セッケンマン『…一瞬で決めてやる』
ヒュン!
セッケンマンは、高速移動した。
むこ『あいつのスピードも速いぞ!?』
めこ『1回戦でも、相手を瞬殺していたからな…』
セッケンマン『「セッケンパンチ」!』
バーンッ!!
ティナ『すげぇパンチだなッ!』
セッケンマン『フッ…この私のセッケンパンチでお前たちも吹き飛ばされたようだ』
ダークジャイアント『あ~ん?』
アイアンバール『…そのような攻撃、鋼鉄を誇る我が装甲には通らぬが?』
セッケンマン『何だと!?』
ダークジャイアント、アイアンバールは、セッケンパンチでも全然応えていなかった。
スズナ『闇の巨人ダークジャイアント、破壊機アイアンバール。奴等もA級危険因子に分類されている』
ユウト『凄く素朴な質問だけど、ノスタルジアは危険因子を取り締まる任務もあったんじゃ無かったっけ?』
ユウト『君やティナさんはスルーなの?(笑)』
スズナ『バトルフェスタは行事だ。
宇宙のエンターテイメントとして知られるこの大会を運営であるノスタルジアが壊すような真似は出来ないからな』
スズナ『大会が終わってからならいくらでも対処はするが…旋律の音楽家フルートや、更に十帝の二人、Xファミリーの二人も居る。
今回の大会の参加者を全員捕まえるのは恐らく我々でも厳しいだろう…』
ユウト『要するに今回は見送るって訳だね?(笑)
確かに…スズには無事で居て欲しいから』
スズナ『勘違いするな。優先順位の問題だ。
私やティナが本気を出せば、危険因子の処理くらい出来るさ』
スズナ(今回の優先順位の最優先事項…それはアニマさんからの指令。
五界のダイヤの所持者の力を見定める事に有るのだから)
アニマも大会を観戦している。
アニマ(フッ…危険因子共。精々束の間の大会を楽しんでおけ)
アニマ(このビッグバン・ゴッドギャラクシーに居る限り、我々ノスタルジアからは逃げられないのだからな…!)
アニマ(今は明泳みこ。最重要住民と、その仲間…五界の要であるダイヤの所持者を殺すため、バトルフェスタも利用するというだけだ)
アニマやノスタルジアはそういった理由から、今回の大会の参加者である危険因子に分類されている者は放置していたという具合である。
その代わり、むことめこに対し、注目をしている様子。
阿修羅クワガタ『セッケンマン。相変わらずてめぇはへなちょこパンチしか繰り出せないみたいだな?(笑)』
セッケンマン『何だと(怒)』
阿修羅クワガタ『見本を見せてやるよ!』
ブーン!
阿修羅クワガタは、羽を広げて空を飛んだ。
アイアンバール『空中からの攻撃か…脳筋に見えて意外と戦術を組み立てるタイプのようだ』
ダークジャイアント『ブラックキャッスルっていう地獄から生還した俺たちが、あんな奴等の攻撃で死にはしねぇよ』
阿修羅クワガタ『急降下…そして「阿修羅ホーン」!』
ダークジャイアント『俺が迎え撃つ!「ダークアーム」!』
ドーンッ!!!
激しい力と力のぶつかり合い。
阿修羅クワガタ『なっ…!? この俺…阿修羅クワガタ様の必殺技に当たる阿修羅ホーンを受け止めるだと!?』
ダークジャイアント『こっちもちょっと驚いたぜ…俺のダークアームを相殺するとはな』
ダークジャイアント『阿修羅クワガタ…お前みたいな強い奴と戦えるなんて嬉しいぜ。
この大会に出た甲斐もあったってもんだ!』
シューウ……
そして。
セッケンマン『…ぐっ…。馬鹿な…このセッケンマンが……』
アイアンバール『目標の破壊。それが強さの証明でもある!』
阿修羅クワガタ『おい!? セッケンマン!』
セッケンマンは、アイアンバールに倒されていた。
セッケンマン『くっ…このセッケンマンが本当に足を引っ張ってしまうとは…。済まないな…阿修羅クワガタ……』
アイアンバール『…負けを認めるか?それとも、破壊行為を続行しようか?』
セッケンマン『降参だ…。後は頼んだ、阿修羅クワガタ』
ティナ『セッケンマンリタイアッ!
阿修羅クワガタ…てめーはどうするッ?』
阿修羅クワガタ『…チッ…』
ダークジャイアント『お前ともっとやり合いたかったけどよ~』
アイアンバール『2対2の大会である以上は、手加減は出来ぬ』
阿修羅クワガタ(2対1はキツいか…?
