私が私を強くするー朝日遺跡のイベントより | 凶暴なお魚と戦う極真カラテ みけねこ日記

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世界を拳で繋ぐ格闘家ママ・山本ゆきの釣り・空手・育児日記。世界大会第3位、全日本優勝5回、全アジア大会軽量級優勝、オールアメリカン無差別級優勝。現在は治療院と愛知北FMにて木曜日スマイルチャージのナビゲーターをしております。

先週、愛知県陶磁美術館にて朝日遺跡の講演とシンポジウムがありまして、ひょんな事から朝日遺跡サポーターになりましたみけマンマは司会をやらせて頂きました🌟
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こちらは東京大学大学院で考古学を研究されてる設楽教授♬

お話が面白くて、何より物事の視点の発想が素晴らしい!もう、講演は聞き入ってしまいました。

後半のシンポジウムもパネリストの方々の白熱した討論が繰り広げられ、会場も満席。

初めての経験でどうなるかと思いましたが、滞りなく終えてホッとしましたよ。
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私が私を強くする。

世界で戦う時、選手は皆、自分の国の国旗を背負い、国の歴史を背負っています。
以前、ブログで試合は禅みたいなもの、と書いた事がありますが、あれから何年経っても、そこは変わりませんね。

自分は何者か、お前は何者か、という問いをお互いにぶつけているような。時にその瞳の奥に、私には想像もつなかい体験を胸に戦っている選手もいたりして、言葉を交わさなくても、戦ってる目を見て背筋が凍る事もあります。

どちらにせよ、私が私を強くするその根本は、私が何者で、私がどこから来てどこから繋がっているのか。
その歴史をトレースする事が大切なんだと、最近つとに思うんです。

そんなわけで、以前書いた朝日遺跡の事、もう一回載せておきます。

ちなみに次回の朝日遺跡の講演イベントは8月20日(土)。愛知県陶磁美術館にて開催されますヾ(。・ω・。)

講演会・シンポジウム2 「こく創世記」
日時:8月20日(土)、午後1時30分~4時30分
会場:愛知県陶磁美術館 本館 講堂
講演「狗奴国創世と朝日遺跡の終焉」
講師:赤塚次郎氏(NPO法人ニワ里ねっと理事長)

次回もみけマンマが司会進行をやらせて頂く予定です。

赤塚次郎先生はとてもお話が面白くて、ファンもめっちゃ多いそう😆
今回のシンポジウムでも、休憩時間にお客さんにお話を伺ったら、赤塚次郎先生の追っかけをされてる人もいたぐらい!

実はみけマンマも楽しみにしています。

ちなみに会場はこんな感じで満席でした❗️
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押忍🌟

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facebookをやられている方は、ここ数日、みけマンマさんのウォールが朝日遺跡一色になっていると感じていらっしゃるかと思います(笑)

最初知り合いに紹介されてビックリしたんです。愛知県にこんな凄い世界的な遺跡があるのに全然愛知県民が知らないってどうよ、て。あいち朝日遺跡
(清須市・名古屋市西区にまたがる全国的にも最大規模の弥生時代の遺跡。出土品のうち2,028点は国の重要文化財で全国No.1。)
吉野ヶ里遺跡に匹敵する最大規模の弥生時代の遺跡、しかも凄いたくさんの出土品。
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2400年前の人びとが、ここに住んでその生を営んでいた。

もっと多くの人に知ってもらいたい。

みけマンマがそう強く願うのには理由があります。


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みけマンマの生まれ故郷、愛知県北設楽郡東栄町。写真はみけマンマの実家の裏です(笑)
人口は4000人もいないのでは?
長野と静岡との県境。

その昔はきっと海なんて一度も見る事無く、その生を全うされた人も多かったのではないかと思われるこの山奥の山村には、120 遺跡が存在していて、各時代別の累計遺跡数では、縄文時代 53、弥生時代 26、古墳時代 14、古代 31、中世 91、近世 13 の遺跡が残っているんです。

でも、今やそれを調査してる人がいるのかどうかも分かりません。
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みけマンマが保育園児の頃から遊んでいた森には古墳がありまして。

