おこしやす祇園おことうさん[12月31日]

花見小路にて


暮もおしせまった1230日は舞妓さんの仕事おさめです。
翌大晦日の31日は、お世話になっているお茶屋さんを廻って「おことうさんどす(お事多うさんです)」と挨拶します。
ご褒美にいただく餅皮でできた紅白の福玉は、元旦のお雑煮をいただく前に割るもので、中には七福神などの縁起物や、身の回りの小物が入っています。


真如堂に映画記念碑  劇映画発祥から100年を記念

写真京都映画100年を記念して建立された碑を除幕する中島監督ら(京都市左京区・真如堂)

 京都で劇映画が生まれて今年で100年を迎えることを記念し、地元の映画関係者らが、初めて撮影が行われた京都市左京区の真如堂境内に「京都・映画誕生の碑」を建立した。1日に除幕式があり、新たな100年に向けて決意を新たにした。

 「日本映画の父」と呼ばれる故牧野省三氏が1908年に京都初の劇映画「本能寺合戦」を撮影したことにちなみ、映画監督の中島貞夫さんらが建立を呼び掛けた。

 完成した石碑は、最初の撮影に使われた「シネマトグラフ」をかたどった。右面に碑の説明、左面に建立に賛同した俳優や京都ゆかりの著名人ら約80の名前を入れている。

 除幕式には、牧野氏の孫にあたる俳優の長門裕之さんのほか、行政関係者ら約100人が出席した。中島さんは「100年の伝統を受け継ぎながら、次なる時代の映像文化創造にまい進する」とする「京都・映画100年宣言」を読み上げた。

 

いにしえのお香を再現-京都・天台宗青蓮院門跡で鑑賞会


 

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いにしえのお香を再現-京都・天台宗青蓮院門跡で鑑賞会 写真を拡大

「源氏の香り 薫物の世界」で源氏物語の香りが蘇る?

 香老舗松栄堂(京都市中京区烏丸通二条上ル)は1025日~28日、源氏物語の記録から一千年を迎えるにあたり、お香の鑑賞会を天台宗青蓮院門跡(東山区粟田口三条坊町)で開催する。

 お香が日本の歴史に登場した飛鳥時代から、源氏物語に描かれるころまでの香りの歴史を紹介するほか、古文書を参考にして現代に甦らせた「薫物(たきもの)」を感じてもらう。薫物とは、源氏物語の中で登場する丸薬状のお香のこと。

 同社企画広報部の波多野さんは「(今回蘇らせるにあたり)これまでの研究に加えさらに数カ月間試作を繰り返しているが、当時の香りがどのようなものであったかは誰にも分からないことなので、最終的には調合責任者の感性になる」と話す。

 開催時間は9時~17時。同イベントは無料だが、入山料は別途必要。関連イベントとして同社ウェブサイトから申込をすると抽選で2040人を、期間中の二夜のみ行われる「夜の特別鑑賞会」に招待する。


京都文化博物館で「源氏香の世界」展-松栄堂松寿文庫所蔵品を展示(烏丸経済新聞)

山口・和菓子店の日本庭園でキャンドルナイト-灯りとお香で演出(山口経済新聞)

京町家で楽しむ「源氏物語」の香り-香老舗 松栄堂が展覧会(烏丸経済新聞)

香老舗 松栄堂

源氏の香り 薫物の世界

催しグルメ・お出かけ

        おこしやす祇園 秋

舞妓の四季 「秋」の行事 温習会  

祇園をどり かにかく祭 時代祭

温習会[10月1日~6日]

祇園甲部歌舞練場

日ごろ京舞井上流の研鑽に励んでいる祇園甲部の芸妓・舞妓さんたちが、技芸を披露する行事が温習会です。
春の華やかな「都をどり」と違って、温習会は舞に目のこえた通の人が多く集まりますので、しっとりとした京舞の芸を発表するのと同時に競う場となります。

お問い合せ 祇園甲部歌舞練場
TEL 075-561-1115

祇園をどり[11月1日~10日]祇園会館


祇園東では111日から10日まで「祇園をどり」を開催します。
平常は映画館として使用されていますが、前身は祇園東の歌舞練場だった祇園会館で、華やかに繰り広げられます。
藤間流の紋寿郎師が振付・演出をし、第一景から第七景までは、京都の名所を巡る華やかな舞台となり、最後の第八景は祇園東小唄で盛り上がります。

