ルームシューズ作りに夢中になっている銀花です。
先ほど、素材の銘仙についてお話ししましたが、
銘仙の着物地にはよく紅絹が合わせて使ってある事が多い様です。
これは着物の袖の写真、
やっぱり袖口に赤い紅絹が使ってあります。
紅絹は紅花染めの紅い布の事です。
紅花の花を絞って紅い汁を出して染めますがこれだけの濃い色を出すとなると花の数も相当な量が必要でしょうね。
現在では草木染めと言うと皆淡い色が多いけれど昔は全部草木染めでありながら、
かなり濃い色も出してますよね。
紫とか赤、黄色など。
織り糸、織物、染色に関していえばその技術を一体何時の頃から人は使っていたのでしょうか。
縄文の頃はすでに織物をしています。
染色はどうでしょうか。
染色もかなり前から行われていた様ですよ。
すべて自然界のものを使った仕事です。
紅絹はまた、
優れた保温効果などもあって、
植物の出す紅い色の中には体温をキープする性質が有るそうです。
昔の人はやはりその事も知っていたのか、
紅絹は着物の下着である襦袢などにもよく使われました。
着物を着なくなってからも、
冬の肌着などの紅いものが多かったのです。
私が子供の頃も冬は赤い肌着を着ていました。
色鮮やかな着物の裾や袖口から燃えるような赤がちらりと見えると云うのも、
日本風の粋でもあり、色っぽさでもありますよね。
何かの仕草にはっきりとした色が翻るって想像しても美しい。
銘仙と紅絹って、
また特に合う様な気がします。
紅絹の事を調べていたらとっても楽しい色図鑑を発見しましたよ。
和色大辞典です。
456種類の和の色とその名前が載っています。
江戸時代、
何度も贅沢禁止令が出ていますが、
中でも町民や農民は茶色と藍色しか染めに使う事が出来ない時代が有ったそうです。
そんな時でも人々は、
許された範囲の染料を使ってその配分や媒染の材を変える事で信じられないくらいの違った色を産み出したと言われています。
日本の歴史が染色の歴史にも大きな影響を与えているのがよく判ります。
そんな歴史の中から生まれた和の色。
そのすべてに呼称がついてはっきりと区別されているのは凄い事ですよね。
楽しい色の世界に足を踏み込めば時を忘れてしまいます。
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