新型コロナウィルスの感染拡大で人の移動が抑えられ
航空、運輸業界は直撃を受けてJR各社の経営も圧迫されています
なかでも経営再建中のJR北海道とJR四国の経営は目を覆うばかりに悪化してる
2021年3月18日の新聞記事によると
JR北海道の2020年4月-12月期連結決算は
純損失が前年同期の55億円から311億円に膨らみ
JR四国は本業の儲けを示す営業ベースの赤字が67億円から197億円に拡大
コロナ禍で鉄道利用が激減、ホテルなど関連事業も低迷してる
政府は今年3月までの支援を延長し
JR北海道に3年で1300億円強、JR四国には5年で1000億円強の追加措置を決定
今国会で関連法を改正し助成金や利子補給などを実施するという
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まだコロナ禍が始まる前の2019年10月に愛媛新聞に掲載された記事
国鉄民営化から30余年が過ぎ、
大都市圏の稼げる路線を保有する本州各社と過疎地のローカル線の負担が重い北海道と四国の2社
2社の株は現在も国が保有してますが、運営は独立し、採算を確保する責務があります
JR四国が2017年3月に公表した中期経営計画では、
2017年度から2020年度までの4年間で経営を立て直し
「助成金・無利子貸付の延長が無くても継続できる会社になります」と宣言してたのにもかかわらず、
6億円の赤字を試算した2020年度事業計画に対して国土交通大臣が経営改善命令を出しました
平均通過人員(輸送密度)は、特定の区間の1年間の、1日の1kmあたりの乗車人数で、
この数字が大きいほど利用されている路線で公共性が高いという事になります
また、発足時からの環境変化は金利だけではなく、高速道路の整備が大きく影響しています
瀬戸大橋の本四備讃線開通はJR四国にとっては追い風でしたが、高速バスやトラックの隆盛を招きました
2000年に四国縦貫自動車道が全通し、四国横断自動車道も延伸中
既に高松・徳島・高知・松山の県庁所在地は高速道路で結ばれ、瀬戸大橋で岡山にも通じてる
そして人口の減少
1987年の四国4県の人口は423万人
それが、2017年では379万人と1割以上も減少しており
2030年には349万人まで減ると予測されています
そこでJR四国は沿線人口に頼らない集客戦略に打って出ました
JR九州で成功した観光列車を開発し、
2014年の「伊予灘ものがたり」、2017年の「四国まんなか千年ものがたり」、2020年の「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」
このほかに予土線では「しまんトロッコ」「海洋堂ホビートレイン」「鉄道ホビートレイン」を運行しており、どれもが好評です
これらの観光列車はJR四国の中でも閑散区間を運行しており、観光列車に乗りに行く為にJR四国の他の路線も利用する
つまり、観光列車は閑散区間のテコ入れとJR四国全体の乗客増も狙っています
しかしコロナ禍でホテルなど関連事業も低迷し
前述のように営業ベースの赤字が67億から197億円まで膨らんでしまいました
このままでは、
予土線、愛ある伊予灘線(予讃線海周り)、牟岐線先端部と
路線を減らしていかざるを得ない状況になってしまいます
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前回の「DMV導入直前の阿佐海岸鉄道」から続きます
まもなく、
阿佐海岸鉄道ではDMVでの世界初本格営業運行が開始されますが
運行ルート、運賃、時刻表が公表されてたので紹介させて頂きます
令和2年12月25日の第7回「阿佐東線DMV導入協議会」で導入事業スケジュールの変更が決定したそうな
試験項目の充実や工事等における所要期間の増加で工期が延長されることに伴い
運休期間が4か月程伸びる見込みで 事業費も現行の約13.9億円から16.3億円に膨らみました
まず、運行ルートですが、
阿波海南文化村…阿波海南駅~甲浦駅…海の駅東洋町…リビエラ宍喰(道の駅宍喰温泉)が基本です
(~が阿佐東線 鉄道区間、…がバス区間)
土休日に一部便が室戸(海の駅とろむ)まで足を伸ばします
国道55号線沿いにある、道の駅宍喰温泉が拠点となるようです
公表された時刻表では、基本区間を平日10往復します
土休日は13.5往復で、室戸便は1往復です
観光利用に特化した枠組みで、最終便の時刻は現在よりも2時間ほど繰り上がってます
バスモードで一般道も走る事によって運行距離が延びる為
車両の往復時間が増えて現行ダイヤ(1日16便)の運行頻度は維持できず減便となってます
運転士は平日2名、休日3名の体制です
運賃は100円単位とされ、km単価は鉄道区間が45円、バスモード区間が40円(100円未満の運賃は切り上げ)
初乗り運賃は200円で鉄道区間・バスモード区間ともに値上げされました
海部~甲浦間の場合、現行運賃280円に対し、DMV導入後の運賃は400円
甲浦~室戸岬間は現行の路線バスが1,310円に対し、DMVは1,800円
現在の地域住民の利用者には負担が大きいため、回数券などの割引が検討されているとのこと
また、未確定ですが、「All SHIKOKU Rail Pass」など、他社との共通フリーきっぷについても取り組むとしています
運行コスト削減を狙ったDMVのはずが、運賃値上げなんて矛盾してる?
