ホテルを21時頃出発し、信義地区へと向かいながら何か軽く食べようかという事になった。
滞在先のHOME HOTEL大安の最寄駅はMRT板南線忠孝復興駅だったが、反対方向へと歩けばMRT淡水信義線の大安駅もわりと近い。
台北101のカウントダウンの花火は淡水信義線終点の象山駅付近で観る予定だったので、とりあえず大安駅方面へと進んだ。
夫は「大晦日やから年越しそば代わりに麺を食べたい」と言っていたので、途中で夫の好きな牛肉麺の店があったから「ここは?」と訊いたり、他の麺類の店を見かける度に「ここは?」と訊いたが、どれも「う〜ん…」…。またこれか。
私はどちらかと言えば冬だから火鍋(それも大好きな無老鍋の火鍋!)が食べたかったが、予約もしてないし、お店がある場所もちょっと離れてたから何も言わずに夫の食べたいものを優先しようと思ったのにこれか。
これをされると本当に腹が立つし、実際食べそびれたり、適当に入った店が外れだったり、なんて事も今まで何回もあったのに学習しない男だ。
正直、もう我慢も限界なのであと一回こういう事があったら台湾には一緒に行かない事にしよう。
だって、食の都台湾で一回の食事も失敗したくないし!
怒りをぐっと堪え(…てないか)、「じゃあ永康街に行く?」と提案したら「そうしよう」という事になった。
大安駅からMRTに乗り、二駅で永康街のある東門駅に到着。
エスカレーターで地上に上がるとさすがの賑やかさだ。
鼎泰豊前にもたくさんの人がいる。
とりあえずどこか探そうと永康街のメインストリートを歩き始めた。が、やはりさすがに遅い時間だったのでレストランやカフェは閉店していたり、今まさに閉店する所だったりした。
永康街に大好きなお店があるが、そこももちろん閉店の時間だった。
永康公園の前辺りに刀削麺のトマト牛肉麺のお店を見つけた。
そこはまだ開いていて店内は満席だったが少し待てば座れそうだったから並んでみた。
しかし、夫は並ばず。その店はお気に召さないらしい。
もうかなり怒りゲージがマックスに近付いていたが、そのまま永康街のメインストリートを師大の方へと進んだ(ちなみにその間も何回も「ここは?」を言った)。
するとある一軒の居酒屋が目に入り、「ここでええやろ」と入った。
永康街の有名な居酒屋「大隱酒食」のすぐ近くにある姉妹店「小隱私厨」だ。
前から気になってた店だったし、ここなら色々あるだろう。
幸運にもすぐに席に通してもらえた。何と珍しくも座敷席だった。
この店の雰囲気は昭和レトロ風なのだ。
そしてまたもや幸運な事にその日は日本人女性の店員さんがいらっしゃって、メニューについて色々教えてもらったり質問したりした。
ちなみにメニューは店の奥、厨房の手前にある黒板に書いてあった。
台湾のメニューは難解なものが多いので本当に助かった。
私と夫は特に好き嫌いもない(臭豆腐以外…)ので、その店員さん(美人!)のおすすめのものを注文した。

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小隱私厨。
この後続々とお客さんが入り、満席に!
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大根の煮物とサービスの小魚とピーナッツの甘辛い味付けのおつまみとサラダ(?)。
どれも美味しいが、特に小魚とピーナッツのおつまみは止まらなくなる美味しさ。
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豚肉の角煮的な料理。
見た目よりかなりあっさりしていて食べやすく美味しい。しっかり煮込んであり柔らかい。

