朗読を聴くにあたって。 | 星の輪ネットワーク

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山ぶどうから生まれた自家製天然酵母で焼くパンを楽しみ、緑に囲まれて暮らすワンダーフルな日々の出来事を綴ります。

[脳を鍛える] ブログ村キーワード

脳を鍛える方法として、朗読がいいと云われて久しいですが、

朗読を聴く,のはどうでしょうか。

読むのは簡単です。

でも聴く事はとても難しいのです。

まず十人中一人として素直に聴ける人って居ないのではないでしょうか。

先日、友が訪ねて来たのでこの頃お気に入りのお話を朗読してあげました。

島崎藤村の「足袋」という短編です。

「ひささんもいいけれど、あすがふとすぎる・・・」

と云う書き出しから始まります。

皆さんもこれを声に出して読んでみて下さい。

話の意味が分かりますか?

目で読めばこんな風です。

「比佐さんも好いけれど、アスが太過ぎる・・・」となります。

そして、

「仙台名影町の旅人宿兼下宿の奥二階で、そこからある学校に通っている年の若い教師の客をつかま

えて、頬辺の紅い宿の娘が其様なことを言って笑った。スとシを取り違えた鉛のある仙台弁で」

(島崎藤村 足袋 より)

と続きます。

目で読めば比佐産と云う人の脚が太いと、仙台名影町の宿屋の娘が話している言葉だと判りますよね。

でも、

私の朗読を聴いた友は、最初の「ひささん」から引っかかってしまいました。

「ひささんはアスがふとい・・・・」と云う最初のセンテンスから、

ひささんって誰?

男?

おんな?

アス?

明日の事?

え、なに・・・

彼女の頭の中は質問でいっぱい。

これでは聴く事なんか出来はしませんよね。

結局何が何やら判らないで、終わりました。

なので、

もう一度繰り返して聴いてもらうと、

今度はだいぶ話が見えて来たようで、彼女なりに感動した部分を熱く語ってくれました。

どうやら彼女は足袋職人の仕事ぶりに感動したようです。



よく考えてみれば、

私たちのほとんどは彼女と同じ様に聴く力が弱いのです。

聴くより早く反論する言葉を探していたり、

聴きながら頭の中は質問攻めで、

この人一体何が言いたいの、なんて責任転嫁しちゃって、

なに実は自分が聴いていないのだ。

自分の頭の中がごちゃごちゃ過ぎて聴けない、聴きたくないと云う人が多いですよね。

「足袋」の様な作品は短くて、

聴く練習の為にも良い作品と言えます。

聴く事は、脳を鍛える事にも繋がるのでしょうか?

それはよく判りませんが、

聴く力をつける為にはまず声に出して読む練習が必要。

だとすれば間接的にも脳を鍛える事に繋がりましょう。





「くもん出版の『脳を鍛える大人の名作読本』の刊行にあたって」と云う文章にはこう書いてあります。

「読書によって脳が活性化し、脳の働きを鍛える事が可能であることは、最新の脳科学研究成果によって明らかになっています。平成15年度から開始した仙台市との共同研究「学都共同研究プロジェクト」では、読書の習慣を持っている高齢者は、特別なトレーニングをしなくても脳機能の低下を予防できる事も判りました。」

くもん出版



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