春になると、「毎年この時期は調子が悪くて…」と来院される方が増えます。
特にここ数年は、花粉に加えて黄砂の影響を強く感じています。
今年の3月、4月も、副鼻腔炎をこじらせて受診される方がとても多い印象でした。
黄砂が引き起こす“炎症”
黄砂はとても細かく、鼻の奥深くまで入り込みます。
花粉症がある方はもちろん、もともと弱い部分に炎症が起こりやすく、副鼻腔炎につながることも少なくありません。
診察をしていると、「ただの鼻炎」ではなく、
鼻の奥にしっかり炎症がこもっている方が増えていると感じます。
後鼻漏と腸の不調はつながっている
そして最近、もう一つよく感じるのが、
「鼻だけでなく、お腹の調子まで悪くなっている方」が多いことです。
副鼻腔炎になると、後鼻漏といって鼻水が喉の奥に流れ続けます。
これを無意識に飲み込むことで、腸に負担がかかり、
- お腹の張り
- 便通の乱れ
- なんとなく抜けない不調
といった状態につながっていきます。
西洋医学的には別の臓器の話になりますが、
東洋医学ではこれは一連の流れとして捉えます。
東洋医学では、鼻は「肺」、腸は「脾」と深く関係しています。
黄砂や花粉といった外からの刺激によって肺の働きが乱れると、
その影響が巡りの中で脾(消化機能)にも及びます。
つまり、
鼻の炎症と腸の不調は別々に起きているのではなく、
体のバランスの乱れとして同時に起きているのです。
抗生剤だけではすっきりしない理由
急性の副鼻腔炎には抗生剤が必要なこともあります。
ただ、実際の臨床では、
「抗生剤で一度は良くなったのに、またすぐ悪くなる」
「なんとなくすっきりしない状態が続く」
という方も少なくありません。
これは、炎症の奥にある
- 体にこもった熱
- 排出しきれない“毒”
- 痰や湿の停滞
が残っているためと考えます。
慢性化した状態に「荊芥連翹湯」
こうした方に使うことがあるのが、
「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」です。
この漢方は、炎症や化膿を鎮めながら、
体にこもったものを外に出していく“解毒”の力に優れています。
実際に、
- 長引く副鼻腔炎
- 繰り返す鼻のトラブル
- 後鼻漏が続く方
に使うと、すっと抜けるように改善していくケースも多く経験します。
最後に
春は本来、体も心もゆるみ、のびやかに過ごせる季節です。
ただし同時に、外からの影響を受けやすい時期でもあります。
「季節のものだから仕方ない」と我慢されている方も多いですが、
体の整え方次第で、症状はずいぶん変わります。
鼻の不調と腸の不調が重なっている方、
毎年この時期がつらい方は、ぜひ一度ご相談ください。
体全体のバランスを整えることで、
春をもう少し楽に過ごせるお手伝いができればと思っています。

