“ひとのみち”さん | 御木白日のブログ

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学習院大学 仏文科卒業。大正大学大学院文学博士課程修了。
詩人活動をとおして世界の平和に貢献。

“強情をやめなさいといわれて「ハイ」と言う人は素直、「どうすればやめられますか」と聞く人は強情、と話されている人がいるのですが、そんなことで素直と強情がわけられるのですか”という質問を受けました。
 思わず、ひとのみち教団時代からの教師の先生が、“「これをしなさい」と命じられて「ハイ」というのは素直、「なぜ、これをするのですか」と質問するのは強情”といわれたときのことが頭をよぎりました。それをお聞きになった二代さまは「あなたはまだ“ひとのみち”さんですね」と笑っておられたことが鮮明に思い出されたのです。
 「ハイ」というのが素直で、質問するのは強情ときめつけることに問題があります。「言われた通りにせよ」式に上から目線で人を自分のおもう通りにしようとするのは間違いです。70年、80年前ならば、それでもよかったかもしれませんが、今はなにごとによらず説明責任が問われる時代です。まして、信仰においては、どのような質問にも、誠意をもってできるかぎりの説明、解説をしようと心がけることが基本です。そうでなければ、ただの迷信と区別がつかなくなってしまいます。
 素直はよし、強情は悪い、ときめつけるのもこんにちでは古すぎます。素直に「ブラック企業で酷使されて、滅私奉公的に働く、というのでは困る」のが今の時代です(香山リカ『マインドフルネス最前線』196頁)。
 世の中にダメなもの、無駄なものは何もありません。
 すべて人が芸術するための素材であると二代さまから教えて頂いています。ただ、何事も度を過ごすと相転移をおこし、我(が)になるのです。そこを神からとがめられるのです。
 二代さまは「わからないことは何でも質問せよ」とおっしゃいました。質問されて困る人が「それは強情だ」と決めつけているように思えます。そういう人に振りまわされてはいけないのです。
 ちなみに素直とは「一切を愛し、包容し、神業のすべてを受入れる(肯定する)」ことです。
 そこから芸術がはじまるのです。