フェラーリと泡の話 | The Milano Times

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ミラノから更新

カルチョ(サッカー)と並びイタリアで人気のあるモータースポーツ。

 

今期は序盤ながらフェラーリのヴェッテルとバイク、モトGPのヴァレンティーノが個人成績で現在1位なため、総合優勝に期待が膨らみます。

 

BARなんかでの(おやじ達の)おしゃべりでは、カルチョで違うチームを応援する人もフェラーリの話では一致団結します。 

 

さて、フェラーリが実に9年ぶりらしいのだけれど、週末のロシアGPで1、2番手からのスタートとなりました。

 

しかし、スタート直後に3番目から発進した車(メルセデスのバトス)にどちらとも抜かれ、結局そのまま2位、3位でゴール。

 

バトスはF1初優勝。

 

優勝を期待されていただけにちょっと残念な結果ではありますが、シーズンの総合優勝を考えれば上出来の結果でもあります。

 

イタリア風に言うとグラス半分の喜びですね。

 

このイタリアというか、ヨーロッパの「グラス半分の喜び」という表現。

 

楽天家は「半分も入っている」と喜び、悲観的な人は「半分しか入っていない」とがっかりすることからどっちつかずの結果を表します。

 

まあ、フェラーリは近年の成績を考えれば嬉しい方が大きいよね。

 

さて、話は変わりますが、ちょっと気になったので書いておきます。

 

もう15年くらいネット上のお友達(でも、まだ会ったことがない。こういう人は結構多いのです。)が現在イギリス旅行中なのですが、SNSの投稿を見ると、

 

「イギリスあるある。泡を洗い流さない… 」

 

と書き込んでありました。

 

どういうことかと写真を見てみると、かごの中に雑に並べたグラスの洗い物が泡を洗い流していない状態になっています。

 

洗い場の横に雑においてあるこのグラスを見て「え、こんな程度にしか洗わないの?」と思った書き込みなんだと理解しましたが、多分というか、ほぼ確実にこれは食洗器に入れる前の仮洗い的な状態だと思います。(かごも食洗器用だし。)

 

日本である程度小さなお店だと、今でも手で洗うので、それなりの(大きな)規模のお店に行かないとちゃんとした食洗器がありませんが、ヨーロッパでは、(ちょっと前のウォシュレットの記事にも書いたけれど)洗い物は家庭でも食洗器に任せるのが当たり前で、その前にざっと流しただけの状態では「泡を洗い流さない」のは自然なことなのです。

 

この辺りの事情を知らなければ、パブのカウンターの中で泡がきれいに洗い流されていないグラスが並べられているのを見ると、「え、これで大丈夫?」なんて思ってしまうのかもしれませんね。

 

これはイタリアのエスプレッソを飲ませるバールでも同じことで、エスプレッソやカプチーノのカップやお皿を(ざっと流して)乱雑にかごへ入れ、食洗器へ入れます。

 

ビールなどのグラスを洗う食洗器とカプチーノのカップを洗う食洗器にはちょっと違いがあり、普通のグラスや食器を洗う食洗器は高温のお湯のシャワーで洗う感じですが、カプチーノのカップを洗う食洗器は蒸気で洗うのが一般的です。

 

どちらも洗剤が入りますが、なぜカップ用が蒸気式なのかは知りません。多分より短時間で洗えるのだと想像していますが。

 

上記のSNS友達の書き込みには「その後食洗器に入れると思われます。」とコメントしてきました。

 

でも、他の人の書き込みを見ると「日本人が見るとびっくりするよね。」とか「○○でもそうだった。」とかあるんだけれど、多分みんな誤解です。

 

この人はこの書き込みの後もひるむことなく、がんがん美味しい本場のビールを楽しんでいるようなので、問題はなさそうでしたが。

 

かなり海外慣れしている人です。

 

さて、洗い物の仕方の違いみたいな小さい発見も実際に外に出てみて初めて感じたり分かったりすることです。

 

良い悪いの問題ではなく、そういう違いがある文化の場所を沢山訪れれば訪れるほど、人間としての視野は広がると思います。

 

もちろん何でも受け入れる心づもりが前提だけれど。