鉄道区間はDMVの観光要素を見込んだ施策で
バス区間は既存の路線バスへの配慮とDMVの観光的な要素を含んだ結果の設定みたい
※時刻表は現在のJR時刻にあわせてる様なので、
JR牟岐線のダイヤ改正があれば変更される可能性があります
【平日ダイヤ】
【休日ダイヤ】
さて、需要予測はどうなってるのだろう?
徳島県は、開業後5年間の平均利用者数として7万5000人を見込んでるそうな
2019年度の阿佐東線の利用者数が約5万3000人ですから、約4割増えると試算
阿佐東線は、近年は定期利用者がきわめて少なく、年間1,440人程度
DMV導入後も定期客の増加は見込んでおらず、
既存の定期外客に加えてDMV目的の利用者を年8,500人見込むなど、新規需要の掘り起こしを狙います
「DMV目的」をはじめとする「新規需要」により鉄道で約1100万円、
バスで約560万円の増収を見込み、8年間の平均収支はこれまでと比べて年間約1400万円改善する
ただ、依然として年間約5400万円の赤字を見込んでおり
営業黒字を見込んでDMV事業を開始するわけではありません
一方で、「世界初」のDMV導入により、阿佐東地域へ年間2億1400万円の経済波及効果を見込んでいます
これまでにも新聞や鉄道系雑誌に阿佐東線DMVが掲載されたことから、全国の鉄道ファンが「甲浦駅の工事状況」の見学や、引退する現行車両の乗車に訪れるなどの実績があり、徳島県では、既にDMV導入効果が現れているとしています
ふんふん
そう云えば、我々も海陽町で海賊焼きに1万円近く落としてきたがねw
これもDMV導入による波及効果の一端かも知れんな~!(^^)!
甲浦駅の工事状況に関心を持つ人々もいるって!
