「患者さんの状態ですが、今のところ 我々は 週単位と考えています。」
ホスピスに転院してすぐの頃 父の容態について医師にこう言われました。
『週単位』・・・先生の話の内容から『週単位』とは この一週間は死ぬことはないと思うけれど 来週になったらどうなるかわからない と そういうことだと解釈しました。
そして その一週間を何とか無事に過ごした父。
新しい週になると 「これからは一日単位となります。」 と言われました。
つまり これからは 「今日は大丈夫だけれど 明日は死ぬかもしれない。」 という日が続くということでしょう。
父との永遠の別れがいよいよ目の前まで来ていました・・・。
私は何年もの間 癌と戦ってきた父の姿を間近で見ていて覚悟は出来ていたので 父の死を冷静に受け止められると自分では思っていました。
でも、父との永遠の別れが現実として目の前まで迫ってきたと気づいたこの瞬間 思いもかけず泣けてきてしまったのです。
そして、泣き出した私の背中を先生が優しくさすってくださって(あ 女医さんですよ 笑) その先生の手の優しさに また 泣けてきちゃって・・・もう、号泣ですよ。
しばらくして 落ち着いた私が 「私までご迷惑をかけて申し訳ありませんでした。」と 謝ったら
「いいんですよ。 患者さんだけではなく そのご家族の心のケアも私たちの仕事ですから。」 と!
何と! 患者本人だけでなく家族の心のケアまでも考えてくれるんですって!
本当にありがたかったです。