今夜、庭ではいろいろな虫が鳴いています。
では前編の続きを。
ドイツでは蝉の声を騒音として捉える傾向があることに触れました。
比較文化論や脳科学の本を読んでいると次のような記述に出会うことがあります。
虫の声について、日本人は人の声と同じようなものとして捉え、欧米人は車の音などと同じようなものとして認識する、と。中国や朝鮮半島の人々は欧米型を示すそうです。
日本人と同じように虫の声を認識するのは、他にポリネシアに住む人々など少数派だ、と。
これは幼い頃の言語や文化環境が影響しているらしく、日本で育った外国人も日本人と同じ傾向を示し、海外で育った日本人は欧米型の傾向を示すそうです。
どちらがいい悪いではなく、そういう傾向があるということなのですが、日本で生まれ育つと虫の声を人の声と同じように認識するというところには、森羅万象に霊性を認める、日本文化のアミニズム的な側面が影響していると推察されます。採集民や狩猟民などおそらく自然との調和を重んじる文化的環境に生きる人々は日本やミクロネシアの人々と同じような傾向があるのではないかとも思われました。
アニメでも季節感を表すのに、夏は蝉の声、秋は虫の音が欠かせません。
せっかくですから、こういう虫の音に風情や季節感を感じる文化的側面も海外の日本ファンに積極的に説明するのもよいですね。
自然との調和が強く求められつつある現在、内外を問わず共鳴してくれる人は少なからずいるのではないでしょうか。アニメがそのきっかけになれば嬉しくも思います。「コードギアス」の話からだいぶ飛躍してしまいました。
そして、もう一つ大事なことが。
日本の国内に自然を失うならば、虫の声に風情を感じる文化も失いかねません。
身近な自然もいっそう大切にしたいですね(^-^)