設定の確かさ〜問題作?「娘の友達」を読む〜 | みかんともブログ

みかんともブログ

このブログは、表現コンテンツが好きな人や表現活動に関心がある人に向けて書いています。
特にマンガ、アニメなどの二次元、音楽、ライトノベルが中心ですが、最近はポップカルチャーを詠む短歌についても触れています。
あなたも試しにご覧あれ(^-^)

マンガ「娘の友達」では、設定がよく考えられていると感じる時があります。
例えば、主人公市川晃介は1年前に妻と死別しています。
仕事優先の生活で妻を顧みられなかったことを後悔しています。
晃介は仕事でも私生活でもまじめです。
そのうえ、一人娘の美也の養育で悩んでいます。
しかも、彼女は学校にいけない引きこもりの状況です。
これが妻がちゃんと生きている場合、晃介にいい加減なところがある印象をもたらしますし、娘が明るくて健康的ならば、晃介が纏(まと)う翳りが少し損なわれてしまうでしょう。
 
妻と死別し、遺影に今も手を合わせ続ける、真面目なサラリーマン晃介。
その彼が高校1年生如月古都との危険な恋愛に傾斜していくからこそ、物語に意外性や緊張感を添えるのです。
晃介は死別した妻の恵子のことを今も思いやっています
コミックDAYS第10話より
また、古都は一見優等生ですが、家庭環境に重苦しさがあります。
これが家庭も居場所になっており明るく暮らす女の子だったら物語の興は大きくそがれることでしょう。
他にも言及したい設定があるのですが、長くなってしまうので僕の印象を記すと
作者の萩原あさ美さんは設定をかなり練り上げたように感じました。
しかも徐々に謎が明らかになっていく筋立ては読みたい気持ちを高めます。
 
webトーンやアプリ漫画の量産時代、適当な設定の作品も見受けられますが、「娘の友達」のようにしっかりした設定の作品はやはり読みごたえがありますね(^.^)
設定の大切さを改めて思ったことでしたよ。