主人公市川晃介の娘、美也(みや)は高校1年生で引きこもりの状況にありました。
これは5月10日のブログ
でも少し言及しましたね。
母親の死別や学校の人間関係や学習面の不振などが重なりいつしか美也は学校に足を運べなくなっていたのでした。
そして反抗的な態度を晃介に取り続けます。
晃介はそんな美也にどう接したらいいかわからず苦悩します。
しかし、日々の仕事にはきちんと取り組んでいました。
会社では次期課長となるエースとしてみなされています。
晃介にとって仕事は優先すべき事柄です。
(それが実は古都と出会うことによって変わるのですがそれは別の機会に。)
父親が仕事を最優先とし子供は引きこもりになっている、
このような状況は現代日本では決して絵空事ではありません。
父親が仕事を優先せざるを得ず、子供への対応がおろそかになってしまっている家庭は令和時代においても珍しくはないでしょう。
特に雇用の安定性が昭和時代に比べだいぶ揺らいでいますから、仕事でパフォーマンスを上げないといけない状況は、30年前に比べ余暇が増えたとはいえ、しんどいところもあるかもしれません。
また、高校生の引きこもりの近年の背景は、物質的な豊かさ、登校ストレスの増加、地縁の希薄化、少子化による弊害など実に様々な要因が指摘されていますが、IT技術の発達やそれに伴うSNSへの依存、テクノストレス、そんな要因も絡んでいるかもしれません。
反抗する美也の声が響きます コミックDAYS第1話より
晃介と美也の状況や関係は、現代的な問題をも垣間見せますが、
美也が父親の晃介に反抗する姿は、今も昔も男女問わずティーンエージャーにはありうることではないでしょうか。
ジェームス・ディーン主役の名作、映画「理由なき反抗」はティーンエージャーの大人への反発を描きましたが1955年制作の作品です。
僕も10代のある時期父親にだいぶ反発していました。
今思うととても申し訳なかったとも感じたりしますが、
反抗をする中で10代は成長していくのかもしれないとも思われます。
美也はこの作品の終了時にはどんな変化を遂げているのでしょうか?
実の娘というかけがえのなさ、
そして古都の友達であり、
古都との関係にとってのノイズ、
この美也という存在も「娘の友達」の展開を盛り上げてくれるのです。