確かさっいき歩いてきた所に、気になる建物があったはず。
おしゃれなレンガ造りのお店を見つけて入っていくと・・・・・・
「うわぁ!」
そこは、レザー製品のお店だった。
かっこいいブレスレットやストラップがずらりと並んでいる。
お願いすれば、製品に名前も入れてくれるらしい。
(どうしようかなぁ。何かいい物あるかなぁ・・・・・・)
そう思いながら店内を見ていると
「あっ!」
思わず声を上げてしまった。
視線の先には・・・・・・・
革のブックカバーとしおりがある。
もちろんこれにも、名前を入れることができる。
「ステキ・・・・・・」
黒、茶色、ベージュ、緑、赤・・・・・・。
私をケーづに並んでいる製品に見とれていた。
(ジヒョク君は、読書が趣味だったよね?うん、これをプレゼントにしよう!)
私もこの機会に本を読めばいいんだ。お薦めの本をこれを本をジヒョク君に聞いて、ジヒョク君が読んだ本は私も読んで・・・・・・。
(何か、そういうのっていいな・・・・・・)
想像するとわくわくしてくる。
ジヒョク君は黒。
私は赤。
色を決めて、店員さんを呼んだ。
「じゃあ、ここに入れる名前を書いて下さい」
「はい」
『JiHyuk』と『麗』
私は2人の名前を申込用紙に書き込んだ。
「完成まで1時間ほどかかります」
「わかりました」
「ではお会計ですが、先によろしいですか?」
「はい・・・・・・・ああっ!」
よく考えてみたら、バッグはジヒョク君が持ってくれている。
(しまった!カバンはジヒョク君に預けたままで・・・・・ど、どうしよう・・・・・・私、何やってるんだろう)
全く、自分が恥ずかしくなってくる。
「あの・・・・すみません。お財布、友達に預けたままでした・・・・・。後でまた来ます」
がっくりとうなだれていると
「確かに持って来て下さるなら、品物ができた時でもかまいませんよ」
店員の女性はにっこりと笑った。
そして小声になり
「麗さんですよね?」
と、他の人には聞こえないよう、小声で囁いた。
「え?あ、そう、ですが・・・・・・」
私はびっくりしてしまった。
デビューしたとはいえ駆け出しだし、外で声を掛けられる等めったにない。
「やっぱり!あの飲料水のCMを見て以来、麗さんのファンなんです!」
「ありがとうございます・・・・・・!」
「これからも頑張って下さいね。応援してます」
「ありがとうございます。それではまた、後程来ます!」
私はペこっと頭を下げてお店を出た。
「ふぅ、恥ずかしかった・・・・・。さて、ジヒョク君、そろそろ終わったかなぁ」
店を出て元の場所に戻ろうとしたけれど・・・・・・
「あれ?」
通って来た道が通れなくなっている。
もうすぐ夜のパレードが始まるらしくて、あちこちにロープが張られて横断できなくなっていた。
おまけに、人、人、人・・・・・・。
身動きが取れない。
(どうしよう。あっち側に渡るにはぐるっと回らなきゃ)
「すいませーん」
私は人ごみをかきわけながら歩き始めた。
でもとにかく人が多くて、動けない。
(そうだ!ジヒョク君に連絡しておかなきゃ・・・・・って、携帯持ってないんだった!!)
携帯もお財布も、バッグの中。
ジヒョク君が持ってる・・・・・・。
(私ってバカだな。何でバッグも持たずに動いちゃったんだろう。ジヒョク君、どうしてるかな・・・・・・・)
気ばかりが焦るうちにパレードが始まった。
クリスマスイブなので、盛大なパレードだ。
ラッパを鳴らした楽団とバトンを持った女の子達が通り過ぎていく。
次に巨大なツリー。
雪だるま達。
そして、サンタクロースの格好をしたキャラクター達・・・・・・。
(うわあ、ステキ。でも・・・・・・ジヒョク君と見たかったな・・・・・・ジヒョク君は、今頃どこでこのパレードを見てるの・・・・?無断でいなくなった私に怒ってるのかな・・・・?)
元の場所に戻るにはぐるりと回らないといけない。
でも、思ったように歩けない。
それからぐるぐる迷って、とにかく元の場所に戻ったけど・・・・・
ジヒョク君の姿はない。
(ど、どうしよう・・・・・・)
私はふらふらと、お弁当を食べたベンチに腰を下ろした。
もう、自分が情けなくて泣きそうだ。
(せっかくジヒョク君が誘ってくれたのに、私、迷惑ばかりかけちゃってる・・・・・)
「ごめんね、ごめんね、ジヒョク君・・・・・・」
周りはパレードで盛り上がってるけど、私は泣き出したい気分だった。
数時間前にはジヒョク君が作ったお弁当を食べて、嬉し泣きしそうになったベンチで、今度は情けなくて、寂しくて、泣きそうになってる。
(もう二度と会えなかったら、どうしよう・・・・・・)
そんな事まで考え始めたその時―
「麗ちゃーん!」
辺りの喧騒にまぎれて、ジヒョク君の声が聞こえてきた・・・・・ような気がする。
私はハッと顔を上げた。
「・・・・・ちゃーん、麗ちゃーん!」
ジヒョク君が、全速力でこちらに向かって走ってくる。
「ジ、ジヒョク君・・・・・・!!」
ジヒョク君は、かなり真剣な顔で近づいてくる。
(・・・・・怒って、るよね?)
