義母は、お医者様から「3か月の命」と診断されてから、1年8か月生きてくれました。
それだけを考えても、義母の生命力は素晴らしいし、私たち家族も希望を持てたり、覚悟もできたりして、良かったなと思います。

    ☆

この1年8か月の介護生活の中で、私たち夫婦には、すっかり溝ができていました。
できていた、と感じていたのは私だけだったのかもしれませんが、私は夫に対して、信頼感がゼロになっていたんです。

私が必死で義母の看病をしていた間、夫はただの1度も看病に協力してくれませんでした。
例えば、私が「お義母さんの洗濯物を病院に持っていってほしい」とか、「通院の送り迎えをしてほしい」と頼んでも、引き受けてくれません。

私が疲れて家のご飯を作れないことに対しては、怒ったり文句を言ったりすることはなかったけれど、義母の病院に行くことや、自宅介護中も義母に顔を見せてあげることはしませんでした。

義母は息子に会いたいし、顔を見せてあげるべきだと言っても、かたくなに行こうとしません。
問い詰めたら、「受け入れられない」と。
要は、義母のことが大好きなので、弱っていく姿を見るのがつらいということらしいです。

気持ちはわからなくもなかったですが、それでも自分の妻が自分の親の介護をしているのに、協力しないっていうのはどうなの?と私は納得がいきませんでした。

そうこうしている間に義母は亡くなり、その頃には夫婦の会話もほぼなくなり……。
私がこれからのことを話し合おうと思っていた矢先に、次の看病生活が始まることになります。


つづく。


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illustrated by AkihisaSawada