【急所】
お腹の左上、胃のうしろあたりにある「脾臓(ひぞう)」は本来マイナーな臓器ですが、私達の空手には「脾臓打ち」と呼ばれる手技があるので、大変馴染み深い臓器のひとつです。
「裏拳あばら打ち」や「手刀肝臓打ち」ではなく、あくまでも「裏拳脾臓打ち」「手刀脾臓打ち」なのです。
脾臓は握り拳大のスポンジのような臓器なので、先人はきっとそのあたりに目をつけたのでしょうね。
この名からは、まさに空手の「一撃必倒」を感ぜずにはおれません。

内臓は中が空洞になった「管腔臓器」と中身が詰まった「実質臓器」に分けられます。
「管腔臓器」には胃、大腸、子宮、膀胱などがあり、「実質臓器」には肝臓、腎臓、脾臓、すい臓などがあります。

胃や腸などの「管腔臓器」は、へこんだり膨らんだり大きさを変えられるので、外部からの力には傷つきにくいのですが、肝臓などの「実質臓器」は簡単に形を変えることが出来ないので、すぐに傷ついてしまうのです。

銃やナイフなどによる外傷は「鋭的外傷」と言い、転倒などで打ちつける外傷を「鈍的外傷」と言います。
ピンポイントで臓器が傷つく「鋭的外傷」に比べ、広範囲に損傷が起きやすい「鈍的外傷」の方が重症化しやすいと言われています。
日本では「鈍的外傷」が88%を占め、刃物などによる「鋭的外傷」は3%ほどだそうです。

腹部の外傷で最も損傷する頻度が高いのは「肝臓」で、次に「脾臓」そして「腎臓」と続きます。
お腹の奥にある「すい臓」は損傷は少ないですが、もし傷がつけば強力な「すい液」が漏れ出て他の臓器も一緒に傷つけてしまいます。
肝臓は男性で約1.5キロ、女性で約1.3キロあり非常に大きな実質臓器なので傷つきやすいのです。
格闘技ではレバーブローが有名ですね。

ツボは「経穴(けいけつ)」と呼ばれており、人間の身体には約700ほどあると言われています。
ツボの大きさは平均8ミリで、そこは「急所」でもあるし、また、病気から身体を回復させる場所でもあります。
基本的に「ツボ」は筋肉の隙間や関節のくぼんだ所、脈のふれる場所に多く位置しており、そこは身体のエネルギーの出入り口で、身体の異常が現れる場所だとも言われています。

「ツボ」と「急所」はその多くは一致していますが、そうでない場所もあり、一致している多くは正中線(せいちゅうせん)や腕、脚の側面や内側に集まっています。

「急所」は打撃で効く場所と圧力をかけて効く場所があり、もしそれを普通の刺激で押せば「ツボ」となるのです。

「急所」は皮膚が薄く、血流の多い顔や首、骨に守られてないお腹や背中の部分、筋肉の薄い脚や腕の部分や代表的な金的などがあります。

空手の試合などで使えて効く場所は、鎖骨、肩、胸骨、水月(みぞおち)、脇腹、肝臓、胃、太ももの前面、ひざの少し上の外側、内側、ふくらはぎ、くるぶしなどです。

このように人間の身体は頭のてっぺんからつま先まで「急所」だらけなのです。
それは私達の身体が「柔構造」で出来ているからです。

身体にある265個の関節や600をこえる筋肉、靭帯、腱などによって私達は跳んだり、転がったり、走ったりできます。柔かく動くことが出来る訳です。
特に複雑な動きを要求される手指には、なんと27個もの骨がかみ合っているそうです!

ちなみに大人の骨の数は200ほどで、赤ちゃんの頃は300以上あるそうです。
成長するにつれて骨同士がくっつき次第に数が減っていくのだそうです。
どおりで赤ちゃんの身体は柔らかいわけですね。













金曜クラスは今週が稽古納めでした。一年間ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします!
よいお年をお過ごし下さい。
    押忍  織田