『信長公記』に見る明智光秀  その4 | 始めのはじめは一(ハジメ)なり

始めのはじめは一(ハジメ)なり

先祖・家系調査の具体的な方法をご紹介します。
大好きな新選組隊士・斎藤一を調べていたら
自分の先祖に関係があった!
そして知った先祖とは、なんと明智光秀だった!
そこから広がる史実と閨閥の世界。

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『信長公記』における光秀の登場。

「志賀の陣」の次は巻五「叡山御退治の事」。

有名な、比叡山焼き討ちの段です。

といってもこの段に光秀の詳しい記述はなく、

焼き討ち後、光秀に志賀郡が与えられ坂本に城を


築いたと、短く書かれているだけです。








元亀二年(1571)

「九月十二日、叡山を取詰め、根本中堂・


三王廿一社を初め奉り、霊仏・霊社、僧坊・経巻


一宇も残さず、一時に雲霞のごとく焼き払ひ、


灰燼の地と為社(ナルコソ)哀れなれ。








(中略)








数千の屍算を乱し、哀れなる仕合なり。

年来の御胸朦を散ぜられ訖(をはんぬ)。

去(さ)て志賀郡明智十兵衛に下され、坂本に


在地候なり。」










比叡山焼き討ちは信長の悪行として広められ、

ドラマや小説といったフィクションの世界では、


焼き討ちしようとする信長を光秀が諫め、


このことが本能寺の変の遠因の一つとなったと

いうように描かれたりしています。

実際には、光秀は焼き討ちに関して反対する


どころか、焼き討ちの為の準備を周到に整えて


いたことが近年発見された「和田家文書」


記されています。

焼き討ちでの働きとそれまでの功績とが評価され、

光秀に比叡山のふもとの地である坂本が


与えられたと考えられます。








比叡山焼き討ちの経緯は、前年の野田城・福島城の


戦いに遡ります。

元亀元年(1570)、三好三人衆らの軍勢は、大坂の


野田城・福島城を陣として織田軍と対峙して


いました。

織田軍が野田城・福島城をもう少しで落城させる


ことができそうだった時、越前の朝倉義景と


北近江の浅井長政の連合軍が、京へ向かう行動を


起こし、その途上の坂本方面に攻め寄せて


きました。

信長はただちに大坂の陣を引き払って坂本に到着、


浅井・朝倉連合軍は比叡の山上に


逃げ上がりました。

織田軍はふもとにいくつもの陣を布き、浅井・朝倉と


にらみ合い、戦いは膠着状態となりました。


この時信長は比叡山延暦寺に対し浅井・朝倉に


加担しないよう要請しました。






「信長に味方するのであれば、信長領国内の


延暦寺領を元通り返還する。

しかし、出家の道理としてどちらか一方にのみ


味方することはできないというのであれば、せめて


浅井・朝倉に加担しないでほしい。


織田側の作戦行動を妨害しないように。

もしもこの二条に違背するならば、一山ことごとく


焼き払うであろう。」と予告しておいたのです。






しかし延暦寺側はその二条に背き、浅井・朝倉に


加担しました。


常日頃、比叡山の僧衆は出家の道をはずれ、


色欲や金銀の欲に溺れ、生臭ものを食し、


勝手気ままなふるまいをしていました。

信長はそのことに怒りを抱いていたようです。

イエズス会士と信長との会話の中で、信長が


伴天連宣教師たちの信仰心と態度を褒め、日本の


僧侶らとは大違いだと言ったという内容の


記録があります。


そうしてついに信長は比叡山を焼き払い、


日ごろの鬱憤を晴らしたと牛一は記しています。






仮にも比叡山は皇都の護りであり、代々宮廷や


京の町の人々から恐れられながらも大事にされて


いたので、やはり信長の行為は乱暴に過ぎたという


評価があり、もう一方では、政教分離を目指した

近代的な理念を見ることができるという


評価もあります。

一概に評価を下すことは難しいようです。








光秀は焼き払われ廃墟となった坂本の地を


復興することに力を注ぎました。

最初に復興させた寺院は西教寺で、光秀はこの


寺院を明智家の菩提寺としました。

現在、西教寺には「明智光秀公顕彰会」
が作られ、

毎年命日の6月14日に法要が執り行われています。




光秀は坂本の地に在城・坂本城を築き、織田軍の


中で最初の城持ち大名となりました。

坂本城は琵琶湖に面した水城だったといわれ、


遺構は水底に沈み、発掘調査によってもほとんど


何も出土せず、謎の城、幻の城と呼ばれています。




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