成就社を14時25分に出発して約10分
14:38 Z
奥前神寺でロープウェイに向かう道と別れ、第1リフト乗り場付近まで下って来ると
河口と書かれた標識がありました
13:38 Z
左手には黒川の谷を挟んで石鎚成就スキー場が見えます
ロープウェイから此処で第1リフトに乗り継いで成就に向かう参拝客もおられますのでスキーシーズン以外もこのリフトだけは通年運行しています
左後方には先程出発した成就社の旅館街が建ち並んでいます
今では中宮成就社までは殆ど歩くことなく車、ロープウェイ、リフトと乗り継いで訪れる事が出来ます
成就から石鎚山頂までは僅か4kmで3時間
かつて講を組織して新兵衛埠頭に上陸し、先達に導かれ目指したお山は、九州、中国地方からも日帰圏の身近な山となりましたが・・・
新兵衛埠頭に上陸後はどのようなルートを辿ったのでしょうか
昨年歩いた伊予小松駅から横峰寺までの遍路道と5月5日に歩いた横峰寺から虎杖までのモエ坂を下る遍路道
そして先月の河口から虎杖、成就社までの黒川道、成就社から河口までの今宮道のGPSルートログ
まだ歩いていない新兵衛埠頭周辺と岡村ルート、
そして成就社から頂上までのルートをカシミール3Dに描画して俯瞰して見ました
現在では歩き遍路さんとトレランの人以外では麓から頂上まで歩き通すのは行者さんぐらいかなw
その最たるものが三十六王子社巡拝ですが
昭和50年より巡拝行が3泊4日(口之宮本社-西之川)の行程で毎年10月に行われているようです(河口、成就社、頂上社に宿泊)
お遍路さんの場合は大頭より湯浪ルートで横峰寺へ登り、弘法大師空海が修行された石鎚山へ立ち寄る方は星ヶ森峠を越えて大頭から頂上社までの片道20km以上のお山道を歩きます
頂上まで行かれないお遍路さんは星ヶ森遥拝所にて石鎚蔵王権現を遥拝されるようです
2018年4月 星ヶ森峠にて撮影
星ヶ森峠から山頂まで13.1km、
往路8時間、復路5時間半
前回でも少し触れましたが、お山講によって岡山、広島、山口県下一円からも石鎚山を訪れるようになると、
船でやって来て上陸後は別当寺による先達に引率されて山頂を目指したようですが、
新兵衛(しんべ)の船着き場からはどういうルートを辿ったのだろうかと
カシミール3D上にGPSトラックログを表示させてルートを俯瞰して眺めると
遍路道の岡村ルートで横峰寺を経て黒川道を通ったか、あるいは現在の県道142号線で河口(こうぐち)に至り今宮道を通ったのではなかろうか
県道142号線(石鎚伊予小松停車場線は大正以降に整備されたものと思われますが県道が出来るルートなので、それ以前にも谷沿いに車道では無くても道はあったものと思われます
現在は黒瀬ダムによって出来たダム湖を迂回するようになっていますが、以前は加茂川に沿った谷沿いのルートだったのでしょう
現在の横峰寺から香園寺に到る遍路道はおこやから左に曲がり尾根を下り、香園寺奥之院を経て大谷池の畔を通りますが
このルートは最近になって香園寺によって付け替えられたのではないかと昨年歩いた時に思いました
古い丁石の残る遍路道はおこやから谷に下り、採石場の前を通るルートであり、このルートだと新兵衛の船着き場からも自然な感じ
さらに東側の網付山(標高519m)の頂上を通る尾根道もルート的にはあり得るかもって感じがします
おこやから香園寺奥之院を経由する現在のルートの右側に岡村ルートがありました
横峰寺から遍路道を下って来ると沿道に古い丁石が残ってますが
おこやから左に曲った尾根道から後は昭和以降の道標しかありません
この遍路道は「四国のみち」にもなってますが香園寺の奥之院新設によって付け替えられたのではないかと私は思ってます
中国地方から船で参詣する石鎚講の皆さんが上陸した港である氷見の新兵衛(しんべ)の船着場ですが
中山川を少し遡った場所にあります
昭和になって港湾が改修されるまで港は河口の市塚、新兵衛の両河口港が西条の中心的港湾として機能していたそうです
予讃線の伊予氷見駅の北に新兵衛という地名があります
調べてみると「日野新兵衛」と云う人が2百年程前に新田開発(干拓)を行ったらしい
中山川を河口から少し遡った右岸に中国方面からの登拝者を乗せた船が出入りして大変賑わったという船着き場があります
県道13号線の新兵衛大橋の袂に中州を利用した船溜まりがある
ここが新兵衛の船着き場で備中備後の石鎚講から寄進された大きな常夜灯があります
さて
そろそろ今宮道を下ろう
ご訪問いただきましてありがとうございます
前回の③行者堂から成就社を経て奥前神寺からの続きになります
14:39 Z
時刻は14時39分
今日は、いつだったっけ( ̄▽ ̄;)
