トランプ大統領誕生と日本のマンガ・アニメ その1 | みかんともブログ

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このブログは、表現コンテンツが好きな人や表現活動に関心がある人に向けて書いています。
特にマンガ、アニメなどの二次元、音楽、ライトノベルが中心ですが、最近はポップカルチャーを詠む短歌についても触れています。
あなたも試しにご覧あれ(^-^)

アメリカ合衆国の新しい大統領としてドナルド・トランプ氏が選ばれました。大半のメディアの予想を裏切った勝利に世界各国は驚いています。

アメリカの指導者が誰になっても揺らがない、日本の国の在り方を僕は願っています。国でも、集団でも、個人でも、まずは自分の足元をしっかりさせることが大切です。

 

とはいえ、トランプ新大統領の誕生は、日本におそらく安全保障と経済の面で大きな課題を突きつけることでしょう。

このブログではアニメやマンガなど表現の面で、トランプ大統領誕生の影響を書いてみたいと思いました。

 

直接的な影響は、TPP(環太平洋経済連携協定)と著作権法の関係です。このテーマは昨年の10月25日のブログでも取り上げましたね。

トランプ氏はTPP破棄を訴えていますから、当面成立が困難になり、TPP自体が流れる可能性も高いです。そのため、TPP成立とともに施行される改正著作権法は実際の運用が延期されましょう。

TPPに伴う著作権法の改正内容はWikipedia「著作権法」を参照にすると

 

有償著作物の著作権侵害を非親告罪化

アクセスコントロール回避行為の違法化(刑事罰なし)

アクセスコントロールの回避行為の為の装置販売の刑事罰化

配信音源の二次使用に対する報酬請求権の付与

損害賠償に関する規定の見直し保護期間延長

 

特にマンガ・アニメファンの間で問題になっているのは、著作権侵害の非親告罪化。

従来は権利を持つ人が訴えなければ著作権侵害者は罰せられませんでしたが、非親告罪化によって権利所有者以外も訴えることができるようになりました。

このため、同人誌などの二次創作やコスプレが萎縮するのではないかと心配されています。

政府は原作者の収益に大きく響かなければ取り締まりの対象にしないという柔軟な方針を示し二次創作を萎縮しないように配慮するとのことですが、運用次第のところもあります。

TPPが成立しなければ、改正著作権法の施行もなされませんので、日本の実情にあった改正案をいっそう考えることができるかもしれませんね。

また、TPP成立を見越して、加盟国で日本発のコンテンツビジネスを拡大しようと考えていた企業には打撃かもしれません。加盟国内では、統一的で明快なルールでコンテンツビジネスを展開できるからです。海賊版対策も加盟国には行いやすいです。おそらく関係者は計画を練り直し始めていることでしょう。

 

表現活動と世界情勢は関係ないという言い方も実はできます。僕自身も思うのですが、究極的には自分が何をしたいのかなので。

しかし、このようにTPP一つとっても同人誌やコスプレの活動に直接影響が及んでしまう時代に僕たちは生きています。自己満足に終わらず、他者に表現を届けるためには、やはり自分が生きている社会や世界への認識も必要です。情報に振り回されるのはつまらないですが、ある程度は知った上で、対応する、あるいは気にしないという姿勢がよいかなと僕自身は考えています。

(その2に続きます)