こんにちは、福祉専門社労士の三木です(*^^)v
今回は、是正勧告など労基署からの調査、指導について、
少し違った角度から。
以前にこのブログでも、
最近は小規模の事業所でも職員に申告に行かれる時代です、
と書きました。
「うちは大丈夫」と思っておられるところに突然、調査に入ってこられると
かなり、面喰います。想定していませんからね。
食品製造の事業なら、
「修行時代は労働時間は長くて当たり前、
美味しい物をつくるのに手間暇を惜しんではいけない。」
営業の世界なら、
「営業だから残業手当つかないのは当たり前、
売ったらその分、歩合給がつくのだから」
建設業なら、
「外仕事だから、天候にもよるし、
現場が長引けば、帰りが遅くなるのは仕方がない。」
福祉の事業なら、
「利用者あっての仕事だし、有る程度の奉仕精神も必要、
どこからどこまでが仕事なのか線引きが難しい」
各業界それぞれに、いろんな事情があります(汗
職場慣習というものです。
これまではそれが、常識として通ってきたのです。
社会の常識と、法律は必ずしも一致しません。
特に労働法は、法律に書かれている事と実際の状況との差が大きいですね。
労働基準監督官もその辺りは、理解はされていて、
「事情はわかるんですけど、、ルールなので、、」と、
毎回かなり言いづらそうに指導されています。
元々、労働基準法などは製造業の工場でラインなどで働く就業形態を
モチーフに作られたのかもしれません。
少なくとも、全ての業種の就業事情に合わせて、考案されているとは思えません。
実情に合っていない(と感じる)ルールも少なからず存在しますね。
全ての業種に合わせた就業のルールを作る、というのは難しいんです。
職場慣習が勝っている場合は、ルールに違反してても、
結果、見過ごされるという場面も出てきます。
あまり文句を言いだす人もいませんからね。
最近はインターネットで誰でも欲しい情報を得るのが主流になっていて、
本当にびっくりするくらい、労働法に詳しい従業員の方は存在します。
働く側の意識が変化してきています。
行政だけでなく、業種によっては親会社が労働法遵守を指示してきたり、
世の中全体がコンプライアンス重視に傾いてきています。
労働法の世界だけではありませんが。
地域も規模も業種もあまり関係有りません、
職場慣習よりも
コンプライアンス重視の考えの方が優勢になりつつあるのです。
従業員に労基署に申告に行かれる事業所様の多くは、
従来通りの職場慣習重視で考えておられます。
「うちの業界は昔からそういうもの」「どこでもそう、当たり前」
考え方の隙をつかれてしまうんですね。
これ気がついていただきたいのです(汗
業界の常識か、法律のルールか?
私もいつも、悩みます。
悩みますが、労働法など守るべきルールは守っていただかないと、
結局あとで、時間外の遡及払いのペナルティを受けたり、事業所がリスクを
背負う事になります。
守らなくても良いとは立場上、言い難いので悩ましいのです(汗
現状、職場や業界の慣習があっても、労働者から申告を受けて、
ルール違反が発覚して、実際に指導を受けてしまうと、
ルールに従い、改善せざるを得なくなってしまいます。
指導をずっと、無視しているわけにもいきません。
意識を少しずつ、時代の変化に合わせていって、
雇用契約書や、就業規則、36協定、就業時間や残業の取り決めなど
きちんと備えていれば大事にならなかった、というケースは存在します。
(というより殆どそうです(汗)
全く、備えていないところに、突然指導など来られると
ダメージが大きいので、充分気をつけていただきたいんです(*^^)v
現在の事業所の雇用管理で必要充分か、ご確認してください。
場合によっては、雇用管理の改善が必要になり、
結果、人件費などの支出が今より多くなるのかもしれません。
経費は増えなくても、考えなければいけない事項が増える事により
負担は増すのかもしれません。
でもですね、事業所で働く「人」に手間暇をかけて損になる!
という事は有り得ません。福祉はやっぱり「人」で成り立つ事業ですからね。
手間暇をかけて必要な雇用管理を改善したりすれば、
必ず「一生懸命、働いてくれる事」で返してもらえます。
私はそう考えます。性善説ですね(*^^)v
今回は、「職場慣習」に注意を!って角度から書きました。
雇用管理にいささかの不安がある、という事業所様は
意識の転換と、雇用管理の見直し・確認を是非してみてください。
本日はこの辺で失礼いたします!
関連記事 : 「労基署が事業所に来たら!?」
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