俺には「阿修羅状態」が有るが、あれは俺でも制御不能の暴走状態だ)
阿修羅クワガタ(ダークジャイアントとアイアンバールってこいつらを殺した後、大会の観客席の奴等にも被害を及ぼす恐れが有る…そうなれば、大会の規約違反となり、運営のノスタルジアに俺が殺される恐れが有るからな)
阿修羅クワガタ(認めるか…。まだ今の力じゃブレインの理想、宇宙最強の生命体への進化へも程遠いだろう)
阿修羅クワガタ(こんな奴等に苦戦しているようでは…な)
阿修羅クワガタ『審判…俺も降参だ』
ティナ『お?そしたら…勝者、アイアンバール&ダークジャイアントッ』
阿修羅クワガタ『セッケンマン。済まねぇな』
セッケンマン『何を謝る…?気持ち悪い』
セッケンマン『阿修羅クワガタ…もしも、またバトルフェスタで会うような事が有れば、またチームを組んでやっても構わん』
セッケンマン『私と対等に戦える奴も少ないだろうからな』
阿修羅クワガタ『…考えておくよ』
観客席でバトルを見ていた人物。
1回戦で敗れてしまった、オーガサイボーグと旋風のマッハだ。
オーガサイボーグは、アイアンバールと因縁を持つ人物でもある。
オーガサイボーグ(アイアンバール…くそ、奴を倒すには)
マッハ『おい、オーガサイボーグ。
やはり、ワンキックマン…奴の手を借りなければアイアンバールを破壊するのは無理なのでは?』
オーガサイボーグ『今の俺では厳しい…が。
ワンキックマン先生の手を煩わすなんて、恥だ』
マッハ『そんな事言ってる場合なのか?
破壊機アイアンバール…お前の話が本当なら、お前の故郷を含む幾つもの世界を破壊した兵器何だろう?』
マッハ『お前がサイボーグの体になったのだって…あいつを倒すためなんじゃ無かったのか?』
マッハ『ワンキックマン。奴ならば恐らくアイアンバールも破壊できるだろう』
オーガサイボーグ『…だが、ワンキックマン先生はこの場には居ない。
先生はノスタルジアから、別の任務の勧誘を受けたらしい。
それは弟子である俺にも詳細を話してくれていない』
オーガサイボーグ『だが……1つだけ考えを思い付いた。
俺とマッハを打ち負かした彼等なら…!』
ティナ『2回戦の最終戦となるぜッ!
対戦カードは、ガロー&ゴールドファング vs むこ&めこッ!』
マッハ『…むことめこ。あいつらの事か?
だが、あいつらがこの試合で勝たなければ、アイアンバールとも戦わないぞ?』
オーガサイボーグ『彼等はまだ真の力を隠している…彼等ならば、この試合に勝利し、アイアンバールにも届く筈だ』
ガロー『ジジィ。この試合も特に手出すなよ?』
ゴールドファング『ガローよ。あの二人は恐らくかなりの使い手じゃ…わしもお前がヤバイと判断すれば加勢に入るぞ?』
ガロー『俺がヤバイ何て状況は有り得ねぇ。
だからすっこんでろ!』
むこ『めこ君…気をつけていこう』
めこ『あいつらも強者だろうからな…』
最終戦はむことめこが戦う。
激化する宇宙の強者との戦い…バトルフェスタ!
場面は変わり。
みーにゃ『榊夜さん…阿修羅クワガタという人、大会で負けてしまいましたね』
榊夜『大会で勝ち残ってくれたら、大会で戦えたのだが…野良バトルするしか無いな』
みーにゃと榊夜は、ブレインから阿修羅クワガタの抹殺を依頼されている。
阿修羅クワガタは、大会が終わった後、普通にアスタリスクを去ろうとしていた。
榊夜『阿修羅クワガタ』
阿修羅クワガタ『あぁん?お前らは確か…榊夜とみーにゃだったか?』
榊夜『阿修羅クワガタ…悪く思うな』
榊夜とみーにゃは阿修羅クワガタの前に現れ、榊夜は阿修羅クワガタに攻撃しようとする。
みーにゃ『阿修羅クワガタさん…あなたにお話が有ります』
榊夜『みーにゃ…?』
しかし、みーにゃの行動は榊夜でも予想外だった。
みーにゃ『榊夜さん…私は彼の事を知りません。
やっぱり…何も知らない人を殺すなんてのは、例え殺し屋ファミリーであっても、ブレインさんからの依頼であっても出来ないです』
阿修羅クワガタ『俺を殺すだと!? それに今、お前…ブレインって言ったのか!?』
榊夜『みーにゃ…!二人で決めたじゃないか、こいつは危険な奴だとも聞いただろう!?』
みーにゃ『私たちは…悪い人を殺します。
この人が…何か悪いことをしたのなら、そうするべきでしょうが、阿修羅クワガタさん…彼は純粋に大会を楽しんでいた感じにしか思えませんでした』
阿修羅クワガタ『おい!お前ら…ブレインの仲間なのか!?』
榊夜『…そうだ。俺たちはブレインにお前の抹殺を依頼された。
ブレインも…俺たちの組織、Xファミリーの一員だ』
阿修羅クワガタ『Xファミリー!?
