文章が読みやすくなるかどうかは、代名詞の使い方に大きく左右される
ことを、ご存知ですか?
「これは」「それは」「彼は」「彼女は」などの代名詞は便利ですが、
使い方を間違えると、読み手が「何を指しているの?」と混乱します。
それは、日常会話でも同じ。
例えば、「ねぇ、それ取って」と言われても、「それって何?」と
聞き返すことがありますよね。
文章でも同じように、指しているものが何か、それがわかりにくいと
意味が伝わりません。
とくに、代名詞が指す対象が文章の中で離れている場合や、複数人や
物が出てくる場合は注意が必要です。
例文を見てみましょう。
「友人のA子さんが、妹を連れて遊びに来てくれました。
彼女は、得意のピアノ演奏を聞かせてくれました。」
「彼女」は聖子さんなのか、妹なのか、読み手にはわかりません。
正しく書くなら、次のようにします。
「友人のA子さんが、妹を連れて遊びに来てくれました。
妹さんは、得意のピアノ演奏を聞かせてくれました。」
こうすることで、指している対象が明確になりますよね。
代名詞の使い方でよくあるミスは、書き手が「自分はわかっている
から読み手もわかるはず」と思い込んでしまうこと。
ですが、読み手は文脈だけで推測するので、曖昧な代名詞は混乱の
元になります。
代名詞を使うときは、「誰(何)を指しているのか」が一目でわかるか、
必ず確認しましょうね!