坂本龍馬は光秀の子孫ではありません | 始めのはじめは一(ハジメ)なり

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先祖・家系調査の具体的な方法をご紹介します。
大好きな新選組隊士・斎藤一を調べていたら
自分の先祖に関係があった!
そして知った先祖とは、なんと明智光秀だった!
そこから広がる史実と閨閥の世界。

坂本龍馬が明智光秀の子孫だという話が

まことしやかに飛びかっています。
ネットやテレビの歴史バラエティなどでは、さも

真実のように語られていますが、天海=光秀説と

同じくこれもただの噂話にすぎません。





坂本龍馬子孫説の根拠とされるのは、「坂本」という

姓が光秀の領地であった近江坂本と

同じであること。
坂本家の家紋が「組み合わせ角に桔梗」であり、
光秀の桔梗紋が入っていること。
龍馬が長崎で作った会社の名が「亀山社中」で、
光秀の城のあった亀山と同じ名であること
等があり、これらに加え、伝承というものも

あるそうです。






高知県南国市亀岩というところに坂本氏が居住して

いたとされる館跡があり、そこの墓石に、
「(坂本家の初代は)天正十年近江坂本城落城後

土佐ニ来リ長宗我部元親ニ任ヘル父は近江

坂本城々主明智左馬之助光春ト伝ハル」
と刻まれているそうです。




この伝承の他に別の話があります。

亀岩近くの才谷村に住んでいた郷士坂本家の初代

(太郎五郎という人)は、もともと大浜姓を名乗って

いたが、4代目大浜八兵衛守之のときに才谷村から

高知城下へ出て「才谷屋」の屋号で質屋を営み、

豪商に成長した。
そして、6代目の八兵衛直益が亀岩の坂本という

家から郷士株を買い、家業を次男に継がせた。
その長男直海が分家して郷士となった。
この坂本直海の曾孫が龍馬である。



才谷屋の主人、大浜八兵衛直益の明和4年

(1767)の墓石には、

「山城国産也 蓋(けだし)弘治永禄

(戦国時代前期)之比(ころ) 避難内乱而来住」
と、先祖の履歴が書かれているそうです。


大浜という姓は近江の地名にちなんでつけたという

伝承もあるそうです。





これらを整理すると…



亀岩の城館に住んでいた坂本氏の先祖は

明智左馬助光春だとの伝承がある。


亀岩近くの才谷村に住んでいた大浜氏が才谷屋

という屋号で商売をして成功。
そこで坂本氏から郷士株を買い、大浜→坂本と

改名して郷士になった。


才谷屋(大浜氏)の先祖は山城の国から戦乱を

避けて、近江を経て土佐へと流れてきた

避難民である。


…ということになります。





つまり、龍馬の先祖の才谷氏は坂本氏から郷士株を

買って坂本と名乗るようになっただけであり、龍馬の

先祖は坂本氏ではないのです。
龍馬と光秀とは赤の他人同士なのです。





しかももともとの郷士だった坂本氏というのも、
明智の末裔だとはいいきれません。
むしろかなりあやしいです。



「(坂本家の初代は)天正十年近江坂本城落城後

土佐ニ来リ長宗我部元親ニ任ヘル父は近江

坂本城々主明智左馬之助光春ト伝ハル」



この亀岩坂本氏の墓石に刻まれた碑文に出てくる

明智左馬助光春というのは明智秀満のことを

いっているようですが、「光春」というのは

『明智軍記』をはじめとする俗書や、
俗書といわないまでも信頼度の落ちる資料の

中にだけ登場する名前です。



秀満の元の名は三宅弥平次。
光秀の女婿となってからは明智秀満と名乗りました。
秀満が光秀の後を継ぎ城代を勤めた

丹波福知山には、秀満直筆の明智弥平次秀満と

署名された文書が残っています。





長い年月の間に名前の字が誤って伝わってしまった

ということなら、家系図を作成する際などに

書き間違ったりした可能性もある、よくある話です。
しかし坂本氏の場合の、後世の俗書にしか

出てこない名前がわざわざ伝わっているというのは

おかしな話です。



才谷氏が山城から近江を通って土佐へやって来た

というのは本当のことかもしれません。
もともとの郷士坂本氏の先祖も近江坂本から

やってきたのかもしれません。
龍馬が会社を亀山社中と名づけたのは明智家を

意識してのことなのかもしれませんが、

だからといって明智家末裔であるとの証拠には

なりえません。




明智家の家臣だった人が坂本から土佐へ

やって来て、それがいつの間にか子孫だという話に

なっていったというのが真相なのでは

ないでしょうか。
家臣が主君から家紋や場合によっては姓を

下賜されるというのはめずらしいことでは

ありません。
ゆかりの品や家紋が伝わっているといっても、

それだけでは子孫であるという証しにはなりません。



坂本龍馬は光秀や秀満の末裔ではありません。
明智秀満の子どもだと確実にわかっているのは、

三宅藤兵衛ただ一人です。






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