名前を大森古墳と言います。

2つの円墳から出来ているらしいですが、石棺は今でも地中に残っています。

当時うっそうとした森になっていて日の当たらない地面は土がむき出し。靴で古墳周りをドンドンと足踏みして回ると、石棺の所だけ空洞音がし、石棺を探し当てる事が出来ました。

墓自体は盗掘されて何も残って無いと聞いてましたが、2000年前の空洞がそのまま残って、この足の下に石棺があるのだと思うだけで興奮せずにはいられませんでした。

また東栄町は鉱物や化石が沢山採れまして。

みけマンマの父親は理科の教員で、昔はみけマンマ兄弟を連れて近くの山に化石発掘に連れて行ってくれたりしました。

東栄町は化石がかなり発掘される場所らしく、発掘した石を兄貴らと叩いて観察すると、二枚貝やウミユリなんかを見つける事が出来ました。

街の博物館にも展示されてるんですが、山道に水晶が出ていたりもしてました。
多分、父親のお気に入りの道だったんだと思います。

父親と山歩きしてる時に父親が、足元見てごらん、と言ってきました。

今となってはどこかも分からなくなってしまいましたが、父親が指し示した自分の足元を見てみたら、まるで霜柱のように土から水晶が覗いていました。
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何万年、何千年も時を刻んで来た物たち。

町の過疎化と共に、多分すべてがいつか忘れ去られて行く。


そこにあった歴史が閉じられていく。



30年ぶりに娘を連れて石棺探しをしたら、やっぱり30年経っても、石棺はそこにありました。
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森は切り開かれてましたが、石棺は30年なんて月日、鼻くそぐらいの勢いでモロともせず鎮座してました。

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こんな小さな赤ん坊が、40年後にロシアで外国人達と殴り合いして、日の丸を掲げる。
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そんな1人の人生も小さな出来事。

しかし。

確実に言える事は、この古墳も朝日遺跡も、そこに存在した私と同じ人間がいて、果てし無く繰り返されてきた生殖繁殖活動の先端に、この私がいるのです。

私以外の私が、私以外私じゃない、という私を作っている。

私以外の世界が、この私を作っている。

人は1人で自分のアイデンティティを作れるほど強くはありません。

むしろ、他者に触れ、多くの世界に触れて自己はより世界との心地よい距離を保って私を作るんだと思います。

私以外私じゃない。狭い世界になればなるほど、他者を受け入れず、互いの争いは熾烈になるのでしょう。小学生の自殺など、お互いの世界の狭さが仇になったのかもしれません。

歴史に触れ、何千年もの過去の世界を知った時、私たちは初めて脈絡と続く歴史の一員として生きている事を認識し、また共に生きる仲間が今この瞬間、偶然を共にしているのだという奇跡に気づくのです。

よく、色んな人に

なんで古武道なんてやってんの?
なんで空手なんてやってんの?

て聞かれます。

もっと派手できらびやかな習い事はいくらでもあるのに、骨折したり青アザ作って何が楽しいの?
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1つ1つの形、技を習得するのは大変です。昔の人が命を懸けて編み出した技の1つ1つをトレースしながら、私は過去の先人から私という人間を育ててもらっているんです。

いつかは私も灰になり、私という人間も、周りの親しい人たちもこの世界からいなくなる。

そんな思いは2000年前の人たちも同じように感じていたのかもしれません。

古武道を遺して来た先人も、きっと同じように思ったでしょう。

そういった人たちが残していったものを大切にする事は、自分達自身の生き方を丁寧なものにし、次の世代へ真綿に包んで大切にしていたものを渡せるように思うんです。

だから、朝日遺跡も知ってもらいたいと思ったんです。

人知れず、忘れ去られていく大森古墳などの生まれ故郷の遺跡達の事を思うと、みけマンマは居ても立っても居られなかったんです。

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2400年前の人たちと、私達は繋がっている。
どんな思いで彼らはこの土地の未来を思い描いたんでしょうか?

私以外の私が作る私。

私達は時空を超えた世界のピースから出来ている。

そう思って、また1日1日、頑張って生きて行きます。


押忍