ヤングマガジン連載の「パラレルパラダイス」(作:岡本倫)は官能シーンが多く、たまにR 18でもいいかもしれないと思われる時もあります。
そんなセクシーシーンが少なくない作品ですが、共同体や国家について時に本質的なことを考えさせられる時もあります。
作品の舞台は、異世界であり、魔物も出現し、人間たちは、都市を城壁で囲って、外敵に備えています。
中世ヨーロッパの領邦や都市に似ているといえましょう。
各都市にはガーディアンと呼ばれる武芸に秀でた守護者たちが存在します。
この世界は女性しか存在しませんので、ガーディアンはもちろん女性です。
彼女たちは住民の協力を受けながら、魔物や敵と戦うのですが、強大な敵の前では命を落とすこともあります。
自分たちのパトリ(祖国・原郷)を護るために命を捧げるのです。
そういう場面に出会う時、
とても痛々しさを感じてしまいます。
そして、共同体や郷土は誰かが守らなければ、滅んでしまうという厳然とした歴史的事実にも思い至るのです。
パトリは、男女問わず、誰かが守ることで存続しています。
寺山修司は短歌で
マッチ擦る束の間海に霧ふかし
身を捨つるほどの祖国がありや
と詠み、当時の彼の「祖国」の状況に疑義を呈しましたが、
ガーディアンにとっては、身を捨つるほどの祖国や郷土あるのでした。
僕もあると感じたい。
パトリを守る意識
災害、災厄、国土、治安を人知れず護る人たちへの思い、
平和のありがたさ
そういうことを「パラレルパラダイス」に実は改めて思ったりすることです。


