弟から
『義母さんに柚子茶渡しちゃったの』
と電話がかかってきたとき、
あれほど念を押したのに、なんで実家に電話をかけたのかという義母への怒りと同時に
実母の耳に入って、傷ついていないかという心配が頭をよぎり
真っ先に
『お母さんの耳に入ってない』
と聞いたのですが
弟は
『そうゆう問題じゃないでしょ。お母さんは姉ちゃんのために作ったのに。なんで義母さんに渡すわけお母さんの気持ちを無駄にしたのは姉ちゃんじゃん』
と呆れ口調で
『だって、勝手に持っていっちゃったんだもん』
と言い訳をしてしまったのですが
『それでも、お母さんは姉ちゃんのために作ったんだから。お母さんの気持ち考えたら、そこは義母さんにハッキリ、ダメって言って取り返すべきでしょ』
と強めに言われてしまいました
確かに、柚子茶を作るのはすごく大変で
鋭くて太い棘がたくさんある、背の高い木から、柚子の実をもいで
1つ1つ丁寧に皮を削いで細切りにして
果汁を絞って
長い時間をかけて煮つめる
と、手間暇がかかることはよくわかっています
柚子の木から実をもぐこと自体が大変なので(小柄な母は特に)
私が帰省する数日前、柚子の実をもごうとしている母を見て、弟は
『今は急ぎの仕事があって俺もお父さんも柚子を取ってあげられないし、もうちょっと後にするか、今年は柚子茶はナシで、冬至の柚子湯だけでいいんじゃない?』
と言ったそうなのですが
母は
『みきゃこが好きだから。みきゃこが帰ってくるなら、みきゃこの分だけでも作ってあげないと』
と言って、踏み台で手を伸ばして、一生懸命、綺麗な実を選んで、もいでくれたそう
母は慣れていないので(いつもは父か弟がもいでいるので)奥の方の実を取ろうとして、棘で血が出てしまったりもしたそうです
弟に改めて聞いて、胸が締め付けられるような気持ちになりました