私たちの他にも、もの好きな人間がようけ居るんじゃのぉ〜
こりゃひょっとしたら観光資源としてのDMV当たるかも知れんがね
また、徳島県では今後、観光ツアーの企画・売り込みや、性能試験の見学会などのイベントを実施し、
運行開始に向けた機運を醸成するとのこと
阿波海南駅、甲浦駅において、DMVならではの「モードチェンジ」の見学、撮影ができるスポットの整備も予定してるらしい
宍喰駅ホームから見える田畑に、花などを用いて景観を演出するなどして観光資源としての魅力を高める一方で、
シェアサイクルの導入も検討するなど観光客の利便性の向上も図るそうなので皆さんも期待しといてや~
徳島県としては、
DMVの営業運行を「世界初」「世界唯一」とPRし、観光資源として最大限活用していく意気込みです
地域の交通手段というより公道を使った公営乗りものアトラクションとして、阿佐東線とDMVを位置づけている
総事業費約14億円の地域振興事業の行方から目が離せんがね
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さて、さて
そろそろ出発しますか
えっ!まだ甲浦駅にいたのかってΣ( ºΔº 〣)
甲浦駅を出発 0分46秒
甲浦駅は街外れの辺鄙な場所にありますね~
「高知県後免ヨリ安芸、徳島県日和佐ヲ経テ古庄附近ニ至ル鉄道」
国鉄阿佐線は改正鉄道敷設法(1922年)に掲げる予定線に指定されました
徳島県側は国鉄牟岐線として建設され、
1936年3月27日に羽ノ浦(古庄の一つ手前)~桑野間、1937年6月27日に桑野~阿波福井間、1939年12月14日に阿波福井~日和佐間、1942年7月1日に日和佐~牟岐間が順次開業
阿佐線や宿毛線が予定線として記載された四国地図
1965年3月8日に阿佐西線安芸~田野間と阿佐東線牟岐~阿波海南間が工事実施計画の認可を受けて同年3月26日に着工
続いて1971年7月19日には阿佐西線田野~奈半利~室戸間と阿佐東線阿波海南~海部~甲浦~野根間が工事実施計画認可を受け、このうち阿波海南~海部~甲浦~野根間が同年10月1日に着工し、1973年10月1日には阿佐東線牟岐~阿波海南~海部間が牟岐線の延伸部として開業した
また、阿佐西線の後免~安芸間は土佐電気鉄道安芸線の廃止(1974年10月1日)に伴い同線の廃線敷を転用して建設することになり、1974年4月24日に工事実施計画認可を受けている
1980年の日本国有鉄道経営再建促進特別措置法の公布にあわせて工事は凍結されるが、
工事が凍結された時点で用地買収や路盤工事が比較的進んでいた阿佐西線後免~安芸~田野~奈半利間と阿佐東線海部~甲浦間は第三セクターによる経営引き受けを前提に工事が再開され、
1992年3月26日に阿佐海岸鉄道の阿佐東線海部~甲浦間、2002年7月1日に土佐くろしお鉄道の阿佐線(ごめん・なはり線)後免~奈半利間がそれぞれ開業しました
未成線に終わった甲浦~奈半利間(約50km)には
野根、室戸、吉良川、土佐羽根の4駅の設置が計画されていました
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甲浦駅を16時02分に出発して国道55号線で海岸線を南下し
野根川が太平洋に注ぐ、野根大橋手前を右折して国道493号へ
このルートは室戸岬を経由するよりショートカットできると思い、初めてチャレンジします!(^^)!
野根川沿いを遡ります 0分59秒
国道493号の左の土手は桜並木が続いてる
今頃は満開になってて綺麗だろうな~
この辺りは野根山街道と重複してるみたい
野根中学校辺りで押野橋を渡り、別役(べっちゃく)川の左岸から山中に分け入るようです
国鉄阿佐線は1971年10月に阿波海南~海部~甲浦~野根間が着工していたので
この辺りまで用地買収は完了していたのだろうか?
