
【体温】
戦時中「兵士が水を飲まずにどれくらい砂漠を歩けるか?」を研究した人がいて、摂氏28度の暑さでは72㎞、38度だと24㎞、49度の猛暑でも人は11㎞も歩けることがわかったそうです。
別のある実験では被験者がランニングマシンで走る間、室温をマイナス45度から摂氏55度まで徐々に上げていきながら体温も同時に計ったところ、1度ほどしか変化しなかったそうです(尿の温度も変わらず)。
私達の体温が一定なのは脳にある「体温調節中枢」が状況に合わせて、体温を上げたり下げたり、絶えず自動調整しているからです。
暑い時は汗をかいて「体温を下げろ」と指示を出し、寒い時は身震いしたり、血の流れを変えたりしながら「体温を上げろ!」と指示を出しているのです。
体温が1度上がるだけで体内に侵入したウイルスの増殖が200分の1になるそうです。
ちなみに体温を1度上げるのにエネルギーが20%必要だと言われています。
象の心拍数は1分間に、たったの30回、人間は60回、牛は50から80回、ネズミはなんと600回です!(1秒間に10回)。
小さければ小さいほど身体の保温の為に、素早く「熱」を作り出さなければならず、生き延びる為にネズミは体重の50%の食糧を毎日取らなくてはいけないのです。(いつもゴミ置き場にいるネズミの気持ちがよくわかる)
一方、変温動物(外気温で体温調節する)のナマケモノは1日に8グラムの葉っぱで、こと足りるようです。
私達恒温動物(こうおんどうぶつ)は、爬虫類などの変温動物の約30倍のエネルギーを使うので、せっせと食べなければならないのですね!
ただそのおかげで日なたぼっこしなくても生きていけるし、寒い時でも動きまわれるし、常にトカゲよりも機敏な訳です。
人の体温は36度あたりから38度あたりのごく狭い範囲にとどまっています(朝に低く夕方に高くなります)が、平熱よりたった2度下がるか4度上がるかしただけで、脳はたちまち危機に陥り、死の危険が迫ります。
夏場の高温多湿の環境で水分をまったく取らずに熱を身体からいっさい捨てることが出来なければ、ものの30分で体温は40度以上に上昇すると言われています(熱中症)。
また、気温が15度ぐらいあっても、まったく動かずにじっとしてれば数時間で「低体温症」になる可能性もありるのです。
体温はデリケートなのです。
活動する為には、せっせと食べなければならない私達ですが、余った「熱」は捨てなければ今度は死んでしまいます。
私達人間は体毛を薄くしたおかげで汗腺が発達し、どの哺乳類よりも「汗」をかけるのが暑さにおける最大の利点です。
他の四足動物はおもに「呼吸」で体温調節をしなければならず、犬が濡れた舌を出し「ハァハァ」といつも口を開けてあえいでいのはその為です。
(常に息を整えなくてはいけないので、ほとんどの大型動物は15㎞以上走れないそうです)
私達は「汗」や「呼吸」や、あるいは「皮膚からの水分蒸発」によって熱を捨てていますが、この呼吸や皮膚からの目に見えない水蒸気のことを「無感蒸泄(むかんじょうせつ)」と言い、1日で約900mlの量になるそうです。
1日に身体から出る水分量は、無感蒸泄を合わせて約2.5リットルだと言われています(水分補給は大切です!)。
体重が60㎏の人は、およそ36Lの水分が含まれており(私達の60%は水です)、そのうちの1~2L失っただけで頭痛や倦怠感を覚えます。
暑い中で激しい運動をした時は1~2Lの水分が1時間の速さで失われてゆくのです。(血液の90%、脳の80%、皮膚や筋肉の70%、脂肪の20%、汗の99.5%は水です)
汗は暑さに関係なく出る時もあります。
ストレスなどを感じた時に出る「冷や汗」がそうです。
冷や汗の役目は体温調節ではなく、上がった血圧を下げる為ではないかと言われています。たかが汗、されど汗ですね!
汗が最も多く出る部位は額です(熱に弱い脳の温度を保つ為)。 同じ理由で大事な器官か集まってる胸や背中の体幹部も汗が多いのです。
熱を一番多く作るのは筋肉なので、筋肉量が減ると体温も下がります。
そしてそれをカバーする為に身体に脂肪がつくのです。
皆さん筋トレしましょう!

均整のとれた見事な身体ですね!
今週もありがとうございました。 押忍 織田