[猫のいる生活] ブログ村キーワード
長いドライヴの後、我が家へ帰ってきたのは夜10時を過ぎた頃でした。
秋雨前線の影響か、こぶりの雨が降っていました。
猫たちはどうしているか、時々気になっていて、シャインはともかく、ユーキが私たちのことを覚えているかちょっと心配でした。
出かける前には、いい感じに仲良くなっていたので、それを覚えていてくれたら良いなとおもって帰ってみると、私が車から下りるとすぐにユーキが走り寄ってきました。
私たちが帰ってきたのがとても嬉しいようで、グルグル喉を鳴らして足元に擦り寄ってきます。
グルグル、みゃーみゃー、ヴェーヴェーとうるさいくらいにつきまとって、荷物を下ろす私の足に絡まるので踏みつけてしまいそう。
皆が家に入った後もユーキはずっと鳴きっぱなしで、まるで長い不在を責めているかのようです。
雨も降っていたし、疲れきっていた私たちは、当座の荷物だけを下ろしました。その時、メンバーの一人がシャインもいる、と言いました。
シャインはシャイで、特に人が一杯だとなかなか表に出てこない性格なので、居るのが確認されてそれですっかり安心していたのです。
その夜のユーキの態度といったら凄いものでした。
この猫ってこんな猫だったかしら?と首を傾げたくなるほどの甘えようでびっくり。
とにかく人が恋しくて恋しくてたまらない、と言った風なのです。
誰彼かまわずじゃれついて、喉を鳴らしたりヴェーヴェーしゃべったりと、休み無く声を出し動き回るので、終いには皆あきれてしまい、私もシャインのことをすっかり忘れてしまっていたのです。
それがシャインには面白くなかったのでしょうか?
疲れていても私の方がシャインの所へ行って「ただいま」って言うべきだったのかもしれません。
シャインはああいう性格だから、と勝手に決め込んだのは誰?
早々と布団に入ろうとする私たちを追いかけてきて、ユーキは文句をやめません。
つれ合いの、猫に関してだけはとーっても大きい堪忍袋の緒も、ついに切れたみたいでユーキは外に追い出され、ネコドアもロックされました。
久しぶりに横たわる我が家の布団、畳、安心して睡眠におちて行く私の耳に、入れてよ入れてよと鳴き続けるユーキの声と、それに応えるシャインの声が聞こえたような気がします。
翌朝、旅の前と同じように縁側の戸を開けて猫たちを呼ぶと、西端の物置からまずユーキが走り出てきました。それまでなら、しばらくすると徐にシャインが現れて、私の50cm位近くまでやってきて、ピタッと止まるのです。
でもその朝なかなか出てきませんでした。
少しの間待ちましたが、姿を見せないので、何も気にせず家の仲に引っ込んでしまったのです。
それから、朝食、ちょっとした片づけなどをしている間も、ユーキはずーっとわめき続け、片時も私たちから離れたくないらしい。
私たちはユーキのこの豹変ぶりを、好ましく、嬉しく思って浮かれていました。
何度かシャインの名前が私たちの口に上りました。が、その度に皆きっとその辺で虫でも追いかけているんだろう、と何の心配もしていませんでした。
午後からは歯医者の予約が有ったので2時に家を出ました。
その時点で今朝は誰もシャインの姿を見ていなかったのです。
夜になってもシャインの姿は見えず、それでもまだ私たちはシャインはそこにいるものだと思い込んでいたのです。
その翌日もシャインはどこにも見えず、ついに私たちもシャインがどこかに行ってしまった事に気づかされました。
ユーキがいつまでも鳴きやまなかったのも、シャインを探している声でもあったのかと、今にして思うのです。
夜には台風の雨風も始まり、明朝は台風の真っ只中にいるかもしれないというのに、いったいシャインはどこに行ってしまったのでしょう。
シャインがいないと思うと、あの顔が妙にクッキリと私の記憶に浮かび上がって、愛しさで胸が痛みます。
どうして居なくなってしまったのでしょうか?
どこへ行ってしまったのでしょうか?
つれ合いは『男』だと言うのですが、果たして本当にそうなのでしょうか?
だってシャインはまだ6ヶ月過ぎたばかりの娘っ子で、男についていくのはまだ早すぎると思うのです。
ああ神様、シャインに帰る道のりを示してあげてください。
私も、つれ合いも、ユーキもシャインにもう一度会いたいのです。
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