国道493号線のクネクネ道を登り、安芸郡東洋町から北川村へ
雨も遂に降り始めました
四郎ヶ野峠 0分32秒
四郎ヶ野峠登山口(標高400m)
北川村に入るとすぐに広場があって野根山街道って書かれた案内板がありました
ここはちょうど峠の頭で、四郎ヶ野峠(標高456m)らしい
野根の国道55号からここまで8kmって書いてある
周辺は矢筈谷山国有林で四国のみちも整備されてるみたい
宿屋杉のみち 18.8km
岩佐関所のみち 16.8km
野根山街道
このコースは、安芸郡奈半利町から東洋町野根山連山の尾根伝いの険しい、44キロの山道である。大和時代に野根山官道として整備され一千数百年の歴史を秘め、土御門上皇の遠流の悲しい旅の道となり、天正年間には長宗我部元親が四国制覇の道として使いました。
江戸時代に入ると華やかな参勤交代の行列が通り、幕末には志士脱藩の道となり、清岡道之助ら二十三烈士が野根山に屯集しています。
また、妊婦を守りオオカミを退治した勇敢な飛脚の話、関守の娘の哀話、奇怪な笑い栂の木、胸高周囲が16.6メートルで中が空洞になっていて、四畳半敷程の広さがあって旅人4~5人は泊まれたという巨木の宿屋杉などなど、歴史と伝説が街道全体にきらびやかにちりばめられている自然歩道です。
案内板文面より
この街道の起源は、古く養老2年(西暦718年)頃から
断崖の多い海岸周りの地形を避け、阿波と土佐の通行路として利用されてきたといわれており
1200余年の昔からなだらかな野根山連山の山稜を開け、中央を結ぶ重要な幹線の役割を果たしてきました
この街道は四国百名山にもなっており、車で行ける米ヶ岡からこの四郎ヶ野峠までを歩く人が多いようです
エントツ山さんが四国百名山最後の山として、奈半利から野根まで街道全ルートを完歩されてました
平成23年4月23日~24日
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国道55号で室戸岬を周るより
国道493号でショートカットと思って、野根大橋手前で右折したけど・・・
殆ど対向車も無く、野根大橋から奈半利まで1時間15分もかかりました(甲浦駅から1時間24分)
2019年に奈半利駅から甲浦駅まで高知東部交通のバスを利用しましたが
奈半利駅11:03発で、奈半利駅から123番目のバス停(笑)である甲浦駅が12:51着でした
途中集落のある旧道や室戸市内の室戸高校まで寄り道しながらの1時間48分と、僅か24分しか変わらんやないか~い
四郎ヶ野峠から矢筈谷川を左にして下り
小川川に合流後は、奈半利川手前まで広がった車線で小川川を右にした左岸を下ります
大きくなった小川川が奈半利川に合流して更に大きな奈半利川に!
右の分岐は二股橋を渡って奈半利川の左岸を遡る県道12号線
この道は魚梁瀬ダムのある馬路村へ至ります
奈半利川にはダムが沢山作られてますが
この先には平鍋ダムがあり、ダム湖に架かる平鍋橋を渡り奈半利川右岸へ
あっ!トンネル
急峻な谷沿いの道なので落石や土砂崩壊が多く、
また蛇行する奈半利川を直線で抜けるためにトンネルと橋梁の建設が進んでいます
2014年に大規模な地滑り被害に遭った安芸郡北川村小島の国道493号の復旧と改良の為に整備され
昨年(2020年)の12月5日に開通したばかり
延長約1キロのバイパスルートとなり、被災区間を含む危険箇所を回避します
将来的に阿南安芸自動車道の一部にできる仕様となってるそうな
引き続いて奈半利川右岸を下り和田地区を通過
この辺りは道路の路盤も既に確保されて前方には大きな工事事務所とトンネルの坑口が見える
和田地区を通過 0分59秒
このトンネルは全長2,230mの和田トンネルで北川道路2-2工区(4.0km)」の大部分を占めるもので
2023年度にはこのトンネルを含めた3.4kmが開通する
開通予定時期のお知らせ 高知県土木部道路課 令和3年1月29日
大きく蛇行する奈半利川に沿って進む国道493号線
和田トンネルが完成し、短い柏木トンネルと前後の橋梁が完成して結ばれると
既に全通している北川奈半利道路(5.0km)と繋がり、阿南安芸自動車道が大きく延伸します
柏木ICから北川奈半利道路に乗ります
この左には幕末の志士、中岡慎太郎の生家があります
北川奈半利道路を降りて国道55号へ向かいます
左側手前に見えてる建物は津波タワー 0分59秒
国道55号線に1時間15分振りに合流しました
現段階では、まだ室戸市を経由する整備された国道55号線を利用する方が楽で安全かと思いますが
もう数年も経つと、国道493号線奈半利-野根間は半分程は地域高規格道路が延伸してるはず
安芸市にある国道55号線沿いの道の駅大山
太平洋からの越波によって通行止めになる事も度々あるとの事で
全長1,330mの大山トンネルがバイパスとして整備されてました
この近くに
伊尾木洞があるので、時間に余裕があるときに是非とも訪ねてみたいものです