クロフォードはついに4階級目に挑む。

大好きなボクサーだがライト級時代は線が細く当時からナチュラルにスイッチ、特にこの頃は

序盤はオーソドックスの時間が長かった。今までにない時代が変わったような気にさせる魅力的なボクサー

だったがまさかあのフィジカルからSウエルターまで上げてくるとは思わなかった。

不人気と言われビッグマッチを実現出来ずにいたが所属プロモーションの問題や相手から敬遠されていただけと思う。

ウエルターに上げてからはとくに無双状態でようやくビッグマッチ、PFP対決のスペンス戦も圧倒した。

それでも、スペンスが事故の影響があったとか何とか文句を言う奴はいる。

ウエルターのトップ選手相手に全てKO勝ち。どこに文句を言えるのだろう?

下の階級でKOを量産し上げて判定が多くなるのが殆どの中、クロフォードは上げてKOを量産している。

パンチャーでも無いのに。そこに彼の恐ろしさがある。。。

 

対するマドリモフ。プロキャリアは浅いが個人的にはクロフォードはこういう相手に負けるだろうという

タイプだ。キャリアが浅い分未知数なところがありアマキャリアが豊富だがプロ向きでフィジカルが強く振り回してくる。

身体能力も高くいわゆるスポーツをやらせたら何でも凄い天才型にみえる。

 

試合はお互いが警戒しまくりフェイントの掛け合い。その中でもクロフォードのボディが効果的にみえる。

マドリモフは何かのきっかけを求めている。きっかけさえあれば振り回す。が、そのきっかけをクロフォードは

与えてくれない。ラウンド間のスローだとマドリモフのパンチがクロフォードの顔面を捉えていても

見事なまでにクロフォードは何でもない顔・目つきをする。こういう所も非常に上手いと思う。

隙を見せない。

 

マドリモフの結果的に唯一のチャンスが5rのクロフォードのスリップだ。その直後からマドリモフの大きなパンチが

ようやくみえた。やや変則的なパンチがクロフォードを捉えたと思う。

だが、やっぱり思い切りいけない。というか来させない。

 

そろそろクロフォードが上回っていくのかとも思えたが、今日のクロフォードはやや消耗しているようにもみえた。

何度か足が揃っている場面があって危なかったようにも思えたが、クロフォードのパンチはコンパクトで正確、そして

ボディが随所に効果的だったな。

 

どちらに転んでもおかしくない終盤だったが少しづつマドリモフは消耗していたのか10.11.12の肝心なところで

失速した。

 

マドリモフはクロフォードにとって過去最強だったかもしれない。考えてみればSウエルター転向初戦。

年齢も37才。下り坂のはずなのに、相変わらず隙が無く動きは滑らかで近い距離でも離れていても実にコンパクトでありながら

綺麗に打ち抜く。パワーだけでないのにダメージを与えるパンチを打てる。コンパクトなのにフォロースルーが凄い。

余程、拳に当てることに長けているのか精度が高い。

 

もう現代ボクシングの最高峰といえるような気がした。但し、階級の壁があったと思う。マドリモフのパンチに珍しく効いた

ように、あるいは消耗しているように見える場面が何度かあった。

 

カネロよりもオルティスやエニスとを観たい。