お問い合せ 祇園東歌舞会
TEL 075-561-2224
0898 FAX 075-561-0225
605-0073 京都市東山区祇園町北側319

かにかくに祭[11月8日]吉井勇碑の前にて


祇園を愛し、たくさんの作品を残した劇作家であり明星派の歌人であった、吉井勇(18861960年)を偲ぶ行事で、祇園白川畔の歌碑に芸妓・舞妓さんが菊の花を献花します。
かにかくに祭とは、吉井勇が詠んだ「かにかくに 祇園は恋し 寝る時も 枕の下を 水の流るる」という歌にちなんで名付けられました。
歌碑が建立された118日を記念して毎年行われ、当日は歌碑の前にお茶やお蕎麦の席が設けられ、芸妓・舞妓さんが接待します。

時代祭[10月22日]御所にて


時代祭は、明治28年に平安遷都千百年記念事業で、平安神宮が創建されて以来行われている、京都三大祭りのうちの一つです。
京都御所を出発して平安神宮まで、明治から平安時代にいたるまでの時代の衣装を着て、歴史上の人物に扮した行列が続きます。
芸妓・舞妓さんも紫式部、清少納言、小野小町、静御前、巴御前などに扮装して参加します。    


      舞妓の四季    冬

       「冬」の行事 顔見世総見  
         事始め  おことうさん            
       

 顔見世総見[12月初旬]            南座の桟敷席
京の師走の風物詩「顔見世興行」は、出雲の阿国が始めた歌舞伎の発祥地であった南座で、東西の人気役者を集めて行われます。
この歌舞伎興行の間、各花街の芸妓・舞妓さんが揃って観劇することを「顔見世総見」といいます。
南座の桟敷席は華やかに装った芸妓・舞妓さん達が陣取り、花が咲いたようで、それを目当てに来るお客さんも多いようです。
この日の舞妓さんの花かんざしには小さなまねきがついていて、そこに好きな役者にサインをしてもらう習わしがあります。

事始め[12月13日]
井上八千代師宅にて
事始めは江戸時代から京に伝わる古いならわしで、煤払いをして正月の支度を始めることから、正月起こしともいったようです。
祇園甲部では芸妓・舞妓さんが一重ねの鏡餅を持ち、京舞の井上八千代師匠のもとへ、一年のしめくくりと新年にむけての挨拶にいきます。
八千代師は「おきばりやっしゃ」という言葉とともに一人ひとりに舞扇を手渡します。





                  


       

  

舞妓の四季 夏

「夏」の行事 都の賑わい  みやび会 

花笠巡行  花笠巡行奉納舞
祇園祭宵宮神賑奉納  八朔

始業式[1月7日]京都会館


五花街の合同伝統芸能特別公演で、平成6年から毎年行われていて、各花街の芸舞妓が一同に揃い、それぞれ趣向を凝らした演目で芸を披露します。
各花街から4人ずつ、総勢20人の舞妓さんと地方さん8人による豪華な舞台になり、フィナーレは「舞妓の賑わい」で、五花街の舞妓さんが勢揃いします。
更に、この3日間は夕方6時から8時迄京都市内の老舗料亭5店を会場とし、花街事にお座敷を持ち、芸妓・舞妓さんの舞と歓談が楽しめる「五花街の夕べ」が開催されます。
京都市観光協会に申し込めば、満席でない限り誰でも参加できます。

お問い合せ 京都市観光協会
TEL 075-752-0225

みやび会[7月初旬] 八坂神社


祇園祭が始まった頃、祇園甲部では毎年新調する揃いの浴衣を着た芸妓・舞妓さんが、師匠の井上八千代師とともに八坂神社にお詣りし、芸の上達や健康を祈願する会です。
浴衣姿で日傘をさして詣でる姿は、夏らしい爽やかな風景です。 

花笠巡行[7月24日]祇園甲部の山車




花笠巡行は祇園祭の後祭として724日に催され、山鉾の古い形態を再現するために始められました。
祇園囃子の曳山や傘鉾などの総勢千人の行列が、八坂神社の石段下~四条河原町~御池通~寺町通~四条通~八坂神社へと、京の街を練り歩きます。
各花街の芸妓・舞妓さんも、踊り衣裳に身を包み、山車に乗って華やかに行列に参加します。

