ワット・サマーン・ラッタナーラームを後にし、再びツアーバンに揺られてバンコクへと戻る一行。


*前回のバンコク滞在記はこちらからどうぞ!


1時間ほどのドライブを経て、ガイドさんの解説によればすでにバンコクに戻って来ているとの事だった(土地勘が無いので全くわからない)。

これから向かう目的地はバンコクの市街地から車で30分ほど離れている「トンブリー地区」にあると言う。


トンブリー地区はかつてのトンブリー王朝時代の王都であるそうだ。

言うなれば、タイの古都の1つである。

そんなトンブリー地区にあるのが近年とても人気がある「ワット・パクナーム」だ。

最上階にあるエメラルド色の仏塔、ドーム型の天井に描かれた仏画が大層美しいと評判の寺院である。


言い忘れていたが、このツアーは「バンコクフォトジェニック観光ツアー」と銘打たれている。

という事で、現在「バンコク旅行で行きたい二大フォトジェニックスポット」と言われている「ピンクのガネーシャ像」と「ワット・パクナーム」を訪れるという、欲張りかつありがたい内容なのである。


バンはトンブリー地区の路地に分け入り、寺院があると思われる場所の近くで停車した。


段々と優しく美しいお顔をされている仏像が近くに見えて来る。

ワット・パクナームに到着したようだ。



現在10時30分。

旅行者たちが行動を始める時間となったのか、先ほどのピンクのガネーシャ像があるワット・サマーン・ラッタナーラームとは比べものにならないぐらい人出があった。


ガイドさんに導かれ、件のエメラルドグリーンの仏塔がある5層構造の白い仏塔へと入る。




仏塔に入ると、左手正面に飾られた写真が目に入った。



ガイドさんの解説によると、前国王であるラーマ9世・プミポン国王とシリキット王妃のお若い頃の写真だと言う。

前回の滞在記で触れた「ロイヤルプロジェクト」の立案者でもあると言うプミポン国王は、国民からとても慕われていた王様として有名であり、お亡くなりになられた時には国中が悲しみに包まれ、喪服を身にまとう人々でタイの街がモノクロの世界になってしまったのだそうだ。


↑小説ではあるが、プミポン国王が亡くなられた時の街の人々の様子も綴られている「9月9日9時9分」。


まだ出会われたばかりの頃なのだろうか?

お2人の幸せそうな様子が写真からも伝わってくる。

本当に素敵で、何だか感動してしまった。


しかし、ぼんやりと感動している暇はなくツアーは続く。

最上階へと向かう途中にも貴重な宝物や黄金に輝く高僧の像などが展示されていて、見応えがある。


そしていよいよ最上階までやって来た。

これまでに何度もガイドブックの誌面やバンコクを紹介する紀行番組で見た事はあったが、やはり実物は息を呑むような美しさであった。


ツアー参加者全員(もちろん私も)からため息が漏れた。







仏陀の生涯を描いたという仏画、エメラルドグリーンの仏塔、その周りを囲む細かい細工(花のモチーフがツボである)を施された柱、エメラルドグリーンの仏塔を護る美しいガラスの蛇たち(今回のツアーで「あ、龍がいる!」と思ったものは全て蛇だった)。


目に入る全てのものが美しく、尊い。


ガイドさんの解説による作法で仏塔にお詣りし、その後自由時間となった。


↑最上階からテラス(?)に出ると、先ほど迎えてくれた仏様がこんなに近くに!


↑ワット・パクナームの裏を流れる運河(そこを行き交う船は現在も人々の交通手段となっている)の対岸にあるのは「ワット・クンチャン」。


先ほどの宝物や像を見に行き、一通りじっくりと見学した後集合場所であるトイレに向かう。

その時その場にいらっしゃった同じツアーの参加者の方に声をかけた。

その方も私同様このツアーに1人で参加されていた「ひとり旅」の同志である。

ずっとお話したいと思っていたが、なかなか話しかけられなかったコミュ障気味の私…。


↑集合場所のトイレ横にあった素敵カフェ。


短い時間だったが、今回の旅についていろいろお話する事が出来て楽しかった。

若い頃なら「じゃあ、滞在中にどこかでお食事でも」などと言ってお誘いしたかも知れないが、今はしない。

1人で旅と向き合う時間の貴重さがわかっているからである。

好きな場所へ行き、好きなものを食べ、好きな事をする。

そんな事がしたくて、私たちは「ひとり旅」というものをしているのだから。


再びガイドさんと合流。

いよいよこのツアーも終了の時間が近付いて来た。

三たびバンに乗り込み、ガイドさんによるトンブリー地区の解説を聞きながら解散場所であるアソークへと向かった。


*トンブリー地区は昔ながらのローカルな雰囲気が素敵な街である。

飲食店もたくさんあって活気に溢れている(ガイドさん曰く牛肉麺の有名店があるそうな。行ってみたい!)。

次はこの辺りをのんびり散策しに来たいと思った。



トンブリー地区を離れ、いつの間にか若干渋滞しているバンコクの中心部をバンはゆっくりと進む。


今回、このツアーに参加して本当に良かったと思った。

このように行きにくい、もしくは行き方がよくわからない場所を早朝から効率良く回ってもらえるのはとてもありがたい。


本当は旅の最中にあまり効率とか気にしたくないし、どうしても行きたい場所があるのなら自力で向かうのも達成感があるだろうし、きっと楽しいだろう。

しかし、ただでさえ短い滞在時間なのである。

旅先でどうしても行きたい・体験したい事があるけど、自力で叶えるのが難しいという場合はこう言ったツアーに参加するのも全然ありだと実感した。


☆今回参加したツアーはこちら!


バンはBTSアソーク駅の近くに停車し、お世話になったガイドさん、ドライバーさん、そして参加者の方々とお別れした(皆さま、短い時間でしたが本当にありがとうございました!)。


さて、私の次の目的地は…?