マンガが現実を先取りする「空母いぶき」 | みかんともブログ

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12月18日に政府の防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」と次期中期防衛力西部計画が閣議決定されました。

そこで注目されるのは、護衛艦いずもを改修して空母化するということ。

 

改めて思ったのは、マンガが時代を先取りしているということでした。

 

『ビックコミック』(小学館)で2014年第24号から連載している「空母いぶき」という作品があります。

これは『沈黙の艦隊』『ジパング』といった軍事ものを描いてきたかわぐちかいじさんの手によるもの。

 

「空母いぶき」は20XX年の日本が舞台。

中華人民共和国の台頭を背景に海洋防衛のため日本は空母いぶきを就航させました。

 

これは次期中期防衛計画で決定された事実上の軽空母と同じく、護衛艦を改修したもので搭載機も十数機です。

しかも作品での設定は護衛艦いずもが改修されたということになっています。

まさしく今回の改修と一致します。

 

もちろん、以前から通し甲板を採用している大型護衛艦、「かが」や「いずも」の空母化の可能性は有り得る話でしたので、かわぐちさんがその流れを取り入れて護衛艦いずもの改修という設定にしたのでしょうか。

マンガのあとを現実が追うという展開が見られ、かわぐちかいじさんの時代の潮流を読む取る力を感じました。


マンガ「空母いぶき」はこれからいっそう注目されることでしょう。

 

作品では、中国が東シナ海の支配を試みて先島諸島や尖閣諸島を制圧します。

それを奪回すべく空母いぶきが出撃します。

そこには軍事、外交、内政に関わるリアルと具体性を重んじた展開が認められるのです。


あなたもこの作品を手に取ると中国がらみでここまでリアルな軍事を書くのかという思いを抱くことでしょう。


京都国際マンガミュージアム ビックコミック展にて撮影

 

目下中国は軍事力を増強し、東シナ海、南シナ海を勢力下におこうとしています。南シナ海のほとんどの島嶼の領有を主張し、沿岸国と対立を引き起こしています。


大型空母をすでに2隻就航させ、原子力空母も含め、他3隻の建造を進めているそうです。

 

海洋防衛に待ったなしの状況に置かれつつあります。


日本の軽空母が東アジアの脅威で、中国の空母の脅威は不問に付すような主張に接しますが、現実や潮流が見えていないように感じます。

そういう論者は、イデオロギーに縛られているのか、「褒められたい」のでしょう。


「空母いぶき」も今回の護衛艦の改修による空母化もそのような潮流のもとにあるのだと改めて思ったことでした。


中国とは文化面ではマンガやアニメで相互交流もなされていますし、経済的には競争も相互補完もありますし、また政治的には対立する基調があるわけです。


単純な二項対立ではない関係であり、平穏を願っておりますが、リアルな眼は持っておきたいと考えています。


「空母いぶき」、

あなたが近未来の東アジアのリアルに関心があったり、軍事ものが好きならおすすめのマンガですよ^_^