もう忘れるくらい日が経ってしまいましたが平成最後の日曜日の4月28日でした
もう陽は十分長くなっているので
今宮道を河口(こうぐち)まで下るのにたとえ3時間かかったとしても暗くなる前にパジェロまで戻ることが出来ます
しかし
解けた靴ひもを結ぼうとした瞬間太腿が攣ってしまいました
距離はまだ11.1kmしか歩いていませんが、黒川道さすがにきつかったです
この分だと膝が痛み出すのも時間の問題かも
14:41 ①
今宮道はピクニック園地スキー場を横切ります
コースのど真ん中を横断するなんて
初心者コースとはいえシーズン中は歩きにくいでしょうに
でも今の季節は最高です
14:43
標識もしっかり設置されているので迷う事もありません
14:47
黒川道の後半が荒れてただけに高速道路のように感じられる快適な道です
14:49 ②
第17女人返王子社
王子とは熊野権現の分身として出現する御子神であり
神仏混淆(こんこう)の時代には神仏の宿る処には何処にでも出現して参詣者を見守ったそうです
奇岩、奇窟、巨木、山頂、滝などが神仏の宿る処とされました
ここから左へ分岐尾根を進むと黒川道の行者堂を見下ろす断崖絶壁の場所(覗きの行場)に第16山伏王子社があったようですが気付きませんでした
14:57
しばらくは尾根道を下ります
14:59
今日はあまり見かける事が無かったけどミツバツツジが咲いてる
道中にあけぼのつつじも見かけなかったなぁ~
14:59
今宮道に沿って電線も架設されてるみたい
快適に尾根道を下ります
15:05 ③
第15矢倉王子社
お堂があったのでしょうか倒壊した建物の残骸があります
この手前で今日初めて成就社周辺以外で人と逢いました
若いお遍路さんが休んでおられました
南無大師遍照金剛
「石鎚山旧跡三十六王子社」によると、ここから南に瓶ヶ森、その下方に西之川部落を眺め、北は連なる山々を越えて瀬戸の内海が見える。至って眺望のよい処であり、夏山の季節には茶店がだされたとあります
この辺りから尾根を少し逸れて東斜面のトラバース道となり
植林地帯に変わっているのでかつての眺望は全くありません
倒壊した建物は茶店だったのでしょうか
15:09
現在地は第15矢倉王子社
王子社巡拝道はこの先の今宮杉の手前で今宮道と別れて尾根道に復帰し四手坂で再び合流します
15:24 ④
第14番花取王子社
ここで年配のお遍路さんに逢いました
昨晩は旧小松町のしこくやさんに泊まられたとの事
湯浪ルートで横峰寺を打って星ヶ森峠を越え河口から今宮道で成就社へ
今夜は成就社の旅館に泊まられるという
湯の里小町温泉しこくやさんは国道11号線の大頭交差点を西に少し行った所にあるのでここまで15kmくらいかな(昔伊藤かずえさんがCMに出演していたリンリンパークです)
15kmといっても標高820mの星ヶ森を越えて標高200mの河口まで下り、再び1450mの成就社まで登るので標高差は激しい
星ヶ森から虎杖までのモエ坂を下る遍路道の様子を訊ねると
かなり傷んでおりトラロープによる迂回路の連続だったとの事で暗くなって歩くことは絶対無理との事でした
(この一週間後の5月5日に虎杖から横峰寺までの山道を往復して来ましたが、沢沿いの道はかなり崩落していました)
時刻も15時を過ぎており、殆ど人に逢わないルートで今どの辺なのか気にして居られましたが、今宮道の中間地点を超えた位とお答えしました
歩き遍路で石鎚神社頂上社まで立ち寄る方はどの位いるのだろう
明日は成就から山頂まで往復して香園寺まで一気に下るのだろうか
お遍路さんの無事結願を心より願います
南無大師遍照金剛
15:33
植林の中を下ります
15:39
石畳になりました
15:51 ⑤
今宮の大杉
乳杉とも呼ばれる夫婦杉で根元から二股に分かれています
大きい杉は女杉で小さい杉が男杉
女杉の幹には女性の乳房に似たコブがあり、乳が出ない母親がその皮を煎じて飲めば乳が出るという言伝えがあるそうです
残念ながら女杉は枯れかかっていました
15:53
現在地は乳杉こと樹齢800年を超える今宮杉(ジオグラフィカ上にマーカーを打とうとすると何故か位置がずれるので現在地を画面キャプチャしました)
今宮の大杉を過ぎると今宮集落跡を通りますが、林道が4か所で今宮道を横切っています
一番最後に当たる場所は斜面を削った際に今宮道への取り付き口を作ってない為に歴史ある古道の一部が歩けなくなっています
この区間は標識によると林道を歩くみたいですが林道わきの斜面が大きく崩落していました
現在は通行出来ますが、いまだに道の脇に崩落した大量の土砂と岩が積み上げられています
15:54 ⑤
樹齢はなんと828年!
