珠洲から輪島。現状報告。 | 瀬戸口正樹の唄うたいの歌

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□■北海道の唄うたい「瀬戸口正樹」■□による、音楽と日常を綴るブログ。

現地報告②
【苦しい写真なのでご注意ください】
 
撮るのも苦しく、アップすることも考えましたが
場所特定されて批判されても良いので
むしろ特定して支援して欲しく投稿します。
ニュースだけでは伝わらない見聞きした事象も
見た皆さんが何か考えるきっかけになって欲しいので
書きます。
 
僕自身、何を伝えれば良いか
ごく一部しか見れてないですし
わからないことだらけですが
長文乱文ですがここに残します。
 
6/19に飯田高校(珠洲市街近く)の近くの写真は前回にて。
そこで歌い終え、外海の方の珠洲市大谷地区に歌いに行きました。
ここは、数週間孤立して救助も来なく
自分たちで近所の救助などし、しばらく陸の孤島が続きました。
道が開通してから、現在も水道が家まで通っていなく
震災初期のような状態が続いています。
ごく最近、公費解体が始まったばかりです。
 
道中悲惨な状況で、段差を埋めただけの補修で
距離より相当時間がかかりました。
 




地区唯一のスーパーが潰れたので現在も
ここでは物が買えない状態。
支援物資だよりや遠くまで買い物に行く(行ける人は)状態。
学校が避難所で今も数十人が避難していて
在宅避難も多く、歌の会場で
「元気だったかい?水曜日はここにおいで!人に会えるし物資ももらえるし…」
などの話も聞こえました。
在宅避難は今も孤立しやすい現状なのだ。
 
一般社団法人ピースボート災害支援センター
(あのピースボートが作った災害支援の法人)
が支援物資を週一回配る場所で歌わせてもらいました。
この日はキッチンカーカフェが来てて
ピザが来たりいろんなのが来てそれを楽しみにしています。
聞くと、市に届いた物資も市も手が足りなく
民間に配布を頼む状況もあるようです。
 
物資を送ってもリアルタイムにその場所で必要なものが
そこに届かない。
把握をして分けるなどの手が足りない
などの現状がある。
宅急便は復旧しているが団体に送るのも
調整が必要で簡単ではないようだ。
物資が滞っていることもある。
誤解なく伝えたいが
「正直現場の負担になっている」という声も聞こえた。
 
救いだったのは、聴きに来てくれて話す人たちは
楽しみにしていて明るく話してくれた。
「歌が大好きだから」「みんなに会えるから」
の声も聞いたし、「また来てもらって今度は酒を飲もう」
とも言ってくれた。
 
「避難所でも最近やっと若い奴らも酒を飲める空気になってきた」と言っていた。
「いやぁ、楽しかったよ!また来てね」と笑顔になってくれたのは嬉しい。
人との交流や娯楽・気晴らし明るい話題や希望が必要だと感じた。
 















途中道路は通れる状態なのに怖い場所はたくさんあった。
「今地震きたらアウトだな」とも何度も思った。
 
次の輪島に行くのは本来は近いのだが海岸線の道路が寸断のためかなりの迂回が必要だった。
輪島の街は想像より悲惨だった。
中心街にニュースで見たビルが倒れているのがそのままで
何も進んでないのがわかる。
有名な朝市のあたりは火事で焼けて
何から手をつけて良いかわからない感じ。
焼け残ったぬいぐるみが、ものすごく悲しい。









 
朝市を復興しようにも
地権者が2次避難していなかったり、商売を辞めたり
歳のせいで諦めたり
先導者がいなかったり
町内会・商店街などが機能していなかったり
問題が多すぎて、先の話ができない状況だと思う。
本人たちも「5年や10年じゃ・・・」
「その頃俺たちは何もできないかもしれない」
とも聞こえた。
 
人手が足りないのは事実。
役場にも他の地方から支援職員が来てくれたりもしているが
長くいるわけではないだろうし
「その人たちがいなくなったことを考えると怖い」
「行政としても何からやっていいかわからない」
「何もないこの街に、子どもたちに居れというのもかわいそうだ」
「治安も悪くなっていくだろうし」
とも言っていた。
 
一番苦しかったのは
「ここにいる人たちは、みんな大なり小なり鬱だよ。病院に行かない程度かもしれないけど、みんな」
あと、「それぞれに大変だけど、俺は命と家があるからいいけど
もっと大変な人がいるから、辛いと言いにくい」
 
そんなことまで、考えなきゃいけないんだな。
 
でも、そう話した人が
「少しでもいいからこういうライブをやってくれたり
人が集まっていいんだと思わせくれたり
歌ったり、そういうことができたらほんとに嬉しい!
今回来てくれて本当にありがとう」
と言ってくれた。
 
問題は山積みだ。
正直、現地を見て悲しみから、怒り、憤り、悔しさ、諦め
へと頭は移ろうがいろんな感情がありすぎて
何を言いたいのかわからない。
 
でも、一つわかることは
僕にできることは「唄うこと」だけなんだ。
 
だから、みんなができることを考えて欲しい。
できるアイデアがあっても1人ではできない
ましてや一言でここには書けない。
 
これからも話題にしていくし、想いのある人は
直接、聞かせてほしい。
1人でなくみんなならできることもある。
 
ライブ前なのでこれで辞めておくが
帰って落ち着いたら総括したいと思う。
 
歌っていて、話していて泣きそうになった。
必ず言ったのは
「僕がここで歌えるのは、全国の人が応援してくれたから来れた。
私に何ができるんだろう。
と言ってくれています。
日本はまだまだ捨てたもんじゃない。
全国の人は能登半島のことを思っていますよ。忘れないでください」
 
聞いてくれた人は感じてくれた人も多いし
間違いなく喜んでくれた人が多い。
静かに聞いてくれていた高校生の親から
連絡が来て「最高やった!めちゃくちゃ良かった。感動した!」
「友達もめちゃ良かったって言っていた」と教えてくれました。
 
歌に、僕にできることはあるし
みんなにもできることはあると思う。
 
読んでくれてありがとうございます。
乱文だけど、今の僕の言葉です。