ある脳外科医は手術が決まった患者の病状を徹底的に調べあげ、手術前日には明日起こりうる、あらゆるケースを「想像」して、頭の中に様々な手術のパターンを叩き込むのだそうです。
その医者は言います。「手術の前に、すでに手術は成功している」と。
ボールをゴールネットに蹴り込む姿を思い浮かべるだけで、実際にゴールを決めた時と同じように脳は活性化されるそうです。
特定の「イメージ」を繰り返し思い浮かべる事で「不安や恐怖」は軽減され、また実際に運動している時と同じように、脳と筋肉を結ぶ「運動神経路」も強化される事がわかっています。
脳は「想像上の経験」でも、「実際に起こった経験」でも、ほぼ同じ領域を使って情報処理を行っているようです。
ゆえに「現実」と「イメージ」とをはっきりと区別出来ないとも言われ、その為「想像の世界」を少しぼやかすように脳は仕組まれています。
この仕組みが壊れてしまうと、現実と想像との境目がなくなってしまい大変な事になってしまいます。
武道やスポーツの世界でも、自分の動きを理想に近づけるための「イメージトレーニング」は、日々欠かせないものとなっていて、それをするかしないかでは試合の結果も全く違ってきます。
そして一流のプレーヤーになればなるほど「イメージトレーニング」に多くの時間を割いているようです。
「イメージトレーニング」で大切なのは出来る限り「リアルな映像」を思い浮かべることです。
それには「集中力」や「想像力」が必要です。
思い浮かべる映像には「自分目線の映像」と「他人目線の映像」とがあります。
技を繰り出す瞬間をフォーカスして観たり、テレビを観るように全体像を写したり、あるいは角度を変えたりといった風に様々な目線を脳に焼き付けます。
そして試合前などには「試合会場」や「観客や審判」など、その「場」の臨場感までをも思い描く事で、頭の中だけでも「場」に慣れさせることが肝心てす。
いわゆる「シャドートレーニング」も「イメージトレーニング」のひとつですね。
頭の中で思い描いた「動き」で実際に動いてみて、自分に合う動きを「基本」として、理想の動きに一歩づつ近づけていきます。
最初は「自分の動き」のみ、次は相手の動きを想像して、より「リアルな動き」を心掛けます。
よく、動きに「癖(くせ)」のある人がいます。
癖がなかなか直らないのは、この「動きのイメージ」が出来ていないからであり、動きにもムラがあり、身体も緊張している場合が多いので、リラックスした状態で無駄のない「自然な動き」を繰り返し「イメージ」する事が必要です。
「イメージ」して動いて修正、「イメージ」して動いて修正の繰り返しですね。
「イメージトレーニング」は短時間でもかまわないので、毎日行うよう習慣づけて「モチベーションのアップ」や「パフォーマンスの向上」を目指しましょう!
イチロー選手は歯を磨きながら、「イメージトレーニング」を日課にしていたそうです。
空手の稽古の始まりと終わりに行う「黙想(もくそう)」は短時間の「イメージトレーニング」にはもってこいですよ。
《花咲く空手教室》
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