ネットやSNS各種情報を調べて、それを参考に綺麗になろう!と努力なさっておられる場合は、兎にも角にも私達プロのパーソナルスタイリストのコンサルティングを受けることをお勧め致します。
ネット情報を信じるな!ということではありません。参考になる話は確かにありますし、どの人・どのサイトも「参考にして欲しい!」という気持ちを持って一生懸命発信しています。私自身もその一人です。
色々調べるなかで今、私のブログに辿り着いてくださった方もおられると思います。私は勉強し、時間をかけ、参考にしていただける情報を含めてブログを書く努力はしています。ですが、すべての人に当てはまる情報はやはり書けないのです。「今回のモデルさんの場合は」と記していますが、「貴方の場合は」という情報は、やはり個人コンサルティングでしか得られないものになります。
ある程度の「傾向」は確かにありますが、
「その人の顔・体・肌の色・性格だからこそ着られるもの」は、「傾向」と完全一致ではない、ということは押さえておいてくださいね。
セールストークっぽく聞こえるかなと思いますが、
自己流で失敗してしまうのは、本当に勿体ないので
もし、パーソナルカラーや骨格分析にご興味を持たれたのであれば、ぜひ ご自分のための正しい情報を得て頂きたいなと思っています
ーーーーー
パーソナルスタイリングスペースMilleFleurir(ミル・フルリール)
ーーーーー