(平成3年設置の案内板に樹齢800年の表記がありましたw)
はっぴゃく年まえって何時代
西暦1190年 ( ̄▽ ̄;)
おぉ~!いいくにひらけ、かまくらばくふ
頼朝さんと同年代だぁ~(*>∇<)ノ
15:58 ⑤
石積みの上には杉を保護する柵があった痕跡がありますが現在は誰も手入れする人が居ないのか荒れてました
鎌倉時代から登拝者を見守り続けてきた夫婦杉もいよいよ終焉を迎えようとしています
16:00 ⑥
左から右へ上る林道に当たります
16:00 ⑥
山道が林道に寸断されると道を見失いがちになりますが、ここは真っ直ぐ向かいに抜けていました
この辺りから今宮の集落跡になります
今宮の集落跡を抜けていきます
16:08
今宮集落の廃屋が残ってます
16:08
植林の中の住居跡
五右衛門釜が残ってる
16:08
道通様のお家
16:08
黒川の集落もそうでしたが、屋根は全てトタン屋根であり、瓦では葺かれてませんね
林道が出来たのは廃村後なので山中に重い瓦を運ぶことは出来なかったのでしょう
16:10 ⑦
2度目の林道
ここは右から左へと上っています
林道を右へ20メートル程下った処に今宮道の続きがありました
16:11 ⑧
林道から今宮道へ
16:13
右に墓地
16:15
左下に大きな2階建ての廃屋
おそらくは旅館だと思われます
16:15
16:16 ⑨
また2階建ての廃屋
16:19 ⑨
丁寧に積まれた石積
16:24 ⑩
振り返り写真
見事な石積でした
16:30 ⑪
3度目の林道に出ましたが・・・
16:33 ⑪
地図では今宮道は真っ直ぐに突き抜けるはずですが取り付き口が藪ってて判りません
16:33 ⑪
すぐ近くに軽トラ(廃車)と二階家の廃屋があったのでその辺りも探りましたが・・・
道は判らず、林道を左に下ります
16:40 ⑫
林道に標識がありました
この区間は林道を下る様になってるみたい
14:40
林道わきの崖がすぱっと崩れて土砂が大量に流れ落ちてます
16:42 ⑬
河口の道標が立ってます
今宮道の続きの様です
この反対側に今宮道の取り付き口がありません
林道を作った際に斜面を削り取った結果、今宮道が斜面の上に取り残されたままになっていると思われます
せめて梯子でもかければ良いのに!
歴史ある古道を藪に埋もれさせることはないのになぁ~
16:43 ⑬
ここの取り付き口は草生したら見落としそうな感じ
この林道は河口より県道12号線をかなり上ったロープウェイ乗場手前から等高線に沿って上って来ているので林道を下っても河口より5km程上の県道に出てしまいます
16:44 ⑬
草刈お接待の鎌がありました
16:44
今宮道は上の方は整備されていたけど今宮集落跡から下は荒れてる感じがしました
看板も落ちてる
16:57 ⑭
三光坊不動尊は倒壊していました
奥に王子社が見えてます
17:04 ⑭
第7今宮王子社
四手坂王子社とも呼ばれてる
奥にもう一つ王子社があるようです
この先は崖になっており、植林前は黒川集落を眺める事が出来たそうです(覗きの行場)
今宮道に戻り、下って行くと加茂川を流れる音が聞こえてきました
痛む膝を引きずりながらも下って行くと三碧橋が見えて来ました
17:26 ⑮
両側から加茂川が合流する場所に三碧橋が架かる
17:26 ⑮
振り返り写真
石の鳥居を潜りました
17:27 ⑮
振り返り写真
17:27 ⑮
地図にない左に分岐する道
歩いてみる力と気力はもうない
17:29 ①
今宮道登山口に17時29分到着しました
9時20分に此処を出発して8時間9分かかって河口の今宮道登山口に戻って来ました
全行程は17.67kmでした
成就社を発ったのは14時26分
下りの今宮道は2時間半の予定でしたが、3時間3分を費やして膝の痛みと闘いながらボトボトと下りて来ました
今日の行程ではロープウェイから成就社の間を除くと今宮道で登って来るお遍路さん2名とトレランで抜き去って行かれた方1名の3人に逢ったのみでした
私のウォーキングコースでは多い方かもw
GPSルートログによる3D動画
移動距離 17.67km
所要時間 8時間9分(休憩探索含む)
GPSトラックログ
今回の移動区間Z-⑮-①
長くなりましたが今回でおしまいです
本日もお立寄り頂きましてありがとうございました
では、また
関連記事
①河口から虎杖へ へ