はい,皆さんこんばんは。
今日は,水槽遊び歴わずか1年ちょっと(広島でメダカ15匹を17cmキューブで飼育しようとして全滅させた経験を含めるのを許されるなら3年くらいか?)のお父さんが,専門書を読むでもなく(自慢することではない。むしろ恥ずべきこと。),インターネット上の記事や動画を見てかじった水とろ過とフィルターに関する知識を整理するために書いていますので,誰も興味はないと思います。
解釈の誤りや独自理論もあるかもしれませんので,当てにならないことを最初にお断りしておきます。
1 水について
あるYouTuberさん曰く,自然界の魚には1匹当たり50mプール分の水量が確保されているということです。これが海水魚だけなのか,淡水魚だけなのか,両方含むものなのか分かりませんし,この方の言う50mプールの容積も分からんわけですが,まあとにかく1匹の魚に対して膨大な量の水が確保されているわけです。少なくとも,お父さんが住んでいる社宅の全容積を水槽にしても,メダカ1匹分もないということになります。
我が家の2号水槽を顧みると,その水量は,上部フィルターのろ過槽やサテライトの水量を合わせても60リットル程度です。この水槽でメダカ20匹以上,ミナミヌマエビ数十匹,カワニナ数十匹,石巻貝1匹,キラースネール1匹を飼育していることを考えると,超絶過密状態ということになります。
生活スペースの中で生体を飼育する上で,自然界と同様の水量を確保することなど土台無理な話ですが,それでも,水量が多い方が水質の悪化や温度変化が緩やかになるので,生体にとっては少しでも多くの水を確保してあげることがプラスになるようです。
2 ろ過について
上記1のとおり,どうやったって少ない水量で生体を飼育することとなるわけですが,そこで重要になってくるのがろ過であります。
後述するどのフィルターを購入しても,⑴物理ろ過,⑵化学(吸着)ろ過,⑶生物ろ過の話が説明書に書いてあります。
⑴ 物理ろ過
これは,生体の糞であるとか,食べ残しの餌,枯れた水草の葉など,目に見えるごみを濾しとる取る作用です。一般的なイメージでいうろ過らしいろ過です。水槽は観賞するものですから,これを一番重視する方も少なくないようです。
⑵ 化学(吸着)ろ過
生体を飼育すると,その糞や残餌,生体の死骸等によって水質は悪化していくわけですが,これらの事象で何がどう水質が悪化するかというと,要するにアンモニアが発生します。このアンモニアが生体にとってかなり有毒なわけです。こういった水中の有害物質を,活性炭やゼオライトといった多孔質なモノで吸着し,きれいになった水を水槽内に戻す作用を,こう呼んでいるそうです。また,有害物質だけでなく,水の黄ばみなどの着色汚れも吸着してくれます。
当然,吸着できる量には限りがありますが,後述する生物ろ過のためのバクテリアが十分に繁殖していない水槽立ち上げ初期段階において有効とされています。
⑶ 生物ろ過
上記⑵の,生体にとって有害なアンモニアですが,活性炭等で吸着しなくても,これを餌にして生きているバクテリアがいます。このバクテリアは,アンモニアをより毒性の低い亜硝酸に分解してくれます。アンモニアに比べ毒性は低い亜硝酸ですが,生体にとって有害は有害であります。さらに,亜硝酸を餌にして生きているバクテリアがおりまして,こいつらは亜硝酸を,生体にとってほぼ無害な硝酸塩に分解してくれます。この硝酸塩も増えすぎれば有害なんだそうですが,硝酸塩は水草の栄養源になりますので,水草とかに吸収させたり,それでも吸収しきれない分は換水によって水槽外に放出するわけです。これら一連のサイクルを硝化サイクルというらしく,これを生物ろ過と呼んでいるそうです。ちなみに,嫌気性バクテリアにより,硝酸塩からさらに脱窒して窒素と酸素だけに分解するということもできるそうですが,ここまでやる人は少数で,アンモニアが硝酸塩にまで分解されてくれたら,水槽管理として問題ありません。
物理ろ過はろ過ウールやスポンジ等が存在する,また,化学ろ過は水が活性炭等が存在するフィルター内で行われていますが,生物ろ過は,水槽内で水に接するすべてのモノの表面で発生しています。つまり,次項のフィルター内だけでなく,底床,ガラス面,石や流木の表面,水草の表面,また,生体の体表でも,バクテリアが存在するありとあらゆる場所で行われていると言われております。そのため,次項のフィルター内における生物ろ過の過剰な強化に懐疑的な方も少なくありません(お父さんもその一人です。
3 フィルターについて
水槽内の水を,より自然界に近づけるためにろ過フィルターという商品が各種各様に販売されておりまして,大きく分けると,水槽の外部にろ過槽を設けるタイプのものと,水槽の内部にろ過のためのスペースを確保するものとに分かれます。
水槽の外部にろ過槽を設けるメリットとしては,ろ過槽の容量分の水量を確保できることと,水槽内部をスッキリさせることができることです。逆にデメリットとして,水槽外にゴチャゴチャと附属品が設置されることになります。
水槽の内部にろ過のためのスペースを確保するもののメリットとしては,水槽外に附属品をゴチャゴチャと設置する必要がなく,全てが水槽内部で完結できるという点です。デメリットとしては,水槽内に機材が入るのでゴチャゴチャすることと,メンテナンス性に劣る面が否めないことですが,どっちもどっちです。これはもう,好きな方を選ぶしかありません。
基本的に,やっていることはどれも同じです。
なお,個人的には各種フィルターの名称について,整理されていないというか,場当たり的に名称を付したなあという印象を持っていますが,一般的な呼称を使います。