ジヒョク君が私の前で足を止め、じっと私の顔を見つめた。
「あの、ジヒョク君、私・・・・・・・・きゃっ!」
ジヒョク君が、私を抱きしめてた。
「よかったーーーー!!」
「え・・・・・・?」
「もう会えないかと思っちゃったよー」
「す、すみません・・・・あ、あの私、1人で買い物に行っちゃって。そうしたらパレードが始まって、戻ってこれなくなって・・・・・」
「ううん、俺のほうこそ、麗ちゃんを1人にしてごめんね。麗ちゃんのカバンを俺が持ってることを忘れてて・・・・・」
「そんな事ないです!私が動かないで待ってればよかったんです・・・・・」
私はジヒョク君の胸の中、ホッと息をついた。
(良かった・・・・・・会えて・・・・・・)
「ジヒョク君、会えてよかったわね!」
突然、女の人の声がして、私は慌てて顔を上げた。
「はい!やっと会えました。ありがとうございます」
「えっ?ありがとうございますって・・・・・・?」
「麗ちゃんがいなくなって、焦って探してたら一緒に探してくれたんだよー」
「ええっ!す、すみません・・・・・・!!」
目の前には、さっきの親子連れがいて。、ジヒョク君と私を見てニコニコしている。
「ジヒョク君、あなたがいないって真っ青になってたからこっちも放っておけばくてねぇ」
「ジヒョク君は、ついお世話しちゃいたくなる所が、可愛いんだよね。私、おういう所、すごく好きだなぁ」
私達を見ながら2人がおかしそうに笑う。
「ホントにありがとうございました。あなた達の事、絶対忘れません!」
ジヒョク君は2人と握手をし、ハグをした。
「北海道から出てきた甲斐があったわ。ジヒョク君と会えて、人探しのお手伝いもできて」
「ホントホント。いつまでも幸せでいて下さいね。それじゃあねー!」
「またコンサート行くわー」
「はい、ステージから見つけたらウィンクしますからねー」
2人は手を振って、歩いて行く。
私はその後ろ姿をぽかーんとしながら見送っていた。
「ジヒョク君・・・・・大丈夫ですか・・・・・・?」
「うん。あの人達、とってもいい人だったよ!日本のお母さんって呼んで、なんて言ってたよー」
ジヒョク君はニコニコしている。
「たまたまいい人だったからよかったけど・・・・・そうじゃない人だっているんですよ?」
「俺の事好きになってくれるのはいい人ばっかりなんだー」
「それはそうかもしれないですけど・・・・・・」
「うん、わかってる。今度からは気をつけるよ。確かに、今は色々な事に慎重にならないとね」
「はい。でもあの人達、ホントいい人でしたね。さすがジヒョク君は人を見る目があります!」
「だから、麗ちゃんがいいと思ったんじゃん!」
「えっ?」
ジヒョク君の言葉に心臓が大きな音を立てて鳴り響く。
不安になったり泣いたりもしたけど、結局はときめきでドキドキしっぱなしだ。
「とにかく会えてよかったよー。もうどこにも行っちゃイヤだからね!」
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《ごめんなさい》選択時
「迷惑かけて、本当にごめんなさい・・・・・」
「あ、ごめんなさいは言っちゃダメなんだよー。また罰ゲームしちゃうから!」
「会えなかっただけで、十分罰ゲームでした・・・・・」
ジヒョク君の言葉に思わずうつむいてしまう。
するとジヒョク君が、慌てたように私の手を取った。
「そうだよね、ごめんごめん!あ、そうだ!あのね」
ジヒョク君は私の手を引っ張って近くのお店に行く。
そこは、きらきらした別世界。
ガラス小物のお店だ。
「このお店ステキでしょ?ワイングラスに名前入れてくれるんだって。だから、ペアで作ろうよ」
「ジヒョク君・・・・・」
「麗ちゃんを探し回ってる間にこのお店見つけてチェックしておいたんだ」
ジヒョク君は得意げな表情で笑った。
嬉しすぎて、胸が苦しくなる。
「あ、私も後で一緒に行って欲しい所があります」
私もプレゼントを用意していたことを思い出した。
ブックカバーを作ったお店に行かなくちゃ。
「わかった。でも絶対離れないからね!」
ジヒョク君は私の指に、しっかりと自分の指を絡める。
「それでさ」
「・・・・・はい」
「お揃いにワイングラス作ったら、今度うちで一緒に乾杯しない?」
「え・・・・・・・?」
「君の瞳に乾杯!ってね」
ジヒョク君が照れくさそうに笑った。
私はその笑顔が本当に嬉しくて、ジヒョク君の手をぎゅっと握り返した。
