問題作?「娘の友達」を読む | みかんともブログ

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特にマンガ、アニメなどの二次元、音楽、ライトノベルが中心ですが、最近はポップカルチャーを詠む短歌についても触れています。
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僕がマンガ「娘の友達」の存在を知ったのはツイッターでした。
昨年の冬だったでしょうか。
この作品が
「性的搾取を助長する」と批判されている
というFFさんのツイートをたまたま見たからです。
 
『少年ジャンプ』の「ゆらぎ荘の幽霊さん」を批判するような観点から
性的シーンを学者や教育者が批判しているのだろうぐらいの印象で
ツイートを読み流しました。
その時はどこで連載しているかも気に留めませんでした。
 
3月からの自粛期間、LINEマンガをよく読むようになったのですが、
偶然「娘の友達」の期間限定連載を知り、1巻分を読んでみようと思いました。
LINE掲載分を読み終えると続きが気になり
2巻目は単行本で読んでみました。
(定期連載はマンガアプリの【コミックDAYS】講談社)
 
そして得た感想は
この作品は、
 
アラフォーの中年男性と女子高生の複雑な恋愛関係を軸に
高度情報社会の闇やその中に生きる現代人の精神的な危機にも踏み込んだ
硬質なマンガ作品だった
 
ということです。
過激な描写ではないですが、2巻からは性的なシーンも現れます。
女子高生の娘のいる中年男性とその友達との恋愛という設定も相まって、
「性的搾取を助長している」と批判が出てきたのでしょう。それはストーリーや描写を思うと過剰反応にも感じました。
 
作者の萩原あさ美さんは、作品を通じて人間の本質や行動原理に迫ろうとしているのかもしれないという感じも受けました。
それは今後の展開によって見えてくると推察されます。

こう書くと、とても重々しい作品のように感じるかもしれませんが、
浮遊感みたいなものも描写に漂い、登場人物を取り巻く状況や謎が少しずつ明らかになっていくのはミステリーの要素にも重なり、読み進む気持ちを高めます。
また、僕は2巻の最後のシーンでなぜか声を出して、
笑ってしまいました。
あなたがこの作品のその場面に差し掛かった時、どんな反応を示すでしょうか。
いい意味で複雑な作品です。
 
この作品は複数回に分けて感想を述べてみたいと思います。
 
主人公晃介の行きつけの喫茶店で知り合う二人 LINEマンガ第1話より