野球マンガの名作ですが、その後継とされるマンガが『ゲッサン』(小学館)で連載されている「MIX」です。
「タッチ」から26年後の明青学園が舞台。「タッチ」の主人公、上杉達也は出てきませんが、他の登場人物は出てきたりします。例えば、達也たちと甲子園出場を争った西村勇は他校の監督として登場します。
主人公の立花投馬、走一郎兄弟は野球部の主軸として活躍しますが、目下夏の甲子園大会の予選を勝ち進み、ベスト8にまで来ました。
ここからは少しネタバレになります。毎試合連投するエースの投馬を休ませるために準々決勝は控えの投手陣が登板します。そして、2点差で負けたまま9回裏の攻撃を迎えるのです。2アウトを取られ、後が無い状況に。
しかし、ここで異変が。相手チームのエース投手の足が急につり、調子を崩し、4点を取って明青学園が逆転勝ちする結末に。
野球は確かに筋書きの無いドラマです。とは言え、
作者はあまりにも安易すぎないか?
とつい思ってしまいました。
「ダイヤのA」「錻力のアーチスト」「おおきく振りかぶって」、そんな連載中の高校野球マンガは試合の決着のつけ方を考え抜いています。それらと比べるなんと安逸な決着のつけ方なんでしょうか……。
もちろん、ユーモアを大事にする、あだち充マンガではこういう展開もありですが。
そして、決着が安易と思う反面、次号もやはり読みたくなる、そんなところがあだちマンガの持つ魅惑なのだと思ったことでした。