「ランブル・フィスト」を読み終えて~いわき市への思い~ | みかんともブログ

みかんともブログ

このブログは、表現コンテンツが好きな人や表現活動に関心がある人に向けて書いています。
特にマンガ、アニメなどの二次元、音楽、ライトノベルが中心ですが、最近はポップカルチャーを詠む短歌についても触れています。
あなたも試しにご覧あれ(^-^)

『月刊少年チャンピオン』10月号で野部優美さん作、「ランブル・フィスト」が最終回を迎えました。単行本に直すと全5巻分の物語。

 

リアルタイムで第1話から読んでおりましたが、主人公の阿倍克己(あべ かつみ)の成長の物語、見事でした。

 

高校生の克己は、幼馴染の高松剛汰(たかまつ ごうた)を励ましたい気持ちで、小学生から空手を習いはじめました。ある日、中学の空手大会の決勝で剛汰が卑劣な反則で敗北し、剛汰の対戦相手に喧嘩を仕掛けますが、克己はぼこぼこにやられます。

そのあと落ち込んだ気分で港を歩いていると、大人数で喧嘩をして無傷で勝って見せた羽生大士(通称 タイサ)に出会うのです。

そこから克己の運命が大きく変わります。

 

この作品、喧嘩や空手のシーンがかなり迫力があってそこも魅力なのですが、登場人物たちの誇りある姿がまぶしいですね。

それに加えて僕が共感を覚えたのは、作者の故郷、福島県いわき市への思いです。舞台をあえて福島県の浜通り(海側)の南端、いわき市に設定し、小名浜港など地元の風景を多数作品に織り込んでいます。

 

僕は思うに作者の野部さんは震災後の福島県に心を痛めて、あえていわき市を舞台にしたのではないでしょうか。マンガを読み進むたびに感じていたことでした。最終回の結末、主人公が選んだ進路は僕の目にはきらめいていました。

 

そして、この作品の軸にも感じるキャラクターたちの「誇り」、このマンガには、(震災後の)苦境にあっても誇りを持って生きようというメッセージが込められていたと考えるのは、うがちすぎでしょうか。

いずれにしても、「頑張れ」等の地元への直接的なメッセージはありませんでしたが、この作品がいわき市ゆかりの人たちに元気を与えたことは疑えません。

 

主人公の成長、誇りある生き方、地元への思い、こういう作品が素晴らしいマンガなんだと最終話を読み終えて強く思ったことですよ。

あなたが格闘技マンガや漢(おとこ)のマンガが好きならお勧めの作品ですよ(^-^)