全世界でヒットした名作ドラゴンボール(鳥山明 作)、僕も全巻読んでいます。やはり読み応えがあります。
ただし、僕がドラゴンボールに対してどうしても強い情熱を持てないでいるのは、
死んだ人が神龍のおかげで蘇ってしまう、この1点につきます。
ギャグマンガならいいのですが、戦闘もののマンガだと蘇生が可能なんだと思うとマンガから受け取る緊張感がかなり弱くなってしまいます。「北斗の拳」や「バガボンド」が心底を揺り動かすのは、一度きりの命をかけて、戦うからではないでしょうか。
ドラゴンボールを格闘マンガの系譜で見てしまう僕に問題があるのだと思いますし、マンガがなんだから、気にしてもしょうがない、あるいは生き返るからこそ面白いのだ、という意見もきっとあることでしょう。否定はしませんし、ドラゴンボールを貶める気持ちはありません。国境を越える力を持った普遍性のある大作であることは確かです。
それを承知の上で、言えば、僕はマンガに一度だけの命の緊張感と燃焼を強く求めているのだと改めて思われました。それをドラゴンボールが教えてくれました、神龍のオブジェを見ることをきっかけに。
一度きりの人生、あなたはこの世界に何を描き出したいですか?
