「ほどなく、お別れです」
思い出の箱 2022年
長月天音


「ほどなく、お別れです」シリーズ
自殺や不慮の事故など"訳あり"の葬儀ばかりを
請け負う葬祭ディレクター漆原のもとで
駆け出しの清水美空は少しずつ、
確かに成長していく。

坂東会館に新しい風。
大手葬儀社で経験ありの、
社長の甥小暮がやってくる。
経営や社員のやり方にも口出し
美空や漆原とぶつかり
お互いの葬祭の在り方に意見がぶつかる。


漆原の言葉が心に沁みる。

「僕たちって
何気なく未来のことを口にしますよね。
また、とか、いつかって。
でも、僕たちが相手にするのは
大切な人との「また」がない方々です。
僕は、その絶望的な悲しみが分かる葬儀屋で
いたいと思ってるんですよ。」
(一部抜粋)



漆原が葬儀屋になった理由が明かされ、
小暮も過去に心に傷を抱えていて、
葬儀への思いが人一倍強くなっていた。


悲しさや辛い題材…
坂東会館の人々の心の温かさが
この物語を優しく包み込んでいた。
ずっしり心に余韻の残る小説だった照れ