⑴ 水槽の外部にろ過槽を設けるタイプ
ア オーバーフロー水槽
おそらくはろ過能力は最強であり,水槽を突きまわして遊ぶのが好きな人にとっては一種の憧憬をもって特別視されるのがオーバーフロー(OF)水槽です。
OF水槽は,オーバーフローした(溢れた)水槽の水を,水槽の下に設置されたろ過槽に落水させ,ろ過し終えた水を水槽に揚水する(そして最初に戻る)という方式で,フィルターの個別名称ではなくシステム全体を名称としています。
ろ過能力が最強である理由は,ろ過槽が往々にして水槽と同程度であることによります。
曝気される面積が圧倒的に広いため,生体(特に海水魚や大型魚)飼育に向いているとされ,CO2添加をすることの多い水草育成には向かないとされております。
大がかりなシステムになるため,相応に高額になりますが,たいていの場合,そのろ過能力は過大であるため,海水魚や大型魚をやらないのであれば無用の長物とも言えます。
イ 上部フィルター
機構としては,実は,OF水槽と同じものです。
OF水槽の説明を一部改変して転用すると,上部フィルターは,オーバーフローしたろ過槽の水を,ろ過槽の下に設置された水槽に落水させ,生体が汚した水をろ過槽に揚水するという方式です。要するに,上下二段(二段とは限らないんですけどね)の槽のうち,上の槽で生体を飼育し,下の槽でろ過するのがOF水槽,上の槽でろ過をし,下の槽で生体を飼育するのが上部フィルターです。こちらに名称を合わせるなら,OF水槽は「下部フィルター」ですし,OF水槽にこちらの名称を合わせるなら,こちらは「OFろ過槽」とでも言ったらいいでしょうか。
水槽の上にろ過槽を直置きするという特性上,ろ過槽をあまり大きくすることができません。また,水槽本体にある程度の強度が求められるため,今流行のオールガラス水槽よりは昔ながらのフレーム水槽(うちの2号水槽=GEXのマリーナ60)に向いていますが,野暮ったいフレーム水槽の人気は低調のようで,結果として上部フィルターもあまり流行っていないようです。
しかしながら,OF水槽には及ばない(ろ過槽容量が大きいとされているグランデカスタムでも5リットルちょっとです。)としても,ろ過能力は非常に高く生体飼育向きと評価されています。また,水草の育成に向かないとされているのもOF水槽と同様であります。
ウ 外掛けフィルター
上部フィルターを簡略化した変種と考えて良いでしょう。
水槽の縁に引っ掛けて,水槽から少しだけ上に揚水した水を,水槽側面外側にあるろ過槽を通して,オーバーフローした水を少しだけ下に落水させます(落差は数センチ)。
水槽の縁に引っ掛けて使用するという特性上,ろ過槽の容量をあまり大きくすることができず,最大とされるもので2リットル程度です。
上部フィルターの変種というだけあって,曝気される面積は広がりますが,たかが知れています。そのことにより,添加したCO2がOF水槽や上部フィルターより逃げにくいため,より水草育成に向いているとされています。
エ 外部フィルター
ここまで紹介してきたフィルターは,どれも水槽の外部にろ過槽を設けているので,いずれも外部フィルターと呼んで良さそうな気がしますが,水槽界隈で外部フィルターというと,特定の形式のフィルターを指します。
外部フィルターの最大の特徴は,水槽内から水を吸い出し,ろ過して水槽に戻すまで完全密閉されており,一連の動きの全てをポンプのパワーに依存しています。完全密閉されているので,添加したCO2が逃げることがないため,水草の育成に向いているとされています。
密閉フィルターと呼んだ方がその性質や機能を理解するのに良いと思いますが,まあ,外部フィルターが通称なのでご了承ください。
⑵ 水槽の内部にろ過のためのスペースを確保するタイプ
ア 底面フィルター
水槽の内部にろ過のためのスペースを確保するタイプの雄は,底面フィルターになるでしょう。
最も下にスノコを,その上に底床を敷き,底床そのものをろ材となして,水槽の水を底床を通して水槽上部に汲み上げます。
水の汲み上げにはエアリフト式(いわゆるブクブク)とポンプ式がありますが,後述の投込み式フィルター(ポンプ式),外掛けフィルターや上部フィルターと直結することもできるのが特徴です。
底床全体をろ材とするため,シンプルで安価な割に非常に高いろ過能力を発揮しますが,メンテナンスとしては水作のプロホースなどでザクザクと底床掃除をすることくらいしかできず,底面フィルターの徹底メンテナンス=リセットと言っても過言でないくらいなので,長期維持には向かないとされています。
イ 投込みフィルター
おそらく日本人の多くが,小学生の頃,学校の水槽で目にしたことがあるであろうと思われるのが投込みフィルターです。
昭和の昔,透明なプラスチックの筐体の中に,茶色く変色したウールフィルターが詰まっていて,水槽の底からブクブクと空気を出していたのを覚えていませんか?これはエアリフト式の投込みフィルターで,今でも現役です。そして,意外と馬鹿にできないろ過能力を有しております。
また,もうちょっとスタイリッシュなポンプ式の投込みフィルターがあります。エアリフト(ブクブク)式が水槽外にエアポンプが必要となるのとは異なり,ポンプ式は水槽外には電源コードが1本這うだけで,非常にスッキリします。
これらのろ材がスポンジになると,スポンジフィルターと呼ばれますし,ろ材が水中を動き回ると流動フィルターと呼ばれます。
以上,自身の備忘録なんですが,将来これを読んだ自分はどう感じるでしょうかね?