【水分と尿】
何億年も前の私達の祖先は「魚」ですが、ずっと後に陸に上がった時に一番苦労したのは「水」だったのではないでしょうか?
私達脊椎動物の身体は、たくさんの「たんぱく質(水分を除いた体の重量の約半分)」で出来ており、古くなった「たんぱく質」は分解されて体の外に捨てられます。
たんぱく質が分解される過程で出来るのが「アンモニア」で、私達はその有害な物質を体の外に捨てなければなりません。
魚はまわりの大量の水を使って、アンモニアを捨てられるのですが、海から陸に上がった私達の祖先は水の少ない環境の中、アンモニアをなかなか捨てられずに苦労したようです。
そしてやがて、毒の強いアンモニアを毒の弱い「尿素」に作り替えるように進化していったそうです。
尿素になって毒が弱まったことで、ある程度身体の中に溜めておけるようになったのですね。
そしてそれを「尿」として体の外に捨てているのです。
たくさんの水を使って尿として捨てた身体の「水分」は当然補給しなければなりません。が、陸に住んでいる動物にとっては「水」を手に入れるのは大変なことです。

尿の成分の90%以上は水分で、一日に排出する尿の量は1リットルから1.5リットルにもなるそうです。
成人は一日に約2.5リットルの水分が必要だそうですが、約70%の人が必要な水分量を摂取できていないと言われています。
飲み水で2.5リットルもの水分をとるのは大変ですが、大人は一日に約1リットルの水分を食品から摂取していて、その他に体内で作られる水分も約0.3リットルあるそうです。
引き算をすると、私達は毎日約1.2リットル程度の水分を飲料水で確保すればいいようです。
ちなみに身体が一度に吸収できる水の量は200から300mlと言われていて、大量に飲んでもすぐに尿として排出されるそうなので、水分はちびりちびりと摂った方がよさそうですね。

同じ脊椎動物でも「鳥」や「トカゲ」などの鳥類や爬虫類は、私達哺乳類のように大量の水を使って「尿」を排出しません。
それは「尿素」を更に毒性の弱い「尿酸」に変える能力を進化させたからです。毒が弱くなった分、捨てる水の量もぐんと減った訳ですね。
鳥のうんちに白い部分がありますが、それが「尿酸」なのだそうです。
鳥類や爬虫類は我々哺乳類よりも、より陸上生活に適応しているのですね。












今週もありがとうございました! 押忍 織田