マンガ「娘の友達」を読み始めて、
マンガは線の芸術である
ということを強く意識しました。
この作品は、わずかな線描の違いで様々な表情や思い、状況を表現しているのです。
線への真摯な姿勢が垣間見られます。
萩原あさ美さんの線には時に引き算の美学を感じることがあります。
意図的に線を削ぎ効果を高めています。
バッティングセンターへ行く晃介と古都
コミックDAYS第38話より
上のページでは、頬の線描で可憐さと同時にヒロイン古都の頑張り屋さん的な性格が自ずと現れるとともに、顔の部位の線を削ぐことで、
微妙な内面が読み手に伝わってくるかのようです。
このような線描の表現に少なからず出会えます。
僕は「娘の友達」を読む際に、線描の深さも味わうようにもなりました。
パソコンを使ったマンガ制作やスマートフォン前提のwebtoonの出現により、全コマフルカラーの作品が増え、色彩による表現が重みを増してきたと思います。特にwebtoonでは、色彩の感性や工夫も強く問われます。
しかしながら、やはりマンガは線描で語るメディアではないかと思うのです。
白と黒のモノトーンでも面白い作品こそが、実力のあるマンガなのかもしれないと感じることもあります。
その点で「娘の友達」は、線の熱意と創意工夫が託された、見応えのある作品、
換言すれば、
線の芸術へも歩もうとする作品、
そう僕は言いたいですよ^ - ^