これまで、私の知っている山ぶどうは、たいていもっと小さくて、すっぱくて、果肉はあまり無いのが多かったきがします。それが、このぶどうは、丸々太って、ブルーベリーのようでした。周りの木々が葉っぱの色を変え、散って行ってもまだ、最後の最後まで残り、木の上で熟れた果実は、甘い果汁が柔らかな果肉にしみ込んで上等のネクターになっていました。
私はもうずっと前から、山ぶどうには不思議なパワーが有ると思っています。とても精(エネルギー)が強いと思うのです。山で、ぶどうの実を口にした途端に、元気が体にみなぎるような経験をしたことがあります。あの時は本当に疲れていて、山ぶどうを見つけたときはとてもうれしかった。5.6粒食べて、ポパイがほうれん草を食べた時みたいだ、と思いました。
山ぶどうはパワー・フードです。梅干や梅ジュースが発揮する、梅の力と同じような感じかなとおもいます。それに、巫女淵という名前、そして原生林。この名前に導かれるように訪れた場所で、神様からのギフトのように願っていたぶどうを頂いたのも、とても不思議な気がして、私は心から幸せでした。皆で食べたいだけ食べた後、残ったぶどうを家にもって帰りました。