高校生のときに英語の先生から小野君はbe動詞が理解できていないと言われたことをよく覚えています。 | The Milano Times

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ミラノから更新

5月ですが、ここのところ雨が降ったり曇ったりでちょっと肌寒いミラノ。

 

夏が近づくと思い出すのが2003年の歴史的猛暑。イタリア中(ミラノも)深刻な干ばつが問題になりました。

 

あの年は既に5月から30℃を超える日が続いて、夏休みに日本へ一時帰国した際に唯一日本が「涼しい」と感じた年。

 

あまりに暑いので、逆に暑さを利用できることをしようと思い立ち、あの年は限界まで日焼けしてみようと我が家の裏庭にビーチチェアーを用意して毎日のように寝転がっていました。

 

寝転がっているだけでやたら汗をかいてダイエット効果も抜群でした。

 

「(地球の温暖化で)これから毎年こんなに夏が暑くなると、ミラノも住みにくくなるなあ。」なんて思ったものですが、あれ以来そんなに暑い夏は巡って来ません。

 

さて、ちょっと気になるニュースなんだけれど、今の日本の若者の内向き志向には拍車がかかっているようですね。

 

6割以上の人が「海外で働きたくない」とか。

 

先進国中最低の生産性と群を抜いた長時間労働を誇る日本から「海外の勤務、生活面に不安」というのは、本当に情報不足というか、何なんだろう?

 

この辺りは近年日本で円満している「日本すごいね」的なテレビ番組や「海外びっくり」的な報道などがいろいろと誤解を生んでいる一因になっているかもしれませんね。

 

ホントは語学だって外に出ちゃえば何とかなるのに。

 

おいらは学生時代、語学(英語、国語)が超苦手で、受験の時には苦労しましたが、今ではイタリア語で仕事出来てる。

 

余談だけれども、日本の教育システムもおかしなところが沢山あり、美術系(デザイン科)に進むことを志願していたおいらは文系クラスに自動的に入れられていたけれど、この辺りも根本的に間違っていて、本来デザインをする人間は理系の教科の方が重要なはずなんですね。

 

まあ、当時からそういう日本のシステムのちぐはぐなところに疑問を抱いていたから(早い時期に)海外に出ようと思ったわけなんですが。

 

別に日本の若者みんなが海外で働けばいいとか言っているのではなく、せっかくの広い世界を自分で閉め切って小さなからに閉じこもることのメリットがどこにあるのか疑問に思うわけです。

 

別に本格的に移住しなくても、若い時に(短期間でも)海外での生活を経験することは視野を広げるのに劇的に役立つことをおいらは知っているので、なんだか残念です。

 

おいらが育った時代は日本がどんどん経済成長している時代だったので、日本国内にもいっぱい明るい未来にたいする「夢」があったと思うのですが、今時あまり「夢」見るような未来のシナリオもないはずなのに、どうして日本にしがみつくのだろう。

 

皮肉を言えば、どこでも人手不足な日本なので、大多数の若い人が国内に残ることを希望するのも悪いことではないのかも。

 

実はイタリアも似たような状況というか、全然未来に対する明るい展望があるわけではないのですが、この国は何百年も前(ルネサンス後)からそういう境遇には慣れているのでタフにやっていける部分があるのです。

 

この辺りの話は長くなるので割愛しますが、要は持ち前の文化の話。

 

日本でも未だに世界最先端の技術開発を行っている企業もあるし、型破りな考え方で日本を変えようと頑張っている人もいるけれど、社会全体としては内向きな閉塞感が勝っているようですね。

 

それで向かう先が第二次世界大戦前のアジアでは圧倒的な(政治的、軍事的)存在感を持っていた時代への郷愁となり、時代錯誤な論議が話題になることが多いようです。

 

最も近い「海外」である韓国や中国への嫌悪感みたいなのも根っこはその時代の産物だし。

 

おいらは仕事でイタリアにいながら中国とも仕事のやり取りが発生するようになったため、何度か訪れている内にすっかり中国に親近感を持つようになりました。

 

ていうか、最近はアジア全般に大いに興味が沸いてきました。

 

しかし、急速に発展する社会にはいびつなところが出来るものです。

 

中国科技大学が世界に先駆けて光量子コンピュータの開発に成功というニュースもあれば6人乗りミニバンに40人乗っていたというニュースもあり、なかなかにふり幅の大きい中国。

 

ただ、活気というかダイナミックさはホントにすごいと思っています。

 

あと、スポーツの世界だと、逆においらの若いころなんかよりも今の方が日本から大リーグに行く野球選手やヨーロッパのクラブでプレーするサッカー選手は断然増えてるのにね。

なんで他の仕事ではそういう夢を追いかける若者がいなくなったのだろう。

どんな職種にもそれぞれの大リーグがありそうなもんだけれど。(ちなみに、デザインの仕事がしたかったおいらにとってはミラノがそうでした。)