大根の煮物と豚肉の料理と焼き魚(台湾で人気の魚らしい。サバヒーかな?と思ったけど違った)を注文し、ビールも持って来てもらった。
おお!台湾啤酒の18日間限定ビールだ(本当はもちろんこんな名前ではない)!
作られてから18日間しか賞味期限がないフレッシュなビールで、台湾啤酒の中でも一番気に入ってるビールだが、置いてる店が限られている。
海鮮料理屋や熱沙や熱炒と呼ばれる居酒屋的な店に置いてる事が多いので(自分で冷蔵庫からビールを取ってきて飲むような居酒屋)、ぜひお試しいただきたい。
ようやくありつけた、今回の旅初めての台湾啤酒の泡と一緒にさっきまでの怒りと疲れを飲み干した。
最初に大根の煮物を、そしてサービスですと言って小魚とピーナッツのおつまみとごぼうサラダっぽいものを持って来てくれた。
どちらも何だか癖になる味・食感で止まらなくなった。
大根の煮物も色はものすごく濃いのだが、食べてみるとちょうど良い味付けで、日本の味付けとはまた違う台湾風の煮物だ。
そうそう、この店の雰囲気は昭和レトロだが料理は台湾の家庭料理であった。
しばらくすると焼き魚と豚肉の煮物も到着。
どちらも美味しくて、ビールもじゃんじゃん飲みたくなったが、この後のカウントダウンの事を考えて控えめにした。
店員さんに「これからどこか行かれるんですか?」と訊かれたので台北101のカウントダウンに行きますと答えると「すごい人でしょうね〜!」と言われた。
台北在住の日本人はあまり行かないイベントなのかな?

再び東門駅から象山駅にMRTで向かった。
MRTの中はものすごい人口密度で、何とか掴まれる手すりを見つけ、押されまくりながらも、私がよろけて倒れたら人の大迷惑なので踏ん張った。
象山の一つ前の台北101駅でたくさんの人が降りたので、ちょっとホッとする。
しかし近過ぎるよりは、と象山駅付近で観る事にしていたが、あまりに人がたくさん降りたので不安になった。
が、そんな不安も駅に着いたら吹き飛んだ。すごい人だったからだ。
トイレもすごい行列だし(と思って東門駅で済ませておいた)、地上に上がるとこれまたすごい人!
みんなその場に腰を下ろしてカウントダウン花火が始まるのを待っていた。
事前に花火鑑賞に良いポジションがあるとの事を台湾在住の方のブログで読んだので、その住所をスマートフォンで調べ、経路を出した。全く便利な時代である。

少し歩き、その場所に到着した。
私たちも腰を下ろして場所取りだ。
正直、もうくたくただった。
朝四時から動き続けた1日だった。
普段なら地面に直に座ったりしないけど、もう駄目だ。
しかしだ。
みんな座って待っていたその場所に立ったまま乱入してくる地元の方々が何人も現れた。
私たちの近くには小さい子も座って待ってると言うのに、だ。
さもそれが普通だ、そんなの関係ねえ、と言わんばかりに目の前に思いっきり立たれた。
しょうがないから私も立ち、夫もいつの間にか離れた場所に立っていた。
そしてその割り込んで来た一眼レフを三脚に乗せて撮ろうとしてるじじ…いや、おじさんがやたらめったにかがんだり立ったり、この混雑した場所でもぞもぞもぞもぞしてくれちゃうのだ。

わかるよ。せっかくのカウントダウンの花火だもの。
綺麗に撮りたいですよね。
でも、周りの人もみんなそうなんだよ!!!
いい加減にしろ〜!!!!!

…って怒りが爆発しそうに(今回怒ってばかりで本当にすみません)なった時にカウントダウンが始まった。「5、4、3、2、1…」
目の前の台北101から花火が飛び出した!


フルバージョンはこちら
夫撮影の動画です。

毎年ネットで中継してくれるので、自宅でそれを観ていたが、やはり目の前で観ると違う。
ベタな感想だけど、ものすごい迫力だった。
良くない例えだけど、まるで101が爆発してるかのような…とにかくすごかった。
今回だけでも実際に観ることが出来て本当に良かったと思った。

花火が終わり、何事も無かったかのように101が美しくライトアップされていた。

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さぁ、キラキラな信義地区の街を歩いて帰ろう。
そこら中で行われている野外ライブがすごい爆音を響かせている。
この年末に日本では除夜の鐘がうるさいという近隣住民の声で、除夜の鐘を鳴らすのをやめたお寺が増えているという報道を聞いたが、台湾だとこの感じ。
良い悪いじゃなく、新年を賑やかにお祝いしよう!っていう雰囲気なのだ。
あまりの違いに楽しくなって笑ってしまう。
そしてみんなが頭に着けていたビカビカ光るカチューシャを買って、私も頭に着けた。
売り子のお兄さんは150元を100元にまけてくれた。
浮かれながら歩き続けたが、なかなかホテルには着きそうもない。
その後一時間以上歩き続け、ようやくホテルに着き、コンビニに寄った後、部屋に戻りシャワーを浴びて長い長い1日を終えた。