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《あ、でも・・・・・・》選択時
「あ、でも・・・・・ちょっとだけ、ちょっとだけ、ここで待っててください!」
「え、なになに?」
「・・・・・すぐ戻ります!!」
私はさっきのお店に走った。
今度はしっかり、バッグを手に持って。
ダッシュして、転びそうになりながら、急いで戻ってきて・・・・・・。
「はぁ、はぁ・・・・・・ジヒョク君、これ・・・・・・・」
ジヒョク君に、おずおずとプレゼントを差し出した。
「えっ、なになに?開けていい?」
ジヒョク君ががさごそと、紙包みを開ける。
「あ、ブックカバー!名前も入ってるー!これ、俺にくれるの・・・?」
「はい・・・・・今朝、お揃いの物買おうって言ってましたよね。それで・・・・・」
「最高だよ!ずっとずっと大切にする!」
「私もお揃いの買ったんです。だから今度、おもしろい本、教えて下さいね!」
「もちろんだよ~。じゃあ、俺が読み終わった本は、全部そのまま麗ちゃんに貸すね!」
「はい、嬉しいです」
「麗ちゃんと本の話ができるなんて嬉しいな。そういう関係って本当に貴重だよね!」
「はい」
「これまでよりもずっとずっと、君と心が通じる気がする!ありがとう。麗ちゃん。」
(やっぱり、ブックカバーにしてよかった)
私は心からそう思った。
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そして――。
私達は、並んで花火を見ていた。
2人の手は、ジヒョク君のポケットの中でしっかり繋がれている。
「わぁ、きれいですね・・・・・・」
「うん、そうだね。でも・・・・・・」
ジヒョク君が、ポケットの中で私の手をぎゅっと握る。
「確かにきれいだけど、俺には麗しか目に入らないな」
ジヒョク君が私を見つめながら優しく微笑む。
(あれ、今、もしかして・・・・・呼び捨てだった?)
心臓の高鳴りが抑えられない。
ジヒョク君が、私に顔を近づける。
目の前いっぱいに、ジヒョク君の顔。
(ジヒョク君・・・・)
恥ずかしいのに、瞳をそらせなくて、私はジヒョク君の瞳をじっと見つめ返した。
「今日は楽しかったね。麗ちゃん」
吐息がかかりそうな程の距離で、ジヒョク君がフッと笑った。
「え、あ、そう、ですね・・・・・・」
(今、キス、されるかと思った・・・・・)
「あ!もうこんな時間だ」
ジヒョク君が腕時計を見ながら声を上げる。
「あ~あ、楽しい時間ってなんでこんなに早く終わっちゃうんだろう。ずっと麗ちゃんと一緒にいたいのに」
「私も、もっとずっと一緒にいたいです・・・・・・」
私は勇気を振り絞って、自分の本当の気持ちを言ってみた。
「・・・・・じゃあさ、このまま泊まってく?」
「と、泊まりですか!!??」
「うん。そうすれば、もっと一緒にいられる・・・・・・」
(と、泊まりって、えっと、それはつまり・・・・・で、でも、私達は付き合ってる訳じゃないし、部屋はもちろん別だろうし、・・・・って私、何考えてるの!!??)
「あ、でもダメかぁ。明日は俺、仕事だった」
「え、あ・・・・そうですね!」
「あー麗ちゃん、今残念って思ったでしょー?」
「そ、そんな事思ってないです!」
「うっそだー。顔真っ赤だよ?」
「も、もう!からかわないで下さい!」
恥ずかしさのあまり、ジヒョク君から思い切り顔を背ける。
「も~怒んないでよ!機嫌直してー。お詫びにお正月デート連れてくから!」
「え・・・・・・?お正月デート?」
「うん、俺、年明けは何日かオフにしてもらってるんだ。韓国は旧正月を祝うから、実家にも帰らないし。お正月は麗ちゃんもオフだったよね?」
「は、はい」
「じゃあ、またスペシャルな企画を考えておくから、楽しみにしてて!」
「ジヒョク君とまたすぐデートできるなんて・・・・夢みたいです」
涙がじわりとわいてくる。
「今日の事も夢みたいって言ってたじゃーん」
「基本的にジヒョク君と過ごせるなんて、夢みたいなんです!」
「ありがと、俺だって同じだよ!」
ジヒョク君が、私をぎゅっと抱きしめた。
ジヒョク君のぬくもりを体全体で感じる。
(私にとって、このぬくもりが、一番のクリスマスプレゼントかも・・・・・・)
私は幸せをかみ締めながら、ジヒョク君の腕の中で目を閉じた。
☆END☆
画像お借りましたw
このジヒョきれいでお気に入り♡