花笠巡行奉納舞[7月24日]

宮川町の奉納舞

京の街を練り歩き、八坂神社へと帰ってきた芸妓・舞妓さんたちは、その後八坂神社の舞殿で、「花笠巡行奉納舞」を舞います。
祇園甲部は、編笠をかぶって民話「舌切り雀」を題材にした「すずめ踊り」を、また宮川町では「コンチキ音頭」、祇園東では「小町踊り」を奉納、舞殿の周りは多くの人で賑わいます。年によって担当の花街が変わります。

祇園祭宵宮神賑奉納[7月16日]おこしやす祇園

祇園商店街

祇園祭の宵山(参道では宵宮と呼びます)の716日、祇園商店街が主催するの祇園祭宵宮神賑奉納が行われます。夕方6時頃、歩行者天国になる四条通切り通し西の仮設舞台で、太鼓や鷺踊りなどさまざまな芸能奉納が行われます。
7時頃になると、花見小路東の仮設舞台で芸妓・舞妓さんが華やかに京舞を舞います。
その他に祇園祭音頭、大石囃子、祇園獅子舞が次々に登場し、祇園太鼓が最後を締めくくるまで舞台は大いに盛り上がります。

八朔[8月1日] 祇園新橋にて


朔日というのは1日のことで、八朔は81日のことをいいます。
もともとこの八朔は「たのむ」とか、「たのみ節」などといい、頼む人、お世話になった人へお礼をする日のことをいいます。
芸妓・舞妓さんたちが絽の黒紋付きという正装で、師匠宅やお茶屋などへ挨拶回りをします。


四季のおばんざい

 京の家庭の味といえば、おばんざい。旬の野菜のうまみを淡い味付けと思いやりの心で包む食文化は、町家の台所で育まれ、受け継がれてきました。京野菜と調理法を紹介する連載「四季のおばんざい」は、読売新聞京都版で掲載されました(19995月~20007月)。当時、取材に協力していただいた「現代の名工」の料理人・丸田明彦さんは、「後世に残る料理を作りたい」が口癖でしたが、その後、体調を崩して店を閉じ、他界されました。おばんざいに込めた丸田さんのメッセージを皆さんに伝えたくて、連載記事をここに再掲載しました。

(1)じゅんさい  "幻"生で食してこそ

(2)八幡ごぼう 豊かな地"一級品"生む
(3)賀茂なす  深い紫 とろける味
(4)万願寺とうがらし 広がる柔らかな甘味
(5)ハモと梅 夏実感 絶妙の"塩梅"
(6)桂うり 夏の味、歯切れシャキッ
(7)鹿ヶ谷かぼちゃ ひょうたん形に滋味
(8)若みず菜 薄緑 歯ごたえ身上
(9)小芋 名月のころ味も増し
(10)すぐき菜 葉に張りみずみずしく
(11)百合根 ほくほく甘さふんわり
(12)小かぶら 逸品の漬物、滑らか
(13)えびいも ち密さ"秘伝"の栽培
(14)くわい "苦み"繊細な味わい
(15)京にんじん 深い紅、ほのかな甘み
(16)九条ねぎ 底冷えで増すうまみ
(17)聖護院かぶら 際立つ"純白"
(18)京ぜり 香り優しく春の味
(19)菜の花 春演出、軟らかな歯触り
(20)京うど 軽い歯ごたえ、大人の味
(21)京たけのこ 初夏の香り、歯ざわり
(22)もぎなす 小ぶり愛らし夏の味
(23)時無だいこん シャッキリ夏の食感
(24)山科なす 緑雨の候、紫色輝く
(25)鷹ヶ峰とうがらし 甘みと香り
(26)紫ずきん 陽光浴び豊かな甘み
丸田明彦さんありし日の丸田明彦さん=1998年12月

丸田明彦さん まるた・あきひこ

福岡県出身。難病の筋委縮性側索硬化症(ALS)と闘いながら、京料理の新作や弟子の指導に力を注ぎ、「炎の料理人」と呼ばれた。1995年、「現代の名工」に選ばれた。著書に「日本料理 デザート曼荼羅」。2005年2月、呼吸不全で死去。66歳。