「ほどなく、お別れです」2020年
それぞれの灯火
長月天音

あらすじ
葬儀社坂東会館に就職した清水美空。
葬祭ディレクターの漆原に指導を受けながら
日々遺族に寄り添い奮闘する。

坂東会館で行われた葬儀
1.交通事故で亡くなった男子高校生
2.自殺したおばあさん
3.闘病中に体調が急変した40代男性
4.通勤電車に飛び込んだ社会人1年目の女性



「ほどなく、お別れです」の続編。
泣けました。
突然の死に遺族の思いは想像以上のもの。
心の整理がつかぬまま葬儀を行う。
その心に寄り添いながらも
仕事として丁寧に式を執り行う。
漆原の強さと優しさが混在する人柄が
とても心に沁みてじんわり温かかった。

僧侶の言葉
「日常の中ではなかなか意識しませんが
こうして日々人は亡くなっていく。
若い命も例外ではありません。
もちろん、生まれてくる命もある。
当たり前のことです。
でも、こういう時でないと
その当たり前のことには気付きません。」

「見送る人の数だけ悲しみもまたあるのです。
ですが、私たちは生きている。
ここにいらっしゃる方々が同志だと思えば
少しは心強い気がしませんか」
(一部抜粋)


前作読んだ後、
著者の長月さんは、
大学時代、葬儀社にアルバイトをした経歴があり
ご主人を闘病の末亡くされたことを知った。
だからこそ、遺族の繊細な心の描写と
心から寄り添う坂東会館の人々の温かさや、
故人、遺族のための葬儀への強い思いが
ひしひしと伝わってきて、より強く胸に響いた。