ギランバレー症候群 14 | 「これでもか!」に「負けるもんか!!」

「これでもか!」に「負けるもんか!!」

これでもか!これでもか!と私の身の回りに起こる出来事。大変なことや辛いことばっかりだけど、おかげで色々な経験をしました。せっかくなので記録に残しておきます。

10日間、息子はピクリとも動かなかった。




本当に信じられないくらい動かなかった。




私は毎日、じ~~~~~っと息子の顔を見続けていたけれど、動くのは呼吸器音に合わせて胸が上下するだけで、顔は口元も頬も眉毛も瞼もまつ毛も何一つ動く気配すらなかった。




それが、動かなくなって10日目、いつものように息子の顔をじ~~~~っと見つめていると、微かに、微かに頭が動いたような気がした。





「コタロウ!」





また、微かに頭が左右に動いた!・・・・気がした。




「今、頭が動いたような気がするんだけど! 」




「えっ!?」





私が近くに居た看護師さんに向かって叫ぶと看護師さんが慌てて来て息子の顔を覗き込む。





「ねこ山君!? ねこ山君!?・・・・あ、動いてる!」





「動いてるよね!? これ動いてるんだよね!? コタロウ!?」





今度は前よりもはっきりと動いてるのがわかる。





息子はイヤイヤをするように首から上を左右に動かしている!





「ちょっ、ちょっと待ってね! ねこ山君! 動くの止めて。」





息子の動きが止まった。





「じゃ、お母さんが呼んだら頭を動かしてね!」





看護師さんはそういうと私の方を見て、自分(看護師さん)が先に呼びかけると手で合図した。





「ねこ山君! ねこ山君!」




息子の頭は動かない。





看護師さんが私に合図を送る。





「コタロウ!」




息子が頭を左右に振る。





「わかってる!! わかってて自分で動かしてる!!」





私と看護師さんは抱き合わんばかりに興奮し、その頃には息子のベッドの周りには何人もの看護師さんやヘルパーさん(多分、ICUにいたスタッフ全員だったと思う)が集まって来ていて、皆、笑顔で・・・喜んでくれていたんだと思う・・・ごめんなさい、周りにたくさん集まってくださったのだけ覚えてます(汗)。





気がつくと担当医が来てくださっていて、いつものように瞼を持ち上げペンライトを左右に振り、「ねこ山君!」と呼びかけると、また、息子は頭を左右に動かした。





まだ、瞳孔の反応はないけど・・・うん、もう、大丈夫だね。戻って来たね。」





「ありがとうございます!!」





よかった! 息子が戻って来た! 息子は生きてる!





息子が「どうだ!」と言わんばかりに頭を振る。





「おー! さっきより動くね! 若いから回復が早いな!」





先生も嬉しそうに言ってくださり、息子は更に頭を振り続ける。





「コタロウ! わかったから! そんなに頭を振ると首がヘンになっちゃうよ~!」





やっと、息子の首振りが止まった。





その後、私の「わかる?」「暑い?」「どこか痛い?」という質問に頭を振って反応はするものの、まだ縦に振ることが出来ないため、全部、横に振り、YESなのかNOなのか・・・・まぁ、いいよ、いいよ、これからだよ!