先日京都市営地下鉄駅構内のカフェでくつろいでいました。
隣席の二人連れの女性たちの話し声が耳に入りました。
マンガの話題だったのです。
ゴールデンカムイってすごいよね~。
研究者の人がしっかり監修してると思うよ。
どうやらお勧めのマンガを二人で話しているようでした。
その後、「はたらく細胞」のことも取り上げていました。
後者は読んだことがまだありませんが、ゴールデンカムイについては同感でした。
僕も春から「ゴールデンカムイ」を読むようになりました。
マンガ好きの知人が強く勧めていたからです。
初めて読んでみて、知人が勧めた理由が理解されました。
アイヌ文化と関わらせながら、娯楽性を追求した作品、それはピカレスクロマン(悪漢小説)の趣さえ持ちます。
舞台は明治末の北海道。主人公杉本佐一は日露戦争で不死身と言われたら兵士。彼は除隊後、幼馴染である梅子の眼病の治療費用を得るため北海道で砂金の採掘をしていましたが、偶然アイヌが残しそして奪われた膨大な金塊の存在を知ります。その後、ヒグマに襲われていたところをアイヌの少女アシリパ(本文ではリは小文字)に助けられます。
佐一は眼病の治療費をアシリパはアイヌの金塊を奪ったものへの復讐を目的に二人はいっしょに金塊を探すことになるのです。
この後の展開が山あり谷ありで本当に目が離せなくなっていくのです。
また、折々紹介される当時のアイヌ文化が興味を高めます。世界観、儀礼、狩猟、食生活などが綴られ、なるほどと思いながら読んでいくことしばしばでした。
特に狩猟についてのくだりは、マンガ「山賊ダイアリー」の知識と重なるところもあり、いっそう理解が深まるようにも感じました。
いろいろな野生動物を狩って、暮らしに生かすアイヌの人々は狩猟&漁撈の民だったんだなぁと改めて思いました。
と言って、文化の説明には、堅苦しい感じはありません。ほめ称える姿勢もありませんが、アシリパは誇りをもって語っています。文化の説明が作中に自然な形で挟み込まれています。
またアイヌの人々に対する和人の差別も描写されますが、アイヌが弱く虐げられた存在という一面的な描出はなされず、自然に溶け込んだ慎ましく明るい暮らしをする人々として描出したり、和人同様、アイヌの中にも善人と悪人がいるというリアルな描き方をしているところも、読者が肩の力を脱いで楽しめる理由ではないでしょうか。
よほどアイヌ文化に関心を持っていないと書けない作品です。作者の野口サトルさんは綿密な取材を積み重ねて描いていると思わないではいられません。
「ゴールデンカムイ」は読んで得るものが多い作品です。
あなたが興味を持ったなら、まずは体験くださいね(^^)
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