…畜生!ブレインの野郎は、研究の為なら何でもする野郎だ…俺はあんな奴の言いなりになりたくないから、研究室を脱走したんだ!』
榊夜『ブレインの研究室を脱走した件については聞いている。
だから、ブレインはお前を処分したいと俺たちに話した』
榊夜『お前に直接の恨みは無い…だが、悪く思うな』
みーにゃ『榊夜さん…!』
榊夜『みーにゃ…!お前も知ってるだろ!
この宇宙には悪い奴等が腐る程居るんだよ』
榊夜『お前の主を殺した奴だって居る!』
みーにゃ『…ユレイベル様…』
榊夜『親父の十三術式を悪用している奴だって居る!
俺たちは…そんな奴等を一人残らず許してはダメだ。
理想郷。それがX様や俺たちの願いだろう?』
阿修羅クワガタ(こいつら…マジで俺を殺すつもりらしいな。やむを得ん…阿修羅状態を使うか。ここなら大会の奴等にも被害はいかないだろう)
阿修羅クワガタも戦闘体制に入ろうとした。
その時。
サンダーコア『「サンダーコアブラスト」!』
ブリザードコア『「アイスコアブラスト」!』
バーンッ!!
榊夜『この技は!?』
サンダーコア『榊夜様、みーにゃ様』
ブリザードコア『もう安心で御座います』
みーにゃ『サンダーコアさんとブリザードコアさん!』
Xファミリーの配下に当たるコア系である。
榊夜『どうしてここへ…?』
スタ。
X『話はブレインとサテライトから聞いた』
みーにゃ『…!X様!』
サンダーコアとブリザードコアを連れていたのは、Xファミリーのボスに当たるX!
阿修羅クワガタ(何だこいつ…?底知れねぇ力を感じる…榊夜とみーにゃよりも更に強い奴なのか!?)
阿修羅クワガタ(チッ…さっきの不意打ちで体も思うように動かせねぇ…?)
X『無駄だ。サンダーコアは雷、ブリザードコアは氷の属性を持つコア系。
お前の動きは完全に封じた』
みーにゃ『X様…どうしてここへ?』
X『ブレインからの依頼は中止だ。
ブレインにもそう伝えてある』
X『俺たちの目的をはき違えるな。
この俺の宿願…死の神アトカリプスと邪神ロキへの復讐。更にその関係者。
そして、Xファミリーへ敵意を持つ、“悪”。
俺たちが悪と認識すれば殺す対象だが』
X『ブレインの個人的な事情をお前たちにやらせるのは、少し別の話に思えた。
ブレインが勝手にやる分には好きにしたらいい。
ただ…ファミリーを巻き込むな。そう伝えてきた』
榊夜『確かに…。阿修羅クワガタは、X様の命令でも無ければ、Xファミリーの目的に関係する訳でも無かったですね』
X『無益な殺傷は不要だ。ただ…』
X『阿修羅クワガタ。レギュラーであるサテライトには劣るものの、ブレインの研究で作られた生命体であることから、多少の戦力にはなるだろう』
X『だからこの俺が直々に来てやった』
みーにゃ『まさか…?』
X『阿修羅クワガタよ!我々Xファミリーの仲間に加われ』
みーにゃ『それじゃあ…』
X『ああ。阿修羅クワガタを保護しよう。
仲間として扱えば、ブレインも手は出せない』
阿修羅クワガタ『Xファミリー…お前らはブレインの仲間なんだろ?』
X『ボスは俺だ。俺はブレインをも配下に加えている』
阿修羅クワガタ『何だと!? ブレインを配下に!?』
X『俺は最強の殺し屋X。
そして…俺が作り上げた、Xファミリーの目的は、この宇宙に理想郷を実現させる事だ』
阿修羅クワガタ『理想郷…?』
X『平和な世界の事だ。俺たちは悪い奴等を殺す為の殺し屋ファミリーだ』
X『阿修羅クワガタ…俺たちの組織に加われ』
阿修羅クワガタ『…X。あんたのその野望…本気なんだな?』
X『当たり前だ。榊夜とみーにゃの力は目の当たりにしたな?
こいつらも全力で俺に手を貸してくれている』
阿修羅クワガタ(榊夜とみーにゃ…更にあのブレインすらも戦力としているX。
こいつはかなりの大物だ!それに…俺を助けようとしてくれている?)
阿修羅クワガタ(ならば…俺は、この人に忠義を尽くすのも、悪くないのかもな?)
阿修羅クワガタ『X…いや、X様。
あんたらのファミリーは強い。是非俺も…あんたらに協力させてくれ』
X『当然だ。よろしく頼むぞ』
みーにゃ(凄い…阿修羅クワガタさんも大人しく言うことを聞くようになった)
みーにゃ(X様…。
優しくて、強くて…本当に素敵な私たちファミリーのボスです!)
みーにゃ(私は…この人の事が大好きです…)
次回へ続く!
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